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App Storeの機能を利用したサブスクリプション登録者のリテンションの改善
App Storeのサブスクリプション登録者の解約を最小限に抑え、再獲得を促進する方法を紹介します。App Storeデータを分析し、サブスクリプション登録者によるさまざまな解約のパターンを確認して、リテンションの取り組みを強化するためのツールを見つけ、実装のベストプラクティスを学びます。
リソース
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こんにちは 本日はApp Storeの機能を使って アプリのサブスクリプション 登録者のリテンション戦略を 改善する方法を 説明します App Store Monetizationチームの Bryanです App Store Commerceチームで デベロッパ支援を担当するHemantと一緒に 本日のセッションを担当します まず サブスクリプション登録者の リテンションを図る手法の 管理において役立つ 重要なインサイトを紹介します 次に サブスクリプション登録者の リテンションの改善に役立つ App Storeの機能について説明し リテンションを高める際に 参考となる 戦略の例を いくつか紹介します その後 Hemantからエンジニアリング上の 考慮事項について 説明してもらいます では始めましょう 15年以上にわたり App Storeは ユーザーがアプリを見つけて ダウンロードするための安全で信頼できる 場所であり続けています アプリ内課金を使用すると App Storeでの様々なビジネスモデルを サポートすることができます App Storeを通じた購入で 高いプライバシー基準が維持され 暗号化とデータ 保護によって 個人情報の安全性が 確保されていることに対し ユーザーから高い信頼を 得ています 自動更新サブスクリプションは App Storeでの ビジネスを成長させるために 多くのデベロッパが利用している方法です これは開始される 新規サブスクリプション数が 毎年増加し続けている ことからもわかります 自動更新 サブスクリプションは 繰り返し発生する定期収益 モデルであるため すべての段階で モニタリングとトラッキングが 必要です ユーザーはアプリをデバイスに ダウンロードする前に まずApp Storeで オーガニックに またはデベロッパ独自の マーケティングチャネルを通じて アプリを発見する 必要があります アプリ内では ユーザーに サブスクリプションについて通知し サービスの価値を伝えることで 有料サブスクリプション 登録者を獲得する 必要があります そして ユーザーが有料 サブスクリプションに登録したら これらのユーザーが一貫してサービスを 利用し 継続的に価値を得ていることを 確認する必要があります これらの段階はビジネスを 拡大するために重要ですが 最も成功している サブスクリプションを観察すると ユーザーをより長く 維持するために よく考えられた戦略を 講じていることがわかりました 使い古された 例えですが サブスクリプションサービスを 穴がいくつか開いて 水が漏れているバケツだと 思ってください バケツを満たすために つまり 新しいサブスクリプション 登録者を獲得するために すべての時間とリソースを費やすと 時間の経過とともに水 つまり登録者を 徐々に失うことになります 一方で 一部の穴をふさぐことに 注力することで この状況を改善して対処すれば より多くの登録者を 効果的に維持するのに 役立ちます ユーザーをより長く 維持することの 大きなメリットの1つは 収益の増加です App Storeで獲得したユーザーが アプリのサブスクリプションを 1年以上継続すると 2年目には 収益が70%から 85%に増加します サブスクリプション登録者の リテンションを モニタリングするのに役立つ 主な指標の1つは解約率です 解約は ユーザーの サブスクリプションが終了し 自動更新されない場合に発生します 解約は様々な理由で 発生する可能性がありますが 次の2つのカテゴリに分類されます 自発的な解約は ユーザーが自分でサブスクリプションを キャンセルすることを選択した場合です 自発的でない解約は ユーザーがサブスクリプションの終了を 意図していない場合に発生します ユーザーは様々な理由で 自発的にサブスクリプションを 解約する場合があります 例えば サービスに 新しいコンテンツや機能が 継続的に追加されていない場合 またはサービスが短期間の利用を 目的としている場合が考えられます また ユーザーが価格に見合った 価値を見いだせなくなった場合にも 発生する 可能性があります 自発的ではない解約は 主にクレジットカードの 有効期限が切れていて 支払い方法の 詳細が更新されていない場合など 支払いの問題が ユーザー側にある場合に発生します