「Xcode」のメインアプリケーションはXcode.appですが、「Xcode」という語はXcode Toolsインストーラによってインストールされるすべての項目も指して使われます。「Xcode」のインストール後は、基本的なXcodeツールは「<Xcode>」ディレクトリと呼ばれる単一のディレクトリに保管されます。デフォルトでは、Xcode Toolsインストーラによって「/Developer」が「<Xcode>」ディレクトリとして設定されますが、ユーザは別の場所をこのディレクトリ用に選ぶことができます。フォルダの名前は、インストール中またはインストール後に変更できます。
ユーザがカスタムの場所を選択しても、「システムツール」オプションが無効になっていなければ、CHUDパフォーマンスツールは「/Developer」にインストールされます。最後にインストールされたCHUDのバージョンだけが機能するので、複数のバージョンのCHUDが1つのシステムにインストールされないようにするためにこのようになっています。CHUDは、Xcode Toolsインストーラによってシステムにインストールされたコンポーネントに依存しています。CHUDツールが含まれる「/Developer」ディレクトリは、ディレクトリが存在するコンピュータが変わらず、同じシステムパーティションが起動されるのであれば、場所を移動したり、名前を変更してもかまいません。
重要: 「システムツール」、「UNIX開発サポート」、および「Mac OS X 10.3.9サポート」インストーラオプションの内容は、「<Xcode>」ディレクトリ以外の場所にインストールされます。「<Xcode>」ディレクトリを別のコンピュータにコピーした場合には、Xcode Toolsインストーラをそのコンピュータで実行しない限り、それらのコンポーネントは失われるか機能しなくなります。
ユーザが「システムツール」をインストールした場合は、「<Xcode>」ディレクトリはxcode-selectツールを使用して見つかることがあります。詳しくは、「Xcodeコマンドラインツールのインストール」を参照してください。
Xcode Toolsインストーラの内容は、このセクションで説明するディレクトリに追加されます。
表 2-1は、各インストールグループの内容がインストールされるディレクトリの一覧です。
インストールグループ | デスティネーション |
|---|---|
Developer Tools必須ファイル |
|
システムツール |
|
UNIX開発サポート |
|
Core Reference Libary |
|
Mac OS X 10.3.9サポート |
|
表 2-2は、Xcode Toolsインストーラが作成するディレクトリ一覧です。
ディレクトリ | 説明 |
|---|---|
| デフォルトは「 |
| この場所には、特定のXcodeリリース固有の内容がインストールされます。 |
| この場所には、すべてのXcodeリリースで使用される内容がインストールされます。 |
| 「システムツール」グループをインストールすると、CHUDパフォーマンスツールはこの場所にインストールされます。 |
通常のユーザまたは管理者が「Xcode」インストールをカスタマイズしたい場合があります。たとえば、複数の「Xcode」がインストールされているときは、製品ドキュメントが使用する領域を少なくするためにそれらを1つの場所にまとめたいかもしれません。独自のプロジェクトテンプレートを開発した場合には、複数の「Xcode」インストールからアクセスできるようにする必要があるかもしれません。
「Xcode」リリースのXcodeアプリケーションは、それ自身の「<Xcode>」ディレクトリを参照してから、ユーザのホームディレクトリを参照し、次にローカルドメインを参照します。コンピュータ上のほかの「<Xcode>」ディレクトリを参照することはなく、それらが存在するという情報は持っていません。
ユーザが管理するディレクトリでは、ユーザが自分のXcode環境をカスタマイズできます:
~/Library/Application Support/Developer/<Xcode_release_number>/
~/Library/Application Support/Developer/Shared/
たとえば、Xcodeプロジェクトテンプレートを次のディレクトリにインストールしてもかまいません:
~/Library/Application Support/Developer/Shared/Xcode/Project Templates/
ユーザがここにインストールする必要があるものは、まずテンプレートです。一般的にテンプレートは、「Shared」に入れるようにしてください。「Shared」に含まれる内容は、すべてのリリースの「Xcode」で使用されます。一方、「Xcode_release_number」に含まれる内容は、そのリリースだけで使用されます。ユーザが独自に作成したテンプレートは、どのバージョンの「Xcode」をインストールしていても、すべてのバージョンで使いたいはずです。
