デザインの裏: 「Sayonara Wild Hearts」
2020年8月7日



「Sayonara Wild Hearts」の初期のコンセプトアート。
「ひらめいたのです。私は(チームに向かって)『これだ』と声をあげました」とFlesserは言います。翌日からチームは早速、この新しいトーンでオリジナルのポップソングを書き始めました。新しい曲ができあがってくると、プロトタイプのカラースキームも変化し始めました。「(曲の)色調はパープルとピンクとブルーでした。音楽がゲームを彩ってくれたんです」
ハートに、直感に従って進みます…なぜならそれが、何かを訴えかけてくる作品、誠実な作品を作れる唯一の方法だと思うからです…何を作ろうとしているのか、その作品を通して何が言いたいのかについて考えすぎると、形のない魔法のようなものが失われてしまいます。そのプロジェクトが何なのかを、自分が語るのではなく、プロジェクトそのものに語らせる必要があるのです
Simon Flesser, Simogo

ゲームの動きが非常に速いため、理解しやすく直感的に使用できるコントロールを作成することが不可欠でした。そのためチームは意図的に、プラットフォームに依存しないコントロールを採用しました。これによってタッチスクリーンでも、サードパーティ製のゲームコントローラーでも、Apple TVのリモコンでも、自在にコントロールしながらゲームを楽しむことができます。Flesserはこう説明します。「プレイヤーが実際に指を動かした時にプレイヤーのアバターが動くように、スワイプを中心とした入力方法を選択しました」
チームがプロトタイプをテストする中で、スワイプコントロールは進化し続けました。中でも、ゲームの絶え間ないカメラの動きとズームは特に難しい課題となりました。「3D空間と2D空間でのフィードバックの違いついて、非常に多くのことを学びました。同じような動きでも、カメラがどれだけ離れているか、カメラがどのくらい動くかによって感覚は大きく異なりますが、さらに、カメラを軸として回転するのか、プレイヤーのアバターを軸として回転するかによっても、動きの感覚は大幅に変わってきます」とFlesserは言います。
ゲーム体験を滑らかにするため、Simogoのチームはキャラクターを同じ相対空間に保ちつつ、カメラのアクティブな遠近感やズームレベルに対するフィードバックとスワイプの反応性を調整しました。
このような配慮とデザインの見事な調和により、「Sayonara Wild Hearts」は、Appleのプラットフォーム向けゲームの中でも傑出する存在となりました。Flesserは、Apple Design Awardを受賞したこのゲームの完成までの道のりについて次のように述べています。
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