サブスクリプション登録者の 所在地など 様々な要因がアプリの 自発的解約率に 影響する 可能性があります 例えば 米国と比較して 自動更新払いの概念が 一般的ではない中国本土では 解約率が 高くなる 傾向があることが わかります 同様に 解約はアプリのカテゴリによっても 異なる場合があります いくつかの カテゴリの例で 違いを見てみましょう 解約率の低い側を見ると ヘルスケアおよびフィットネスアプリの 解約率は中央値が 低くなる傾向があります これはユーザーが目標を 達成することを目指して サービスを長期間 利用することが多いためです また ミュージックアプリでは 豊富なコンテンツライブラリが 提供されており ユーザーが継続的に 価値を見つけて利用する可能性があります 一方で 一部のカテゴリでは 解約率の中央値が やや高くなることがあります その一例がエンターテイメントアプリで お気に入りの番組が 終了すると 解約するユーザーが 多いためです また 出会い系アプリが大部分を占める ライフスタイルアプリも該当し 恋愛に関する目標が達成されると 不要になるように作られているためです ただし 自発的ではない解約は ユーザーの行動と直接 関連していないため 地域やカテゴリなどの 要因とは必ずしも 相関していません ここには 全世界で上位の 一部のアプリについて 自発的ではない解約率を 示しています この後で説明しますが App Storeは 自発的ではない解約を減らし この数字を低く抑えるための 様々な対策を デベロッパに代わって講じています これらのデータベンチマークは 傾向を示すものであり 幅広いアプリが含まれていることに 注意してください サブスクリプションはそれぞれに特徴があり 特定のアプリでは 指標が異なる場合があります ここで サブスクリプション登録者の リテンションの改善の効果を どのように数量化するのか 疑問に思われるかもしれません 視覚化の例を見てみましょう このアプリでは サブスクリプション登録者が 10,000人の状態から 1年が始まるとします この登録者の リテンション率が 年末まで毎月85%の場合 年末には 登録者が 1,673人になります これは サブスクリプション登録者の 約83%を失うことに相当します 毎月のリテンション率が 90%に向上した場合 年末には登録者が 3,487人になります 毎月のリテンション率が 95%に向上した場合 年末には登録者が 5,688人になります これはリテンション率が 85%の場合に比べて 3倍の登録者数で 年末を 迎えることを 意味します この図は傾向を示すのには 役立ちますが サブスクリプション登録者の ライフサイクルに関するすべての変数を 考慮しているわけではないことに 注意してください Appleは App Storeでの デベロッパのビジネスをトラッキングして 成長を促すためのツールを 多数提供しています App Store Connect内では 「売上とトレンド」を使用して サブスクリプション登録者の リテンション率関連データを確認できます また サブスクリプションレポートを ダウンロードして 有料サブスクリプション登録者の総数 に関する情報をトラッキングしたり サブスクリプションのイベントレポートを ダウンロードして最新のサブスクリプション 登録者の集計情報を確認したりできます またApp Analyticsでは リテンションベンチマークが示されます これは特定のアプリが 一連の類似アプリと比較して 利用継続の面でどのようなパフォーマンスを 示しているかを理解するのに役立ち ユーザーによるアプリの利用時間について 傾向を把握できます ここまで 登録者のリテンションの 重要性についてお話しました 次は解約を最小限に抑え 登録者のリテンションを後押しするために App Storeが提供する いくつかの機能について 説明します App Storeには サブスクリプション登録者を 長期間維持するのに 役立つ機能が多数あります 再請求(支払いの再試行)と 支払いの問題に関するメッセージは すべてのサブスクリプションに対して 自動的に開始される 2つのツールであり 追加で実装作業を行う 必要はありません 請求猶予期間と サブスクリプションオファーは サブスクリプション登録者の リテンション戦略を 強化するために 採用できるツールです App Storeが デベロッパに代わって行う 機能の概要から始めましょう 再請求は 更新が失敗した場合に回復し 自発的ではない 解約を防止できるように Appleが自動的に提供する機能です 支払いが失敗した場合 ユーザーは自動的に 再請求状態になり 60日以内であれば サブスクリプションを 回復できます この期間中 Appleは ここに示している App Storeのプッシュ通知など 様々な連絡方法を通じて ユーザーから支払いの 回収を試みます ユーザーがサブスクリプションを 60日以内に回復した場合 サブスクリプションが再開され 