管理者が管理するディレクトリでは、管理者アクセス権を持つユーザがXcode環境をカスタマイズできます:
/Library/Application Support/Developer/<Xcode_release_number>/
/Library/Application Support/Developer/Shared/
/Library/Developer/Shared。このディレクトリの内容は、コンピュータ上のすべてのXcodeリリースで使用されます。
共有ディレクトリは特別なディレクトリです。複数のXcodeリリースがインストールされている場合、「/Library/Developer/Shared」ディレクトリには特定のXcodeリリース、つまり最後にインストールされたリリースの内容だけが含まれます。たとえば、同一コンピュータ上にXcode 3.0をインストールしてからXcode 3.1をインストールするときに、両方のインストールで「システムツール」グループを選択する場合には、「/Library/Developer/Shared」にはXcode 3.1の内容だけが含まれます。
distccが配布するビルドを運用できるのは、最後にインストールするリリースだけです(「Xcode」の「分散ビルド」環境設定の「共有ワークグループビルドのためにこのコンピュータを共有」オプションを確認してください)。
Mac OS X v10.5以降では、Xcode 2.5をそれ以降のバージョンの「Xcode」と一緒にインストールして実行できます。Xcode 2.5は、この機能に対応する最初のバージョンのデベロッパツールです。2.xユーザまたは2.xだけが持つ機能(Mac OS X 10.2.8で動作する機能など)に対応する必要がある場合は、2.xをそれ以降のバージョンと一緒にインストールすることをお勧めします。
Xcode 2.5をMac OS X v10.4にインストールすると、「/Developer」にインストールされ、2.4以前のリリースの「Xcode」と同じように動作します。Xcode 2.5をMac OS X v10.5にインストールするときは、インストール先を選択できます。デフォルトのインストール先は「/Xcode2.5」なので、Xcode 3をインストールしても、削除されたり干渉されることはありません。Mac OS X v10.5では、Xcode 2.5をインストールしても「システムツール」、「UNIX開発サポート」、または「WebObjects」サポートはインストールされません。「Mac OS X v10.2.8とv10.3.9サポート」(デフォルトではオフ)を選択した場合は、一部の内容だけが「/usr」にインストールされます。
Xcode 2.5をインストールしても、パフォーマンスツールはMac OS X v10.5にインストールされません。Xcode 3のパフォーマンスツールを使用することをお勧めします。
Xcodeツールは正式には拡張可能ではありません。つまり、「Xcode」ではコンパイラなどの他社製ツールの正式なサポートはありません。唯一の例外は、IntelとそのMac OS X用C++コンパイラです。「Xcode」でのこのコンパイラのインストールは、Intelによって説明およびサポートされています。
詳しくは、「Intel C++ Compiler Installation Guide」を参照してください。
Xcode環境のメインディレクトリである「<Xcode>」ディレクトリには、Mac OS X用のソフトウェアの開発に必要な必須アプリケーション、コマンドラインツール、およびリソースが含まれています。以下にそのサブディレクトリの一部を示します:
| ソフトウェア開発に使用するアプリケーションとユーティリティが含まれます。 |
| APIリファレンスと概要を述べた製品ドキュメントが含まれます。 |
| いくつかのサンプルアプリケーションが含まれます。これらのサンプルアプリケーションのサンプルコードは、自分のアプリケーションに組み込むことができます。 |
| Xcodeアプリケーションが使用するフレームワークとリソースが含まれます。 |
| 「Xcode」が対応するプラットフォーム向けのソフトウェアの開発に使用するコマンドラインツールとリソースが含まれます。Xcode 3.1以降にあります。 |
| 特定のSDKを使用するソフトウェア開発に使用するコマンドラインツールとリソースが含まれます。 |
| 「Xcode」のUNIXコマンドラインツール、ライブラリ、マニュアルページ、およびその他のリソースが含まれます。 |
Xcode Tools 3.0インストーラでは、オプションで、標準のシステム開発ツールとインターフェイスも「/usr」にインストールされるので、従来のmakefileベースおよびconfigベースのビルドが正しく動作します。
