有料のビジネスモデルを使用する

Lifelineシリーズは、窮地にある架空のキャラクターとリアルタイムで通信し、キャラクターを安全へと導く対話型のゲームです。

Lifelineは、Appの中だけでなく、iOSのロック画面に表示される通知を使ってAppの外でも遊べるゲームを生み出すというアイデアから始まりました。Apple Watchが発表された時、3 Minute Games社は、このゲームのデザインにはApple Watchを使って1日に何度も短いやり取りを行うスタイルが特に適していると考えました。そこで、1作目のLifelineをApple Watchのリリースに合わせて公開できるよう、開発に一層の努力を注ぎました。

3 Minute Games社のリードゲームデザイナーであるMars Jokela氏は、「無料で遊べるゲームをリリースするための知識しかなかった私たちにとって、Lifelineは面白い試みでした。Lifelineに有料のビジネスモデルを採用したのは、このゲームの構成からするとそれが最適だと判断したからです。Lifelineのストーリーはとても夢中になれるものです。そのため、課金のタイミングでゲームが中断してしまうことは避けたかったのです」と述べています。

LifelineシリーズのリードプロデューサーであるMarisa Bell氏は、「有料のモデルを使用することでゲーム開発が大幅に簡素化され、迅速に市場に投入できました」とこのモデルの別の利点について述べています。またBell氏は、膨大な資金のバランスを考慮しなければならず、継続的な開発のためにより多くのリソースが必要なフリーミアムゲームと有料のモデルを比較して、「失敗した場合のコストが低いため、より多くの挑戦ができました」とも語っています。

最初のゲームの人気が安定すると、3 Minute Games社は続編をリリースしました(Lifeline 2、Lifeline:サイレント・ナイト、Lifeline:ホワイトアウト)。そしてプロモーションを通じてユーザーベースを拡大すると同時に、既存のユーザーにもシリーズの新作を紹介していきました。

「Lifelineシリーズは、私たちの収益戦略に影響を及ぼしてきました。続編をリリースするたびに、クリエイティブに対応する必要がありました。そこでApp StoreでのApp Bundleや、ニュースレターといった私たち独自のクロスプロモーションツールを利用し、周知を図ってきました」とBell氏は語ります。

3 Minute Games社では、Lifelineシリーズを通して、またApp以外でもユーザーと確実にコミュニケーションを取り、Appのライフサイクルの大部分にプロモーションを取り入れるようにしています。「Appリリースのタイミングで間が空いてしまう場合は、ユーザーを飽きさせない工夫が必要です。当社では、プロモーションを仕掛け、シーズンごとに質の高いイベントを必ず用意するようにして、ユーザーの興味を引き続けられるよう努めてきました」とBell氏は話しています。

Jokela氏によると、有料のビジネスモデルを考慮しているゲームデベロッパにとって最も重要なのは、質の高い製品を生み出すことだ、とのことです。「製品に対して誰かにお金を払ってもらうためには、経験を基に、プレーヤーを引き付けて共感を生むような作品を作り出す必要があります」とJokela氏は述べます。

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創設
2014年

本社
カリフォルニア州オークランド
ワシントン州シアトル

取り上げたApp
Lifeline
Lifeline 2
Lifeline:サイレント・ナイト
Lifeline:ホワイトアウト

カテゴリ
ゲーム

プラットフォーム
iOS
watchOS

Lifelineに有料のビジネスモデルを採用したのは、このゲームの構成にそれが最適だと判断したからです。Lifelineのストーリーはとても夢中になれるものです。そのため、課金のタイミングでゲームが中断してしまうことは避けたかったのです。

3 Minute Games社リードゲームデザイナー、Mars Jokela氏