有料サービスの利用日数の累積が 継続するため 収益を85%に 増やすのに役立ちます 具体的に説明するために 月間サブスクリプションを 利用しているユーザーを 例にしたこちらの図をご覧ください 期間の終わりに 登録されている クレジットカード情報の 有効期限が切れたとします 有効な支払い方法がないと 更新は失敗し 自動的に最長60日間の 再請求状態になります その後10日経って ユーザーが クレジットカード情報を 更新したとします ユーザーが更新を完了すると サブスクリプションは 正常に回復され その回復日が 新しい請求日に 設定されて その後すべての更新日の 基準となります 60日間の再請求期間中に AppleはEメール プッシュ通知 App Storeのバナーを通じて 支払いの問題を ユーザーに通知しようと 試みます ユーザーがこれらの方法の いずれかを選択すると 支払いの詳細を更新するために 自動的にデバイスの 設定が表示されます Appleはこれらのチャネルを 効果的に使用して 60日の期間全体を通じて 複数回にわたって 支払いの問題をユーザーに 通知する方法を開発しました この図からわかるように ユーザーはこの期間を通じて 複数のタイミングで Eメールとプッシュ通知による 連絡を受け取る一方で App Storeのバナーはこの期間の 開始時に表示されます 支払いの問題に関するメッセージは 再請求の機能をさらに一歩進め 再請求状態にあるユーザーに 支払い方法の詳細を アプリ内で簡単に 更新できる方法を提供し 自発的でない解約も 防ぐことができます ユーザーが再請求状態になった後に サービスを利用しようとすると 自動的に支払いエラーが通知され 支払いの詳細を更新するよう 促されます これはユーザーに問題について アラートでお知らせするとともに ユーザーがいったんアプリを離れて 設定に移動しなくても 問題を解決できる 簡単な方法を提供します デベロッパが サブスクリプション登録者を 維持できるようにするための Appleの対策について説明しました 次にリテンション戦略を強化するために 実装できる機能について説明します 請求猶予期間は 非自発的解約率を改善しながら 収益の損失を防ぐのに 役立ちます この機能は 再請求機能 に基づいて構築されており App Storeが ユーザーによる 問題の修正を試みている間 支払いの問題が発生したユーザーは サブスクリプションへの アクセスを維持できます これは ユーザーがサービスに すぐアクセスできなくなるのではなく Appleがデベロッパに代わって サブスクリプションの回復を試みる間 引き続きサービスに アクセスできることを意味します これにより 猶予期間中に 再登録したユーザーは 元の更新日を維持でき デベロッパにとっては サービスの無料での利用日数が 発生しないため有益です 何よりも請求猶予期間は App Store Connect内で 簡単に実装でき便利です これについては後ほど Hemantが説明します 請求猶予期間は ビジネスのニーズに合わせて 構成することもできます 猶予期間をアクティブな サブスクリプションプランすべてに 適用したり 無料トライアルのユーザーを 除外して 有料プランのユーザーのみに 適用したりすることができます 猶予期間を3日間 16日間 または28日間に 設定することもできます 支払いの問題を解決するために ユーザーに与える期間を長くするほど 猶予期間中に サブスクリプションが 再確立される可能性が 高くなることに留意してください 実際にサブスクリプションの 回復の成功事例を 長期的に見てみると ユーザーの40%が 支払いの問題を 認識してから3日以内に 請求情報を修正していることが わかります 支払いの回復数は 支払いの問題を認識してから 16日以内だと75% 28日以内だと 90%へと急増します 別の図を使って この機能の 仕組みを説明しましょう 前の例と同様に ユーザーのクレジットカード情報の 有効期限が切れたため 更新が失敗したとします デベロッパは請求に 影響を与えることなく ユーザーを再エンゲージするために 再請求期間の 最初の28日間を 請求猶予期間に割り当てました この期間中 ユーザーは引き続き サブスクリプションにアクセスできます その後14日経って ユーザーが クレジットカード情報を 更新したとします ユーザーが更新を完了すると サブスクリプションが再確立され 既存の請求サイクルが 継続されるため デベロッパは有料サービスの 利用日数を失うことがありません Appleではデベロッパが 請求猶予期間をうまく利用して サブスクリプションプランを回復し 維持する例を数多く見てきました この1年間では 請求猶予期間機能を 有効にしていたデベロッパの 非自発的に解約されたサブスクリプションのうち 約8,000万件を 回復することに成功しました 最後に サブスクリプションオファーは 無料コンテンツや アプリの魅力的な割引を 提供することで ユーザーを長期間維持し 