visionOSでのHealthKitの導入

HealthKitを使用して空間キャンバスのメリットを存分に活かした体験を創出する方法を確認しましょう。Appleプラットフォーム上でHealthKitが提供する機能、既存のIPadOSアプリをvisionOSに展開する方法、ゲストユーザーのセッション中にHealthKitに関して特に注意すべき事項を解説します。また、SwiftUI、Swift Charts、Swiftの並行処理を利用してHealthKitで革新的な体験を実現する方法もご紹介します。

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こんにちは Zachです Sirindaです私達はエンジニアとしてvisionOS ヘルスケア体験に取り組んでいますご存じのとおり HealthKitはユーザーのヘルスケアデータのリポジトリを暗号化して集中管理します許可を得るとこのデータにアクセスして健康の増進と維持に役立つ体験を生み出せるようになります

HealthKitにはヘルスケアデータのクエリと書き込みさらに時間の経過に伴うデータの集計および統計計算の機能が含まれますまたデータが更新された際にフォアグラウンドまたはバックグラウンドで更新を受け取るためにアプリを登録することもできます HealthKitにはアクティビティ心拍数睡眠などの広範なヘルスケアに関するデータや予防接種や治療などの臨床健康記録のデータも格納できます HealthKitの詳細については 2020年のセッション「Getting Started with HealthKit」をご覧ください昨年 iPadOS 17のリリースに伴い HealthKitを新しいプラットフォームに導入しましたこれによりこのアプリRiseのように HealthKitに保存されたデータを利用して iPadで詳しく調べるという豊かな体験を生み出せるようになりましたその通りですそして visionOS 2では HealthKitがApple Vision Proで利用できるようになりました空間コンピューティングによりイマーシブかつ共同的な幅広いヘルスケア体験を構築する素晴らしい機会が得られますここでは visionOS向けの HealthKit搭載アプリをいかに簡単に構築できるかをご紹介しますこのプレゼンテーションでは visionOSのHealthKitの機能を紹介します次に共有スペース内で最適化された体験を生み出す方法をいくつか紹介します最後に visionOSのゲストユーザー機能とゲストユーザー向けの HealthKitの機能について説明しますまず新しいプラットフォームで利用できるフレームワークの機能を見てみましょう visionOSのHealthKitの動作は iPadOSと非常によく似ていますアプリはデータの読み書き統計情報の計算更新の登録を行うことができます他に留意すべき点がいくつかあります他のプラットフォームと同様にユーザーは設定アプリで各アプリのヘルスケアデータへの許可を表示および編集できますまた iCloudを通じてデバイス間でデータを定期的に同期できます

visionOSのHealthKitは visionOS SDKを使用するアプリと iOS 17以降でコンパイルされた iPadOSアプリで利用できます本日のセッションでは新しいHealthKitの State of Mind APIを使用してカレンダーイベントに対応する感情を記録できるアプリを visionOSに移行したいと考えています State of Mind APIの使用方法について詳しくは「Explore wellbeing APIs in HealthKit」をご覧ください

基本事項を確認しましょう HealthKitを導入する場合アプリでヘルスケアデータが利用可能かどうか確認することが重要ですこれはデバイスやOSのバージョンなどの要因によって異なる場合があります visionOSの以前のバージョンを引き続きサポートする場合は isHealthDataAvailable関数を使用してアプリの体験を適切に調整してくださいヘルスケアデータが利用可能かどうかを確認したらアプリが処理しようとするデータタイプの読み書きのためにユーザーに承認を要求する必要があります

healthDataAccessRequest関数はヘルスケアデータへのアクセス許可をユーザーに求めるプロンプトをトリガしますアプリで必要な時に必要なデータのみをリクエストしてください

