ユーザやMac OS Xがアプリケーションを識別するために不可欠なプロパティがいくつかあります。すなわち、アプリケーション識別子、ビルドバージョン番号、リリースバージョン番号、著作権表示、アプリケーション名、アプリケーションアイコンのファイル名です。
アプリケーション識別子がなければ、管理者はそれぞれ管理されているアプリケーションの場所までナビゲートする必要があり、かなり手間がかかります。application-identifier(アプリケーション識別子)プロパティは、Mac OS Xがアプリケーションの識別に使用する文字列を指定します。このプロパティは、ファイルシステム内の特定のアプリケーションバンドルや、アプリケーションの特定のバージョンを識別するものではありません。通常の状態では、ユーザにはアプリケーション識別子は表示されません。
application-identifierプロパティは、Info.plistファイルのCFBundleIdentifierキーで指定されます。
アプリケーション識別子は、UTI (Uniform Type Identifier)または逆DNS (Domain Name System)名の形式をとります。つまり、トップレベルドメインが先頭にあり、その後にサブドメインがピリオド(.)で区切られて続きます。アプリケーション識別子は、プレフィックスとベースという2つの部分から成ります。application-identifierプレフィックスは、そのアプリケーションに対して責任がある会社または組織であり、2つかそれ以上のドメインで構成されます。最初のプレフィックスドメイン、すなわちトップレベルドメインは、通常はcomまたはorgです。セカンダリドメインは、会社または組織の名前です。さらに必要に応じてドメインを指定して、範囲を限定することができます。プレフィックスドメインには、通常は小文字を使用します。たとえば、Appleアプリケーションは、com.appleで始まるアプリケーション識別子を使用しています。
application-identifierベースは、単一のドメインで構成され、アプリケーションを正確に参照します。このドメインは、AddressBookのように各単語の1文字目に大文字表記を使用します。UTI (Uniform Type Identifier)の詳細については、『Uniform Type Identifiers Overview』を参照してください。
Mac OS Xは、アプリケーション識別子を使って、アプリケーションバンドルをファイルシステム上の場所に関係なく正確に参照します。たとえば、ペアレンタルコントロールなどいくつかのMac OS X機能は、ユーザのコンピュータ上のアプリケーションを参照するアプリケーション識別子のみを使用します。「ペアレンタルコントロール」環境設定パネルにはアプリケーションのファイル名のリストが含まれており、管理者は図 7-1に示すように、このリストを使って、ユーザにアクセスを管理させるアプリケーションを選択します。
build-version-number(ビルドバージョン番号)プロパティはアプリケーションのビルド回数を識別します。
build-version-numberプロパティは、Info.plistファイルのCFBundleVersionキーで指定されます。
ビルドバージョン番号は、ピリオドで区切られた整数で構成されます。各整数は、ゼロ以上でなければなりません。たとえば、55、1.2、1.2.0.55はすべて有効なビルドバージョン番号です。
Mac OS Xはたとえば、(アプリケーション識別子によって決定される)アプリケーションの複数のバージョンがファイルシステム内に存在するときに、どのバージョンのアプリケーションを起動してファイルを開くかを判断するためにビルドバージョン番号を使います。このような場合、Mac OS Xは最も高いビルドバージョン番号のアプリケーションバンドルを起動します。このメカニズムが正確に作用するように、アプリケーションの新しいバージョンをリリースするたびに、同一のバージョンナンバリング方法に従うようにします。つまり、複数の整数から成るビルドバージョン番号を使って最初にアプリケーションを公開する場合、以降公開するバージョンは、そのビルドバージョン番号には同じ個数の整数を使用する必要があります。
release-version-number(リリースバージョン番号)プロパティは、Finderに表示するアプリケーションのバージョン番号を指定します。ビルドバージョン番号とリリースバージョン番号の両方を指定すると、バージョン番号ウインドウには、図 7-2に示すように、リリース番号情報と、その後にビルドバージョン番号が括弧で囲まれて表示されます。
release-version-numberプロパティは、Info.plistファイルのCFBundleShortVersionStringキーで指定されます。
リリースバージョン番号は、アプリケーションのリリース回数を識別します。ビルドバージョン番号と同様に、リリースバージョン番号はピリオドで区切られた整数文字列で構成されます。しかし、リリースバージョン番号には3桁を越える整数は指定できません。慣例により、最初の整数は、新機能や大幅な変更が行われた改訂数など、アプリケーションのメジャーリビジョン番号を表します。2番目の整数は、それほど主要ではない機能が実装された改訂数を示します。3番目の整数は、メンテナンスリリース回数を表します。
copyright-text(著作権情報)プロパティは、© 2007, My Companyなど、アプリケーションの著作権表示を指定します。著作権表示は、アプリケーションのバージョン情報ウインドウでユーザに表示されます。
copyright-noticeプロパティは、Info.plistファイルのNSHumanReadableCopyrightキーで指定されます。
application-name(アプリケーション名)プロパティは、アプリケーションが開いたときにメニューバーに表示されるアプリケーションメニューのタイトルと、バージョン番号ウインドウに表示されるアプリケーションの名前を指定します。
application-nameプロパティは、Info.plistファイルのCFBundleNameキーで指定されます。
application-icon-filename(アプリケーションアイコンファイル名)プロパティは、Finder、Dock、およびアプリケーションのバージョン番号ウインドウに表示するアプリケーションのアイコンを指定します。
application-icon-filenameプロパティは、Info.plistファイルのCFBundleIconFileキーで指定されます。
アイコンファイルには、アプリケーションのアイコンをさまざまな解像度で表現した、1つまたは複数のイメージが含まれます。1つのアイコンにこのように別々のバージョンを作成することにより、FinderとDockでは、アイコンをさまざまなサイズで可能な限り鮮明に描画できます。アイコンファイルは、Icon Composerアプリケーションを使って作成します。
これらのプロパティやその他のアプリケーションプロパティの詳細については、『Runtime Configuration Guidelines』を参照してください。
Last updated: 2008-01-24