自発的解約率を改善する 効果的な方法となる可能性があります App Storeにはユーザーを長期間 維持するのに役立つ 2種類のオファー機能があります プロモーションオファーは 既存または以前のサブスクリプション登録者から 厳選した登録者に 特定期間の無料または 割引サブスクリプションを アプリ内で提供できる機能です オファーコードを使用すると アプリの内部と外部の両方で オファーをより柔軟に 宣伝できます ユーザーにサービスの サブスクリプションの 長期間継続を促す 適切なサブスクリプションオファーを 作成するには いくつかの重要なシナリオを 考慮する必要があります オファーを使用して エンゲージメントの低いユーザーが サブスクリプションをキャンセルするのを 防ぐことができます また オファーを使用して サービスの自動更新を すでにオフにしているユーザーに 再度アプローチすることもできます こうしたユーザーの一部は サブスクリプションを利用できる サービス日数が まだ残っている場合があります 一方でサブスクリプションを 完全に解約している 可能性もあります では これら3つの各シナリオで ユーザーを引き付けるのに 役立ついくつかの戦略について 説明していきます 自動更新をまだ有効にしている アクティブなユーザーであっても プロダクトへの エンゲージメントが低いと サブスクリプションを キャンセルする 可能性があります これはユーザーが 自動更新をオフにして サービスを解約するのを防ぐための 重要な機会となります これらのオファーは サービスの価値を 伝えたり 新機能や ユーザーが見落としがちな 機能を紹介したりする 機会として利用できます 無料期間を提供したり ユーザーが希望する用途により適した 別のプロダクトへの アップグレードや ダウングレードを 提案したりできます ユーザーがオファーを目にする 可能性を高めるには Eメールやプッシュ通知など アプリ外で これらのオファーを 配信するのが 最も効果的です これはOcean Journalという 架空のアプリの例です このアプリのデベロッパは エンゲージメントの低いユーザーに 次の1か月間サービスを無料で利用できる というオファーをEメールで送信しました また ユーザーがオフラインで コンテンツにアクセスできるようになる 新しいサブスクリプション機能を 発表するメッセージを 合わせて記載しました ユーザーがすでに 自動更新をオフにしていても まだサブスクリプションに アクセスできる場合は オファーを表示することで ユーザーが完全に解約して サービスを利用できなくなるのを 防ぐことができます 多くのユーザーは 更新日前に プランをキャンセルする 傾向があるため このシナリオに当てはまります 実際 90%以上の ユーザーは サービス期間が 2日以上残っているうちに プランをキャンセルし 多くは残りの期間中 アプリを使い続けます デベロッパはこの期間を利用して サブスクリプションの価値を アピールしながら ユーザーにサブスクリプションの 継続を促す割引サービスの オファーを提供できます アプリ内でこれらの オファーを配信して サブスクリプションの機能を まだ利用しているユーザーに リーチしましょう ここでも Ocean Journalを 例に挙げます このデベロッパは ユーザーの翌月のサービスを 50%オフにするオファーを アプリのホーム画面に 表示しました そのメッセージの中で ユーザーのサーフィンに関する 毎月の目標についての 進捗状況を強調し その目標の達成に対して サブスクリプションが有効であることを 明確に伝えました ユーザーがサブスクリプションを 完全に解約してサービスに アクセスできなくなっている場合は サブスクリプションオファーを使用して ユーザーの再獲得を 試みることができます ただし ユーザーが 解約した後 特定のアプリに対する割引の提供を 開始する最適な時期を 判断することが重要です ユーザーのサブスクリプションが 終了した時点で すぐに割引を提供すると ユーザーが割引を受けるために プランをキャンセルするなど 意図しない行動を招く可能性が あることに留意してください これらのオファーの配信を 開始したら 解約期間が長くなるにつれて より大きな割引を 提供することを検討してください 該当するユーザーは アプリをもう利用していない 可能性が高いため このようなオファーを 配信する最も効果的な方法は Eメールとプッシュ通知です これはOcean Journalが 以前のユーザーに オファーを提示した例です プッシュ通知を使用して 今後3月間サービスを 50%オフにする オファーを配信しています ユーザーがオファーを無視した場合 後で別のオファーを送信することを 検討できます ただしスパム行為だと 受け取られないように ユーザーにオファーを過剰に 送信することは避けます 再請求(支払いの再試行) 支払いの問題に関するメッセージ 請求猶予期間 サブスクリプションオファーは