これらのベストプラクティスに従うと iPadOSアプリをvisionOSで実行するための更新が非常に容易になります実際には何もする必要がありませんこのアプリは先ほどのAPIを使用してヘルスケアデータの可用性をチェックするので iOS 17以降でコンパイルすると visionOS 2.0上でiPadでの体験が得られるようになりますアップデートは必要ありませんこれですぐに始めることができますここでSirindaにバトンタッチして空間コンピューティングに重点を置いた HealthKitアプリを開発する際に考慮すべきベストプラクティスを紹介してもらいましょう

ありがとう Zach visionOS向けアプリのデザインがいかに簡単かをご紹介しますまずアプリがvisionOSのデザインとインタラクションパターンを採用していることを確認しますこれによりプラットフォームの強みを活かせるようにしますまた表示するヘルスケアデータにより多くの情報やニュアンスを加えるために体験を洗練し強化できる可能性を探ります

その後 visionOSでHealthKitの体験を本当に素晴らしいものにするためにさらに上を目指す方法についてインスピレーションを得るための時間を取りたいと思いますでは始めましょう

まずアプリのターゲットとして visionOSを追加しますこれによりこのプラットフォーム上でアプリを実行できるようになりますを選択すると Zachが紹介した体験を得られます今日はvisionOS SDKを最大限に活用するためを選択します

このアプリはiPadOSと同じ HealthKitデータ認証構成を使用しますこれでうまくいきます既存のアプリをvisionOSに移行する方法については「Elevate your windowed app for spatial computing」をご覧ください次に行きましょう visionOS向けのアプリを構築したので標準のシステムの見た目が自動的に採用されます TabViewやSheetsなどの標準のSwiftUIコンポーネントは visionOSに適切に変換されますヘルスケアデータはデバイス間で同期されるため Apple Vision Proでも同じグラフとインサイトを表示できますまたインサイトはSwift Chartsを使用して構成されているためすでに見栄えがよくなっていますアプリがVision Proプラットフォームで適切に表示されるようになったのでこの無限の空間キャンバスをどのように活用できるか見ていきましょう visionOSでの体験を向上させる変更を既にいくつか行っていますこのタブではグラフを動的にサイズ変更できるようにしてピンチ＆ドラッグでアプリウィンドウを拡大するとさらに多くのデータを一目で確認できるようになります

これを行うには今年の新しいSwiftUI APIである onGeometryChangeを使用してグラフのサイズの変化を監視しますビューが大きくなるとグラフのポイントの数を増やすことができます

空間キャンバスにはまだ余裕があるので 2つのグラフを並べて比較してみましょうマルチウインドウのサポートを追加するのは簡単です私のiPadアプリは既に Split Viewをサポートしているからですマルチウインドウのサポートを設定する方法の詳細についてはセッションメモにリンクされているドキュメントをご覧くださいコードで新しいグラフに対応する識別子を持つ openWindowアクションを呼び出すボタンを作成しますこのアクションにより新しいウィンドウにグラフが開きますそれだけではありませんアプリ全体を書き直すことなく完全なイマーシブ空間体験を簡単に作成できます

例えば感情をログに記録する体験を刷新するために visionOSのイマーシブ機能を活用したいと思います例えばブレインストーミングセッションを終えて自分の気持ちを振り返ろうとしています

Apple Vision Proではイマーシブ空間に入ることができます他のアプリを非表示にして周囲のパススルーを暗くすることで仕事場から切り離された感覚が得られます気を散らすものがない場所で直近のカレンダーイベントをカラフルなイマーシブ体験を通して振り返ります

をタップするとパススルーの色が消えアプリに戻って作業を再開できますこれらすべてのアップデートによりアプリはvisionOSに馴染むようになり既存の体験が強化され新しい体験も生み出されますこれでアプリが visionOS用にカスタマイズされましたここでもう1つすべきことがありますゲストユーザーに関するものです

ゲストユーザーは他のユーザーが Apple Vision Proをセットアップして試すことができる visionOSの機能ですこれは空間コンピューティングを体験するのに最適な方法であり所有者のデータとプライバシーを保護する機能も含まれていますゲストユーザーについて詳しくは Appleサポートの記事「Let others use your Apple Vision Pro」をご覧ください