Xcode 3.0以降では、「Xcode」ディレクトリの構造が変更され、デベロッパツールの内容が基底システムから1つの最上位フォルダに移動されました。以下に目立った変更点の一部のリストを示します。
Xcodeディレクトリに、コマンドライン形式のすべてのデベロッパツールが含まれる「<Xcode>/usr」サブディレクトリが配置されました。たとえば、xcodebuildは「<Xcode>/usr/bin/xcodebuild」にあります。このツールは、以前は「/usr/bin/xcodebuild」にありました。同様に、開発者向けのマニュアルページ、ライブラリ、およびその他のファイルは、「<Xcode>/usr」の下の該当する場所にあります。
引き続き起動ボリュームにあるUNIXモデルのデベロッパツールをサポートし、外部のビルドシステムとの後方互換性を提供するために、「Xcode」では、オプションでこれらの内容を起動ボリュームにインストールできます。SDKの使用に移行していないプロジェクトのためのシステムヘッダとライブラリも用意されています。
Xcodeデベロッパツールの複数インストールのサポートを強化するため、「/usr/bin」にあるxcodebuild、xcodeindex、instruments、ibtool、opendiff、およびagvtoolのバージョンは、xcode-selectツール(これも「/usr/bin」にあります)と共に機能し、デフォルトバージョンのXcodeデベロッパツールを参照するシムスクリプトになりました。詳しくは、xcode-select(1)のマニュアルページ(manで表示)を参照してください。
以前は、「Xcode」およびその他の開発者用アプリケーションのサポートファイルは、「/Library/ Application Support/Apple/Developer Tools」にありました。今それらの内容は、「<Xcode>/Library/」のXcodeディレクトリ内にあり、アプリケーションごとに独自のフォルダがあります。たとえば、「Xcode」アプリケーションのサポートファイルは「<Xcode>/Library/Xcode」にあります。また、特定のバージョンのツールに必要なサポートファイルは、Xcodeディレクトリの外部の「/Library/Application Support/ Developer/<tools version>」(特定のバージョンのツールに必要なサポートファイル用)と「/Library/Application Support/Developer/Shared」(特定のツールバージョンに固有でないサポートファイル用)に配置できます。追加のサポートファイル(カスタムファイルやプロジェクトテンプレートなど)は「<Xcode>/Library/」内に配置して、起動ボリュームに関連付ける代わりに、フォルダと一緒にそれらのサポートファイルを移動できるようにすることをお勧めします。
「<Xcode>usr」フォルダの階層がXcodeディレクトリに追加されたため、「<Xcode>/Tools」はXcode 3.0デベロッパツールでは推奨されておらず、ツールの今後のリリースでは取り除かれます。「<Xcode>/Tools」に存在していたツールへの参照はアップデートして、それらの内容を「<Xcode>/usr/bin」に移動してください。
前のリリースで推奨されていなかったocvsは、「Xcode」の一部として付属しなくなりました。ラップされているCVSリポジトリのユーザは、SubversionまたはCVSに移行してください。これと関連して、Subversionが正規のMac OS X v10.5の一部として付属するようになりました。
Java 1.4.2およびJ2SE 5のJavaリファレンス製品ドキュメントは、Xcodeデベロッパツールのインストールの一部ではなくなりました。別途ADCのWebサイトのダウンロードとして入手できるようになる予定です。「Core Java Reference Library」は、今でも「Xcode」の製品ドキュメントウインドウのRSSサブスクリプションから入手できます。
ant、junit、およびmavenコマンドラインツールは、正規のMac OS X v10.5の一部になったため、Xcodeデベロッパツールの一部としては付属しなくなりました。
「Jar Bundler」と「Applet Launcher」は「/usr/share/java」に移動し、正規のMac OS X v10.5の一部になりましたが、今でも「<Xcode>/Applications/Utilities」のシムリンクを介してアクセスできます。
シムツールとは、「<Xcode>/usr/bin」にインストールされていても、「/usr/bin」に対応するものがあるコマンドラインツールのことです。この対応するツールは完全なプログラムではなく、「<Xcode>」ディレクトリにある対応ツールの1つを呼び出すシムまたはローンチャです。これらのシムによって、CLIベースの開発のために選択した「<Xcode>」ディレクトリ(Xcode CLIディレクトリと呼ばれます)にある実際のツールが呼び出されます。