ユーザーをより長く 維持するのに役立つ App Storeの 機能の一部です これらの機能の概要や 使い方を理解できたところで これらの機能を適切に エンジニアリングする方法について Hemantから説明してもらいます Hemant:ありがとう Bryan このセクションではアプリの解約を防ぎ サブスクリプション登録者を維持する観点で App Storeの機能を実装する際に 考慮する必要がある ベストプラクティスについて説明します サブスクリプションの更新前に サブスクリプションの自動更新を 遅らせたり 阻害したりする可能性のある 支払いの問題がないか App Storeで チェックが行われます このチェックにはサブスクリプションの 更新を処理するために ユーザーが有効な支払い方法を 登録していることを確認する 作業が含まれます 有効な支払い方法がない場合 App Storeでは サブスクリプションの更新前に 登録されている支払い方法を 更新するようユーザーに事前に通知します 不正行為を阻止するために App Storeは登録されている ユーザープロフィールと支払い方法について 不正行為やリスクのチェックを実施します 最後に 該当する場合は 今後のサブスクリプション更新についても ユーザーに通知します 先ほどBryanが説明したように App Storeではこれらすべての チェックに加えて アプリの 解約を防いでサブスクリプション登録者を 維持するための機能が提供されています これらの機能を実装する際に 考慮する必要がある ベストプラクティスから見ていきます まずは再請求や 支払いの問題に関するメッセージなどの 機能から見ていきます これらの機能はプラットフォームが 提供するメリットであり 自発的ではない解約を防ぐために デフォルトで有効になっています 支払いの問題により 更新に失敗した場合 サブスクリプションは自動的に 60日間の再請求期間に入ります この期間中 Appleでは サブスクリプションの回復を試みます シナリオによっては サブスクリプションの ステータスが 変更される可能性があります ここではサブスクリプションが 再請求期間にある場合に 考慮する必要がある シナリオについて説明します このユーザーは支払いの問題により サブスクリプションを更新できず サブスクリプションが 再請求期間に入っています ここで再請求状態にある サブスクリプションを特定し サービスの提供を停止するには StoreKitの更新状態プロパティである inBillingRetryPeriodを 使用します これによりサーバを使用せずに サブスクリプションのステータスを特定し サービスにアクセスできるかどうかを 判断できます ただし サブスクリプションの更新された ステータスをリアルタイムで受け取るには App Storeサーバ通知を 有効にします これを有効にするとユーザーが 再請求状態になったときに 通知タイプDID_FAIL_TO_RENEWを 受け取ります これで 60日間の期間内であれば いつでも再請求状態にある サブスクリプションを回復できます 回復したら ユーザーへのサービスの提供を 開始する必要があります このシナリオでは 登録されている 支払い方法をユーザーが更新し サブスクリプションが 更新されたとします サブスクリプションが回復すると 更新状態が 登録済みに変わります これにより サブタイプが BILLING_RECOVERYの 通知DID_RENEWを受け取り 更新が成功したことが示されます サブスクリプションは 再請求期間内に 回復されるため 新しいサブスクリプションの 有効期限が設定されます App Storeで 再請求回数の上限に達し サブスクリプションを 回復できないシナリオでは サブスクリプションが 期限切れになり更新状態が EXPIREDに変更されます サブタイプがBILLING_RETRYの App Storeサーバ通知 EXPIREDを受け取ります さらに 再請求状態にある サブスクリプションに関して 考慮する必要がある ベストプラクティスとして App Storeがサブスクリプションを 回復中である場合は すでに再請求状態にあるユーザーには 宣伝すべきではないことが 挙げられます これはサービスをクロスプラットフォームで 提供する場合にも重要です 先ほどBryanが説明したように ユーザーのサブスクリプションが 60日以内に回復した場合 有料サービスの利用日数の累積が 継続されるため 収益を85%に 増やすことにつながります ユーザーはサブスクリプションを キャンセルすることで 再請求のプロセスをオプトアウトできることを 理解しておくことが重要です その場合 App Storeは 再請求を停止します サブスクリプションは自動更新プロダクトが 販売対象から削除された場合にも 再請求状態になる可能性があります このサブスクリプションは 自動更新プロダクトの販売が 60日以内に 再度許可されない限り 