ゲストユーザーのセッション中ゲストは所有者が承認したアプリを使用できますほとんどの場合体験は変わりませんが HealthKitを使用する場合は特別な考慮事項がいくつかありますゲスト用に実行しているアプリはすでに承認されていれば引き続き HealthKitデータにアクセスできますただしアプリはゲストに追加の HealthKit承認を要求することはできません要求された場合承認フローは表示されず代わりにエラーを返しますゲストは visionOS設定で認証プライバシーまたはセキュリティオプションを編集することもできませんゲストユーザーとしてヘルスケアデータを操作する際のもう1つの制限はデータの書き込みですゲストユーザーセッション中はヘルスケアデータの書き込みはできませんこれはゲストによって生成されたデータが所有者のヘルスケアデータと混ざるのを防ぐためですセッション中にアプリがデータを書き込もうとすると HealthKitは新しいエラーを返しますこのエラーを処理することでゲストによって生成されたデータを安全に破棄することができ後で所有者のヘルスストアに保存されないようにしますこれはデータが保存されていないことをゲストに通知するのに適した場所でもありますゲストユーザーについての説明ありがとうございましたこれらのことを念頭に置いてアプリを更新しましょう Zachが説明したように承認シートはゲストユーザに表示されませんつまりゲストユーザーセッション中の healthDataAccessRequestへの呼び出しはエラーが発生して失敗しますリクエストは後回しにすることをお勧めしますゲストユーザーはデータの書き込みを試みることもできますただしサンプルはヘルスストアに保存できませんそこで表示されるエラーに対処できるように既存のロジックを更新しました Zachが説明したようにこのエラーが表示された場合はゲストが生成したヘルスケアデータのサンプルを破棄することをお勧めします最後にデータが保存されていないことをゲストユーザーに通知しますこれはユーザーが感情を選べるようにするコードですここではこのボタンを修正しゲストが感情を記録しようとしてエラーが発生するたびに警告を表示するようにしましたゲストユーザー体験がシームレスになるようにアプリを設定したので変更が意図したとおりに機能することを確認しましょうゲストユーザーとしてアプリを開くとヘルスケアデータの承認を求めるプロンプトは表示されませんこれはゲスト用に実行されているアプリが所有者から付与された承認を継承するためですそのため所有者と同じようにアプリを体験できますここで感情を記録してみましょうこのイベントをタップして選択します完了するとゲストユーザーとしてのデータが保存されていないことを通知する警告が表示されますこれでゲストはデータを所有者のヘルスストアに追加することなくアプリの雰囲気を感じることができますゲストユーザーを処理できるようにアプリを構成したので Apple Vision Proで友人や家族とアプリを共有する準備がほぼ整いました覚えておくべきベストプラクティスをいくつか紹介しますゲストユーザーはヘルスケアデータへのアクセス承認が制限されているため承認呼び出しを必ずアップデートしてこのエラーを適切に処理してください

ゲストユーザーが書き込みを試みたヘルスケアデータは必ず破棄してくださいこれによりゲストによって生成されたデータが所有者のヘルスケアデータと混ざるのを防ぐことができます最後に所有者が既にアプリを承認している場合アプリは引き続きヘルスケアデータを読み取れることに注意してくださいこれらのベストプラクティスに従うことはゲストユーザーと所有者の両方でシームレスな体験を維持するために不可欠です Sirinda ありがとう素晴らしい説明でした本日のまとめです HealthKitがvisionOSに導入され新しいプラットフォームでヘルスケアデータの読み取り書き込み観察が可能になりました導入する際には空間コンピューティングの体験を洗練させて再考する機会を活用してくださいゲストユーザーに対するHealthKitの動作を考慮してコードを調整してください詳細についてはこれらのセッションをご覧くださいまたサンプルアプリをダウンロードしてコードを確認してください visionOSに導入された HealthKitをぜひご活用ください今後皆さんが生み出す新たな体験を楽しみにしていますご視聴ありがとうございました

