ADA Q&A:「Sago Mini Jinja’s Garden」で想像力を育む
2026年5月16日

「Sago Mini Jinja’s Garden」は、各種の機能をあえて排している点が印象的です。自然なスワイプ操作と、文字が読めなくても楽しめるインタラクションにより、この広大な世界では3〜6歳の子どもでも存分に遊べます。インクルーシブ機能がごく自然に組み込まれており、プレイする子どもも保護者もその存在に気付かないほどです。実績のあるSago Miniのこの新作では、繊細な心配りのもと、誰もが楽しめる世界が創り出されています。プレイヤーは隣人を助けたり、サッカーをしたり、チーズを取り返すためにネズミを追いかけたり、にぎやかなパーティーに加わったりできます。このゲームには時間制限もプレッシャーもありません。誰でも楽しめる魅力的なアクティビティをのんびり体験しましょう。
ゲームデザイナーのBen Stirling氏、ゼネラルマネージャーのJason Krogh氏、シニアプロダクションマネージャーのDanielle Rainey氏に幼児向けのデザインについて話を聞きました。
Sago Mini Jinja’s Garden
- チーム名: Sago Mini
- 対応デバイス: iOS、iPadOS、macOS、tvOS(Apple Arcade)
- 拠点: カナダ
- カテゴリ: インタラクション
App Storeで「Sago Mini Jinja’s Garden」をダウンロードする >
「Sago Mini Jinja’s Garden」はどのようにして生まれたのですか?
Krogh氏:幼いプレイヤーはコージーゲームが大好きですが、操作が難しくシステムを理解しづらいという事実を知ったことからすべてが始まりました。子どもは親やきょうだいと一緒にプレイできても、ひとりでプレイするのは難しいという話もよく耳にしました。私たちのチームにとって、これは挑戦しがいのある問題たと感じましたね。
初期のコンセプトについて教えてください。最終製品は元のアイデアにどの程度近いものでしたか?
Krogh氏:初期のコンセプトでは物語性を重視していて、Jinjaが祖母のNolaを訪ね、かつて美しかった庭が今は荒れ果てているのを見て驚くというストーリーがベースになっていました。JinjaとNolaは協力して庭をよみがえらせます。その後徐々に、多くのキャラクターや軽めのクエストシステム、オープンワールドなアプローチを取り入れていきました。
プラットフォームの慣習に従った部分と、意図的にその枠を超えた部分について教えてください.
Rainey氏: 慣習に従った点としては、ガーデニング、隣人のお手伝い、料理など、クラシックなコージーゲームのシステムを取り入れたことです。枠を超えた点としては、未就学児向けに実績のあるシステムを導入したことです。ガーデニングシステムの鍵は即時性です。植物に水をやると、ほんの数秒でかなり成長します。セリフをなくし、視覚的なコミュニケーションを重視しました。インタラクションは話し言葉も書き言葉もなしで設計されています。シンプルな交換も重要です。プレイヤーは、チャレンジをクリアするためにたくさんのアイテムを集めたり、通貨を稼いだりする必要はありません。1枚のコインや何本かのニンジンで十分です。

プレイテストのプロセスについて教えてください.
Stirling氏:当初は、純粋なオープンエンドプレイを想定してゲームをデザインしました。しかし、プレイテストでは、子どもたちが誰もいない庭を歩きながら、親に「どうしたらいいの?」と何度も尋ねていました。ところが、ふき出しのあるキャラクターに出くわした瞬間、子どもたちが一気に食いついたのです。彼らはアイテムを成長させ、報酬を手に入れると、すぐに次のチャレンジを探し始めました。
こうした様子を見て、目標達成型のプレイへと方向性が転換しました。方向転換の結果、今ではほぼすべてのキャラクターがリクエストから始まるようになりました。また、オープニング映像や直感的なゲーム内チェックリストを追加し、幼いプレイヤーをガイドできるようにしました。オープンエンドから始めたことが、私たちの強みですね。だからこそ、目標達成型のゲームプレイを導入したときに、子どもたちがやりがいを感じられるようなものにしっかりと仕上げることができたのです。
デザインを進めるうえで最も難しい決断は何でしたか?
Stirling氏:Jinjaの動きを全面的に見直したことです。当初、Jinjaはプレイヤーが指を置いた場所に勢いよく走っていました。大人には自然に感じられることでも、未就学児を対象にプレイテストをやってみると、操作が思うようにいかず、偶然のタッチでJinjaが急に動くなどして、大きな不満につながっていました。
ゲーム全体のペースを意図的に遅くすることになるため、私たちは解決策について慎重に議論を重ねました。そして、画面を押し続けると点線の経路が描かれ、Jinjaがその方向に向きを変えるというシステムに切り替えました。プレイヤーが指を離すとJinjaが走り出します。こうすることで、子どもたちは思い通りに操作でき、ゆっくりと世界を探索できるようになりました。点線が見えると、子どもは安心します。「大丈夫。Jinjaは、ちゃんと君が選んだ場所に向かってる」
ローンチ後、実際のユーザーの行動を受けてゲームに変更を加えましたか?
Stirling氏:ローンチ時は、幼いプレイヤーの探索を制限したくなかったので、最初から世界全体が開放されていました。しかし、子どもたちが目標やクエストをやり込んでいく様子を見て、私たちは再評価の必要性を感じました。そして、エリアは引き続き自由に入れるものの、プレイの主な機能はクエストを通じて解放されるようにしました。子どもたちがガーデニングのコアループに継続的に取り組めるようにしつつ、新しいエリアを自分で作り上げたという満足感も得られるようになっています。
子どもたちに実際に「Sago Mini Jinja’s Garden」で遊んでもらう中で、一番驚いたことは何ですか?
Stirling氏:未就学児は今この瞬間のプレイを楽しむもので、植物の解放が必要なクエストなど、長期的なチャレンジには嫌気がさすのではないかと考えていました。数日間のテストで私たちはすっかり驚かされました。子どもたちは手に入らないアイテムをリクエストされてもうろたえず、心の中のチェックリストにメモしておくのです。数日後、「Xを見つけなきゃ」と口に出し、実際に見つけると歓声を上げていました。プレイヤーが長期的な目標に挑み、喜びを分かち合う様子を見るのは非常に嬉しいことです。
開発を始めたばかりのデベロッパやデザイナーにアドバイスをお願いします.
Krogh氏:素晴らしい協力者を見つけ、インタラクションのデザイン(アートワークではなく)を主導しながら、早い段階から繰り返しプレイテストを行いましょう。
デベロッパストーリーをもっと読む
デベロッパストーリーでは、Appleコミュニティでひと際独創的なデベロッパを取り上げ、そのベストプラクティスや哲学に迫ります。それぞれのストーリーで、デベロッパやデザイナー、エンジニアたちによる制作の舞台裏を覗き、素晴らしい作品を生み出したアプリやゲームの背景を探ってみましょう。