テキサス州法SB2420および今後米国各州で施行される法令の遵守を支援するためにAppleがデベロッパに提供するツールについて、詳細をお知らせします。Appleでは、デベロッパが法規制の変化に対応できるようツールの提供を行っていますが、テキサス州法SB2420のような法律がもたらす潜在的な影響については、依然として懸念が残っています。具体的には、天気やスポーツのスコアを確認するだけのためのアプリであっても、アプリのダウンロード時に機微な個人情報の収集が義務付けられることで、あらゆるユーザーのプライバシーが損なわれる可能性について懸念しています。

2026年1月1日以降、テキサス州在住のユーザーがApple Accountを新規作成する際は、新しい法的要件が適用されます。これにより、アプリのダウンロード、購入の発生時、アプリに関連する大幅な変更を行う際は、年齢確認と18歳未満の未成年者の保護者の同意が必要になります。また保護者は、アプリに対する同意を後から取り消せるようになります。

法律に基づく要件を遵守するために、デベロッパには、年齢制限指定に関する情報を取得したり、大幅な変更についての同意を求めたり、子どもによるアプリの使用に対する承認が保護者によって取り消されたことを検知したりできるよう、新しい機能の導入が必要になる可能性があります。以下でご紹介するAPIはiOS 26.2およびiPadOS 26.2のベータ版で利用でき、デベロッパによる法的要件の遵守をサポートします。Sandboxテストもまた、テキサス州法を遵守するためにこれらのAPIを実装する際、ユーザー体験のテストに役立ちます。

年齢制限指定に関する情報

最新のDeclared Age Range API（英語）を使用することで、デベロッパはユーザーの年齢制限指定に関する情報を取得できます（テキサス州法の規定では13歳未満、13歳〜15歳、16歳〜17歳、18歳以上）。2026年1月1日以降、新規のApple Accountを持つテキサス州在住のユーザーがデベロッパのアプリをリクエストすると、年齢カテゴリがアプリに共有されるようになります。またこのAPIは、年齢確認方法（クレジットカードや政府発行の身分証明書など）に関するデバイスからのシグナルのほか、アプリに大幅な変更があった場合に同意が必要であるかどうかのシグナルをデベロッパに返します。

大幅な変更に対する同意の取得

アプリに対する特定の種類の変更は、テキサス州法SB2420などの年齢確認法制に規定される大幅な変更と見なされる可能性があります。アプリに大幅な変更があったかどうかの判断は、デベロッパの責務となります。

デベロッパがアプリに大幅な変更を加えたと判断される場合、PermissionKitフレームワークのSignificant Change API（英語）を使用して、子どもがアプリまたはアプリ内の新機能を引き続き使用することについて保護者の同意を求める必要があります。APIが呼び出されると、ユーザーである子どものデバイスには保護者の同意を求めるシステムダイアログが表示されます。同意が得られるまで、デベロッパはアプリや機能の利用を制限することができます。

テキサス州法では、アプリの年齢制限指定の変更は大幅な変更と見なされるため、デベロッパはApp Store Connectに表示される年齢制限指定を常に最新の状態にしておく必要があります。デベロッパがアプリの年齢制限指定を更新すると、当該バージョンが公開された時点で、すべてのユーザーデバイスで年齢制限指定が更新されます。StoreKitで新しいプロパティ（英語）型を使用することにより、デベロッパはデバイスでのアプリの年齢制限指定の変更を自動的に検知し、Significant Change APIを使用して保護者に同意を求めることができるようになります。

アプリに対する同意の取り消し

テキサス州在住の保護者は、アプリに対する同意を取り消すことで、子どものデバイス上でのアプリ起動をブロックできるようになります。App Storeは今後、子どものデバイスのアプリに対する同意を保護者が取り消した場合に通知を受信（英語）するよう設定できる、サーバ通知機能をデベロッパに提供します。

Sandboxでのテスト

Sandboxでのテスト（英語）が、iOS 26.2およびiPadOS 26.2のベータ版のDeclared Age Range APIおよびSignificant Change APIで利用可能になりました。

今後のステップ

1. 以下の各機能について、ドキュメントを確認して実装します。

• Declared Age Range API（英語）
• PermissionKitのSignificant Change API（英語）
• StoreKitの年齢制限指定に関する新しいプロパティ型（英語）
• App Storeサーバ通知（英語）

2. AppleのSandboxテスト環境を使用して、APIが正しく実装されているかどうかを検証します。
3. iOS 26.2とiPadOS 26.2のリリース候補版が利用可能になった時点で、App Store Connectにアプリを提出します（ユーザー向けにリリースされた最新版のアプリにより、ユーザーがデバイスをアップデートできるようになります）。
4. ユタ州、ルイジアナ州、およびブラジルで予定されている法的要件の遵守に役立つツールについて、今後の最新情報に注意しておきます。