2:43 - Check whether health data is available

import HealthKit

if HKHealthStore.isHealthDataAvailable() {
    // Configure HealthKit-powered experiences
} else {
    // Omit HealthKit experiences
}

3:03 - Request authorization to read or write data

import HealthKitUI
import SwiftUI

func healthDataAccessRequest(
    store: HKHealthStore,
    shareTypes: Set<HKSampleType>,
    readTypes: Set<HKObjectType>? = nil,
    trigger: some Equatable,
    completion: @escaping (Result<Bool, any Error>) -> Void
) -> some View

5:59 - Update number of chart points based on chart’s size

// Update number of chart points based on chart’s size

import SwiftUI
import HealthKit
import Charts

struct ChartView: View {
    @State var chartBinCount: Int

    var body: some View {
        Chart { ...
            // Chart body
        }
        .onGeometryChange(for: Int.self) { proxy in // Observe for changes to the chart’s size
            Int(proxy.size.width / 80) // 80 points per chart point
        } action: { newValue in
            // Update the number of chart points
            chartBinCount = newValue        
        }
    }
}

6:33 - Open chart as a new window

// Opens chart as a new window
    
struct NewChartViewerButton: View {
    @Environment(\.openWindow) private var openWindow

    var body: some View {
        Button("Open In New Window", systemImage: "plus.rectangle.on.rectangle") {
            openWindow(id: "chart-viewer-window")
        }
    }
}

9:00 - HealthKit returns a new error if a write is attempted during a Guest User session

let sample = HKStateOfMind(date: date, kind: .momentaryEmotion, valence: valence,
                           labels: [label], associations: [association])
do {
    try await healthStore.save(sample)
} catch {
    switch error {
    case HKError.errorNotPermissibleForGuestUserMode:
        // Drop data generated in a Guest User session
    default:
        // Existing error handling
    }
}

9:26 - Request authorization to State of Mind datatype

// Request authorization to State of Mind datatype

@main
struct HKStateOfMindDataSampleApp: App {
    @State var toggleHealthDataAuthorization = false
    @State var healthDataAuthorized: Bool?
    
    var body: some Scene {
        WindowGroup {
            TabView { ... }
                .healthDataAccessRequest(store: healthStore,
                                         shareTypes: [.stateOfMindType()],
                                         readTypes: [.stateOfMindType()],
                                         trigger: toggleHealthDataAuthorization) { result in
                    switch result {
                    case .success: healthDataAuthorized = true
                    case .failure(let error as HKError):
                        switch (error.code) {
                        case .errorNotPermissibleForGuestUserMode:
                            // Defer requests for a later time
                        default:
                            // Existing error handling
                        }
                        ...
                    }
                }
        }
    }
}

9:42 - Save a State of Mind sample from an emoji type

// Saves a State of Mind sample from an emoji type 
public func saveSample(date: Date,
                       association: HKStateOfMind.Association,
                       healthStore: HKHealthStore,
                       didError: Binding<Bool>) async -> SaveDetails? {
    do {
        let sample = createSample(date: date, association: association)
        try await healthStore.save(sample)
    } catch {
        switch error {
        case HKError.errorNotPermissibleForGuestUserMode:
            // Drop data you generate in a Guest User session.
            didError.wrappedValue = true
            return SaveDetails(errorString: "Health data is not saved for Guest Users.")
        default:
            // Existing error handling.
            didError.wrappedValue = true
            return SaveDetails(errorString: "Health data could not be saved: \(error)")
        }
    }
...

9:58 - Present an alert with a message using the given details

// Present an alert with a message using the given details

struct EventView: View {
    @State private var showAlert: Bool = false
    @State private var saveDetails: EmojiType.SaveDetails? = nil

    var body: some View {
        EmojiPicker()
            .alert("Unable to Save Health Data",
                   isPresented: $showAlert,
                   presenting: saveDetails,
                   actions: { _ in }, // default OK button
                   message: { details in
                Text(details.errorString)
            })
   }
}

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