Blackbox:visionOS向けの独創的なパズルゲームの再起動
2024年1月30日
Blackboxをプレイしたことがある方なら、Ryan McLeod氏が生み出すゲームは一風変わっていることをご存じでしょう。
McLeod氏のスタジオであるShapes & Storiesが作成した独創的なiOSパズルゲームでは、プレイヤーはタップやスワイプ以外の方法で課題を解決します。デバイスを回転させたり、USBケーブルを差し込んだり、ちょっとした歌を口ずさんだりして、画面に触れる以外のほぼすべての操作でゲームを進めます。
McLeod氏は、本拠地であるアムステルダムの運河沿いを歩きながら次のように語ります。「人々がデバイスの外の世界と触れ合えるようにするというアイデアからスタートしました。」
iOSでBlackboxを面白くしている要素は何か、そしてこれらの要素をどのようにvisionOSに移行できるかを模索しているところです。そのためには、私自身のルールに基づいたクリエイティビティと、時にはルールを破るためのクリエイティビティが必要です。
Ryan McLeod氏
実際、McLeod氏は、Apple Vision Proが発表されるよりもかなり前に、デバイス画面の制約からパズルを解放していました。そのためこのゲームを新しいプラットフォームに展開することは、素晴らしい挑戦になりました。iOSとiPadOSでのBlackboxは、使い慣れたデバイスの利点を生かしたものでした。ですがその体験を、ユーザーが使い慣れていないデバイスに置き換えるにはどうすればよいのでしょうか。そして何もないキャンバスで、どうやって境界を壊すことができるでしょうか。McLeod氏は話します。「よい制約があるというのは、嫌いではありません。制約というハードルを越える方法を模索することは楽しいプロセスです。iOSでBlackboxを面白くしている要素は何か、そしてこれらの要素をどのようにvisionOSに移行できるかを模索しているところです。そのためには、私自身のルールに基づいたクリエイティビティと、時にはルールを破るためのクリエイティビティが必要です。」
visionOSバージョンでは、簡単な説明の後、最初のレベルを選択する瞬間から空間キャンバスを活用したまったく新しいvisionOS体験がもたらされます。「浮遊感があって魔法のようでありながら、同時に現実的でもあるものを目指した結果、泡というアイデアにたどり着きました。シャボン玉のようなものです。自然で、非常に現実的な光沢があり、ユーザーになじみのある動きをします。シェーダーによって、本当に信じられないほど魅力的な形で、現実世界が反映され、取り込まれます。」
泡の中のパズルとはどのようなものでしょうか?McLeod氏は次のように話します。「iOSのBlackboxとは異なり、学校からの帰り道や列に並んで待っているときにプレイするものではありません。別のデザインにする必要がありました。背景がどれほど刺激的でも、音響効果がどれほど素晴らしくても、上下の動きが優れていたとしても、ただそれを見つめているだけでは面白くはありません。」
McLeod氏によるとBlackboxはまだまだ開発途上であり、皆さんのお楽しみを台無しにしてしまうのは残念なので、ネタバレを好まない場合は、この先はスキップした方がよいかもしれません。
Blackboxでは、プレイヤーは空間と自分の感覚を活用して課題に取り組み、解決していきます。あるパズルでは特定の方法で体を動かす必要があり、別の場面では音や静寂を利用したり、時にはあたかもエイリアンのように眼前に漂う溶けた金塊がパズルを解く鍵になります。2つ目のパズルにはモールス信号が含まれ、3つ目のパズルを解くと、シーンの一部がポータルに崩れ込みます。「空間オーディオによって、全体に一種の緊張感を与えながらもプレイヤーを魅了することができます」とMcLeod氏は言います。
予想されるパターンや一般的なパターンを知らないということがメリットになります。
Ryan McLeod氏
今後もBlackboxが進化を続けることは確実でしょう。このプロセスは、まるで飛行機に乗りながらその飛行機自体を構築しているようなもので、それ自身がポジティブな効果をもたらしているとMcLeod氏は語ります。「予想されるパターンや一般的なパターンを知らないということがメリットになります。膨大な可能性があるということですから。」