対象要件を確認する
Advanced Commerce APIを利用するには、アプリにアプリ内課金が導入されており、以下のいずれかのビジネスモデルがアプリの中心的な機能になっていることが条件です。
非常に大規模な単発課金のカタログ:アプリが大規模なコンテンツライブラリを備え、オーディオブック、クラス、コースなどの新しいアイテムが頻繁に追加され、各アイテムが単一のアプリ内課金として販売されている。ユーザーは必要に応じて、アプリ内課金を単一で、または複数購入できる。
非常に大規模なサブスクリプションのコンテンツカタログ:アプリに複数のクリエイターによるコンテンツが頻繁に追加され、それぞれのクリエイターの作品が単一の自動更新サブスクリプションとして販売されている。ユーザーはアプリ内で単一または複数のサブスクリプションに、それぞれ単一のアプリ内課金として登録できる。
同一アプリの主要サービスの一部として、オプションでアドオンコンテンツを利用できるサブスクリプションを単一の課金で提供:ユーザーは特定のサービスだけでなく、追加のアドオンコンテンツやサービスにも登録でき、それらはすべて同一アプリ内の単一のサブスクリプションとして自動更新される。たとえば、基本のサブスクリプションに加え、プレミアムチャンネル、スポーツ、地域のコンテンツなどのアドオンを追加のサブスクリプションとして提供するエンターテインメントアプリが該当します。
メモ:大規模なカタログや、オプションでアドオンコンテンツを利用できるサブスクリプションなど、サブスクリプションコンテンツを提供するアプリは、Cancel APIの利用も申請できます。Cancel APIは、キャンセルの処理、課金後のコンテンツの検証、サブスクリプションカタログの管理に役立ちます。
アプリ要件を理解する
アプリがAdvanced Commerce APIに対応し、優れたユーザー体験を提供するには、デベロッパのシステムで課金カタログを個別のプロダクトID(またはSKU)として管理する必要があります。ほかにも以下のような要件があります。
システム要件
Advanced Commerce APIは、App Storeのコマースシステムを使用するアプリでのみ利用できます。アプリには、iOS 15.0、iPadOS 15.0、Mac Catalyst 15.0、tvOS 15.0、visionOS 1.0、またはwatchOS 8.0以上を搭載したデバイスとの互換性が必要です。
その他の推奨事項
アプリでAdvanced Commerce APIのサポートを強化し、優れたユーザー体験を提供するために、以下の機能とテクノロジーの使用をご検討ください。
- App Store Serverライブラリを使用して、アプリ内の署名リクエストの作成、呼び出しを認証するためのJSON Web Token(JWT)の生成、トランザクションの検証などをより簡単に行うことができます。
- サブスクリプション型のアプリでは、App Store Connectで請求の猶予期間を有効にします。こうすることで、請求の問題によるサービスの中断を防ぎ、支払いの問題で自動更新に失敗した登録者は、Appleが支払いの回収を試みる間、サブスクリプションを引き続き利用できます。
- ユーザーから返金のリクエストがあった場合は、App Store Server APIのSend Consumption Informationエンドポイントを使用して、ユーザーのアプリ内課金の情報(自動更新サブスクリプションを含む)をAppleに送信します。このデータは返金ロジックの改善に役立ち、柔軟で正確、かつ適切な情報に基づいた意思決定につながります。
APIへのアクセスを申請し、アプリを提出して審査を受ける
Advanced Commerce APIの利用を希望する場合は、申請フォームからアプリと対象用途をお知らせください。申請はアプリごとに処理されます。承認されると確認メールが届き、Advanced Commerce API向けのプロジェクトを設定できるようになります。
テストが完了し、準備ができたら、アプリをApp Reviewに提出して審査を受けます。アプリバイナリと汎用のアプリ内課金プロダクトIDを、App Store Connectを使用して提出します。提出する際は、アプリでAdvanced Commerce APIを利用する旨を審査メモに記載してください。該当する契約 (Advanced Commerce API Addendum)、App Reviewガイドライン、Apple Developer Program使用許諾契約の各規約を必ず遵守してください。提出した内容に不備がある場合は、審査の所要時間が長くなることや、アプリが却下されることがあります。Appleが提出内容を審査および承認すると、App Store Connectでアプリのステータスが更新され、通知が届きます。提出して審査を受ける方法について、詳しくはこちらをご確認ください。
すでにAdvanced Commerce APIを利用しており、プロダクトIDや新しいビジネスモデルの追加、大幅な価格変更など、何らかの更新を行う場合は、Advanced Commerce APIアクセスフォームから更新内容を提出する必要があります。
申請する
Q&A
Advanced Commerce APIを使用してどのような種類のアプリ内課金を提供できますか?
Advanced Commerce APIを使用すると、App Storeで提供する消耗型や自動更新サブスクリプションなどのアプリ内課金に対応し、プレミアム機能、追加コンテンツ、デジタルグッズを提供できます。ただし、これらのアプリ内課金は、対象となるビジネスモデルに該当するものである必要があります。
Appleの何らかのプログラムに参加していても、Advanced Commerce APIの利用を申請できますか?
はい。Advanced Commerce APIの利用が承認された場合、Apple Video Partner Program、News Partner Program、App Store Small Business ProgramなどのAppleプログラムに参加したまま利用できます。
Advanced Commerce APIを使用すると、App Storeのどのようなコマース機能を利用できますか?
Advanced Commerce APIは、アプリ内課金を通じてコンテンツやサービスを世界中に効果的に提供するパワフルな方法です。ただし、Advanced Commerce APIで処理する課金はApp Storeでプロモーションできず、現時点ではApp Storeの一部の機能(サブスクリプションオファー、ファミリー共有可能なアプリ内課金、XcodeでのStoreKitテストなど)をご利用いただけません。
Advanced Commerce APIを介した課金のレポートはどこで確認できますか?
Advanced Commerce APIを介した購入は、App Store Connectの売上概要レポートと支払と財務レポートで確認できます。
Advanced Commerce APIを使用することで手数料率に影響はありますか?
いいえ。既存のビジネス規約が引き続き適用され、手数料率に影響はありません。
Advanced Commerce APIの利用が承認された場合、すべてのアプリ内課金をAdvanced Commerce APIで管理する必要がありますか?App Store Connectでも管理できますか?
Advanced Commerce APIかApp Store Connect、またはその両方でアプリ内課金を管理できます。アクセスが承認された場合でも、当該のAPIだけを使う義務は発生しません。
アプリが却下されても、再申請できますか?
はい、再申請できます。Advanced Commerce APIを利用するには、アプリが上記の基準を満たしている必要があります。今後さらなるユースケースにも対応できるよう、Appleは対象要件を随時変更する場合があります。
Advanced Commerce APIに関する機能強化のリクエストやバグの報告はどのように行えばよいですか?
バグの報告や機能強化のリクエストには、フィードバックアシスタントをお使いください。トピックに「Developer Tools & Resources」を選択し、問題領域メニューで「Advanced Commerce API」を選択します。フィードバックアシスタントを使ってバグを報告する方法について、詳しくはこちらをご確認ください。
技術的な詳細情報はどこで確認できますか?
詳細や技術的なガイダンスについては、「Advanced Commerce API」のドキュメントをご確認ください。