回復されません StoreKitプロパティ expirationReasonと サーバのexpirationIntentによって この状態になっている サブスクリプションを特定できます つまり再請求状態になっている サブスクリプションに対してApp Store Sandboxを使用して アプリとサーバの実装を検証できます サブスクリプションの回復を さらに促進するために App Storeは支払いの 問題に関するメッセージを アプリ内でユーザーに送信し 問題の解決を支援します ユーザーのアプリでの体験を 中断したくない場合は 支払いの問題に関するメッセージの表示を 保留することを選択できます それには StoreKit Message APIの プロパティ.reasonと 値.billingIssueを 使用します 詳細については WWDC23セッション 「StoreKit 2の新機能およびXcodeでの StoreKitのテスト」と 「アプリ内課金のテストについて」を ご参照ください 次に 自発的でない解約と 自発的な解約の影響に 適切に対処するために デベロッパのみなさまが 採用できる機能について説明します まずは 請求猶予期間から 見ていきます アプリの猶予期間設定を 有効にするには App Store Connectで アプリのサブスクリプション セクションに移動します これによりアプリの 請求猶予期間を 設定できるダイアログが 開きます ここで 利用可能な 猶予期間から選択できます また 請求の猶予期間の 適用対象と環境を 選択できます 最初にSandboxで 有効にするのか Sandboxと本番環境の両方で 有効にするのかを選択できます 選択した設定は 確定後に App Store Connectに 表示されます 請求猶予期間を有効にすると サブスクリプションが 更新されなかった場合に 請求猶予期間が開始されます ここには 以前に説明した 再請求の すべてのシナリオを示しています 請求猶予期間を 有効にする場合は サブスクリプションの ライフサイクルにおける 追加のシナリオを考慮する必要があります 次に 請求猶予期間を 有効にした後の ユーザーのシナリオについて 説明します ここでは猶予期間が 有効になっているため Appleがサブスクリプションの 回復を試みる間 ユーザーはアプリの有料コンテンツに 制限なくアクセスできます 請求猶予期間にある サブスクリプションを特定したり サービスの提供を 継続したりするには 更新状態を inGracePeriodに変更して サブタイプがGRACE_PERIODの 通知タイプ DID_FAIL_TO_RENEWを 受け取ります ユーザーは請求猶予期間内に サブスクリプションを回復でき 有料サービスの利用日数の 累積が中断されないため サブスクリプションの 有効期限は変わりません ユーザーのサブスクリプションが 回復すると 更新状態がsubscribedに変更され サブタイプが BILLING_RECOVERYの 通知DID_RENEWを受け取ります ユーザーが請求猶予期間内に サブスクリプションを回復できない場合 ユーザーが再請求状態になり サービスの提供を停止できます 更新状態が inBillingRetryPeriodに 変更され 通知 GRACE_PERIOD_EXPIREDを 受け取ります 同様に 請求猶予期間を 有効にした場合に これらの追加のユースケースを アプリとサーバの両方について App Store Sandboxで 検証することもできます 最後にサブスクリプション オファーについて説明します 2つのシナリオを見ていきます ここではアプリとサーバに 適切なサブスクリプションオファーを 実装する際に 考慮する必要がある 要素について説明します この最初のシナリオでは 自動更新をオフにしたものの アプリを利用できるサービス日数が まだ残っているユーザーに 再度アプローチを 試みます ここでは既存の サブスクリプション登録者向けの サブスクリプションオファーを作成する ツールとして プロモーションオファーを 使用しています 該当するサブスクリプション 登録者を特定するには StoreKitの「RenewalState」 プロパティが「subscribed」で 更新情報プロパティ「willAutoRenew」が 「false」であるものを使用します サーバ側ではSubscription Status APIの 「status」プロパティが「1」で 「autoRenewStatus」プロパティが 「0」であるものを使用します また App Storeサーバ通知を 有効にしている場合 ユーザーがサブスクリプションの更新を オフにすると 通知タイプ DID_CHANGE_RENEWAL_STATUSと サブタイプ AUTO_RENEW_DISABLEDを リアルタイムで 受け取ります プロモーションオファーを実装するときに 考慮する必要がある ベストプラクティスとして オファーの詳細を