以下に「Xcode」のシムツールを示します:
agvtool
ibtool
xcodebuild
xcodeindex
instruments
opendiff
シムでは、xcode-selectを介して、Xcode CLIディレクトリになる「<Xcode>」ディレクトリを決定します。アップルのデベロッパツールを呼び出す必要のあるソフトウェアを記述するときは、ソフトウェアからxcode-select -print-pathを呼び出して、インストールしたいデベロッパツールへのパスを検索する必要があります。
Xcode CLIディレクトリは、シェルセッションでDEVELOPER_DIR環境変数またはxcode-selectを使用して指定します。
複数のXcodeリリースをコンピュータにインストールしたときに、実際のツールが含まれる「<Xcode>」ディレクトリの場所を認識しないスクリプトでシムツールを使用する必要がある場合は、目的の「<Xcode>」ディレクトリを指すようにDEVELOPER_DIR環境変数を設定するか、xcode-select -switchコマンドを使用します。
たとえば、Xcode 2.5とXcode 3.1がそれぞれコンピュータの「/Xcode_2.5」と「/Xcode_3.1」にインストールされていて、スクリプトまたはシェルセッションでXcode 2.5のシムツールを使用したい場合は、次のいずれかの操作を実行します:
DEVELOPER_DIR環境変数を設定します:
export DEVELOPER_DIR="/Xcode_2.5" |
xcode-selectを使用します:
sudo xcode-select -switch /Xcode_2.5 |
Xcode Toolsインストーラでは、「システムツール」オプションがオフになっていなければ、xcode-selectはインストール先の「<Xcode>」ディレクトリに設定されます。
詳しくは、xcode-selectのマニュアルページ(manで表示)を参照してください。
ユーザが「UNIX開発サポート」グループをインストールすると、「Xcode」のUNIXツール、ライブラリ、およびマニュアルページが「<Xcode>/usr」のほかに「/usr」にインストールされます。この内容は、従来のUNIXのソフトウェア開発に使用できます。
複数のXcodeリリースをインストールしたときに、「/usr」のUNIXツールの代わりに、それらのリリースの1つのUNIXツールを使用したい場合は、最初に「<Xcode>/usr」が表示されるようにPATHおよびMANPATH環境変数を変更します。
たとえば、相対パス(「/usr/bin/gcc」ではなく「gcc」)を使ってUNIXツールを呼び出すときに、「/usr」のUNIXツールの代わりに「<Xcode>/usr」のツールを使いたい場合は、環境変数PATHおよびMANPATH(対応するマニュアルページを使用したい場合)を次のいずれかの方法を使って変更してください:
xcode-selectを使ってパスを構築できます:
export PATH=`xcode-select --print-path`/usr/bin:${PATH} |
export MANPATH=`xcode-select --print-path`/usr/share/man:${MANPATH} |
DEVELOPER_DIR環境変数を使用します。「Xcode」のスクリプトを実行するフェーズ用のスクリプトを作成する場合、または「Xcode」の外部ターゲットを使ってUNIXプロジェクトをビルドする場合(外部ターゲットを使って、makefileまたはほかの外部ビルドシステムを実行できます)は、DEVELOPER_DIRが、ビルドに使用する「Developer」ディレクトリのパスに設定されます。
DEVELOPER_DIRを使って次の方法でパスを構築できます:
export PATH=${DEVELOPER_DIR}/usr/bin:${PATH} |
export MANPATH=${DEVELOPER_DIR}/usr/share/man:${MANPATH} |
「Xcode」をまったく使用しない場合は、独自の環境内のDEVELOPER_DIRを設定してからパスを構築するときにそれを使用することもできます。
「Xcode」のUNIXツールを使用するソフトウェアを記述する場合は、「/usr」の代わりに、「<Xcode>/usr」にインストールされているツールのコピーを使うことをお勧めします。これは、ユーザがXcodeインストーラでオプションの「UNIX開発サポート」を無効にした場合、ユーザの「/usr」にツールがないことがあるためです。
ソフトウェアは、xcode-selectコマンドを使用して「<Xcode>」ディレクトリのパスを検索できます(前のセクションを参照してください)。
Last updated: 2008-05-27