ユーザーに宣伝するために ハードコーディングしたり サーバから取得したりするのではなく StoreKitの promotionalOffersプロパティを 使用することが挙げられます プロモーションオファーの場合は 購入時 例えばオファーを宣伝する直前に 署名を送信することが重要です これは最新の タイムスタンプを取得し 最新のオファー設定を 確実に使用するのに 役立ちます プロセスの効率化を図り 署名の生成に役立てられるよう サーバ上でセキュアに署名を 生成するための フレームワークを提供する App Store Server Libraryが 導入されています これにより App Store Server APIや 通知も簡単に導入できます プロモーションオファーの 利用を特定するには 値が2のofferTypeと offerIdentifierを含む JWSTransactionを使用します offerIdentifierには プロモーションオファーの 設定時に App Store Connectで 設定した値が含まれます ユーザーがオファーを利用すると 通知タイプ OFFER_REDEEMEDと 該当するすべてのサブタイプを リアルタイムで受け取ります プロモーションオファーの ベストプラクティスの詳細については WWDCセッション 「App Store Server ライブラリの紹介」と 「サブスクリプションオファーの ベストプラクティス」をご覧ください 次に ユーザーが解約し アプリを積極的に 利用していない場合の シナリオを考えてみましょう 該当するサブスクリプション 登録者を特定するには StoreKitのRenewalState プロパティがexpiredで 更新情報プロパティwillAutoRenewが falseであるものを使用します サーバ側ではSubscription Status APIの 「status」プロパティが「2」で 「autoRenewStatus」プロパティが 「0」であるものを使用します App Storeサーバ通知では サブスクリプションの有効期限が切れると 通知タイプEXPIREDと サブタイプVOLUNTARYを 受け取ります このシナリオでは 2つの理由から ユーザーを再獲得するためのツールとして オファーコードを使用しています まず アプリ内またはアプリ外で ユーザーにオファーを宣伝し 提供するのに役立ちます また プッシュ通知またはEメールに オファーコードのディープリンクを 埋め込んで オファーの利用フローを開始し ユーザーの再獲得につなげることができます オファーコードの実装と ベストプラクティスの詳細については Tech Talksの 「サブスクリプションオファーコード」と 「サブスクリプションを 成功へと導く最適化:獲得」 をご覧ください App Storeはユーザーに アクセス権を正確に付与して サービスを提供するのに役立つ デバイスとサーバに関する すべてのトランザクション情報を 提供します これをさらに強化して App Storeのプロダクトや オファーの設定を 把握できるように トランザクション情報に priceや currency offerDiscountTypeなどの 新しいプロパティを導入しました これらのプロパティを活用すると オファーの利用の 詳細を把握できます recentSubscriptionStartDate プロパティを利用して ユーザーがサブスクリプションに 登録していた合計期間を 計算することもできます これは ユーザーのロイヤルティを推測し サブスクリプションオファーの 提供を判断するのに役立ちます 例を見てみましょう ユーザーが1月25日に 月間サブスクリプションを購入し 毎月継続的に 更新していました しかし 12月5日にユーザーは サブスクリプションの更新を 無効にし この結果 12月25日に サブスクリプションが 解約される可能性があります この期間を保存期間だと 考えます この期間中に サブスクリプション登録期間の 長さに基づいて ユーザーにサブスクリプションオファーを 提示するかどうかを 先手を打って決定できます ユーザーがオファーを 受け入れることを 選択した場合 12月25日に更新されます まとめると Appleは再請求や 支払いの問題に関するメッセージなどの 機能の提供を開始しました また 請求猶予期間や サブスクリプションオファーなどの 機能の採用は アプリの解約を防ぎ サブスクリプション登録者を 維持するのに役立ちます サブスクリプションの開始方法や サブスクリプションツールの 詳細については developer.apple.com/jp/で サブスクリプションの自動有効化に関する ドキュメントをご確認ください このドキュメント1つに 参考になる すべてのリソースや関連リンクが まとめられています
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