ADA Q&A:「Guitar Wiz」をご体験あれ
2026年5月16日

「Guitar Wiz」は、個人デベロッパのBijoy Thangaraj氏がSwiftUIで制作した、ギタリストのためのオールインワンのツールキット。あらゆるユーザーに配慮した、充実したインクルーシブ機能を備えています。強力なVoiceOver対応により、ピッチやコードの案内から、フレットのどこに指を置くべきかまで、あらゆる情報を音声でガイドしてくれます。「Guitar Wiz」はダイナミックタイプ、「コントラストを上げる」、「カラー以外で区別」にも対応しており、ユーザーの能力に関わらず、自分自身の力で自由にギターを弾く喜びを味わえるようにデザインされています。
インドを拠点に活動するデベロッパに、自身の音楽歴、コードダイアグラムを提示する際の課題、「Guitar Wiz」が当初からインクルーシブを重視してきた経緯について話を聞きました。
Guitar Wiz
- デベロッパ: Bijoy Thangaraj
- 対応デバイス: iOS、iPadOS、macOS、watchOS
- チームの規模: 1
- 拠点: インド
- カテゴリ: インクルージョン
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「Guitar Wiz」誕生のきっかけは何ですか?
Thangaraj氏: プロとしてギターとピアノを20年以上演奏しています。また、15年以上にわたってAppleのエコシステム向けのアプリを開発してきました。私が作ったアプリのほとんどは、ミュージシャンとして個人的に使いたいツールとして始まったもので、「Tuner T1」、「Music Tutor」、「Aural Wiz」、「GtrLib Chords」などがあります。
それぞれが特定の音楽的ニーズをしっかり解決してくれます。しかし、ギタリストとして、私はもっと包括的なものを求めていました。美しいデザインのアプリ1つに、ギタリストが毎日使う必須ツールをまとめたいと考えました。クリエイターとしての私のビジョンは、ギタリストの究極の相棒となるアプリを作ることでした。コード参照、チューナー、メトロノーム、曲作りツール、進行探索、練習のパートナーなどの機能をひとつにまとめ、初めてコードを学ぶ初心者から、経験豊富なプレイヤー、教師、ソングライターにまで幅広く役立つアプリを目指しました。「Guitar Wiz」には、私が10年以上にわたって音楽アプリを開発してきた中で培ったテクノロジー、アイデア、知見の多くが詰まっています。
初期のコンセプトについて教えてください.
Thangaraj氏: 最初の基盤となったのは、約8年前に公開した「GtrLib Chords」というアプリです。これは、包括的なギターコードライブラリを構築することを目標にしていました。「Guitar Wiz」では、最高のコード体験を提供しなければならないと考えていましたが、単に「GtrLib Chords」を再現するつもりはありませんでした。「GtrLib Chords」のインターフェイスは、単色で固い感じの参照スタイルでした。「Guitar Wiz」では、コードダイアグラムをより現代的でカラフル、インタラクティブ、そして楽しいものにしたいと考えていたので、角を丸め、グラデーションや滑らかなビジュアル処理を施し、インタラクティブなアニメーションを取り入れてデザインをやり直しました。
どのようにインクルージョンを重視しましたか?
Thangaraj氏: アクセシビリティは、当初から「Guitar Wiz」の中核をなす要素です。「Guitar Wiz」はVoiceOver、ダイナミックタイプ、「コントラストを上げる」に対応し、コードダイアグラムではVoiceOverを通じて指の配置を詳しく音声で説明するため、よりアクセシブルになっています。チューナーは画面を見なくても使えるようにデザインされていて、弦がフラット、シャープ、あるいはチューニングが合っているかをVoiceOverが伝えてくれます。
特にこだわった点のひとつが、コードダイアグラムの「コントラストを上げる」への対応です。システムレベルのコントラスト変更に単純に頼るのではなく、「コントラストを上げる」が有効になると、Guitar Wizはコードダイアグラムを白黒で描画し、すべての音符と指の位置を読みやすく保ちながら、コントラストを最大化します。目標は、アクセシビリティをメインのデザインから切り離すことなく、Guitar Wizを誰もが使いやすいアプリに仕上げることでした。

開発プロセスの中核を担ったAppleのツールやテクノロジーは何ですか?
Thangaraj氏: 「Guitar Wiz」は、Appleの最新のネイティブ技術スタックを用いてゼロから構築していて、SwiftとSwiftUIがその中核となっています。AVFoundation、AudioToolbox、Core Audioにより、チューニング、メトロノームの操作、再生、練習支援ツール、低レイテンシーのオーディオ動作など、リアルタイムの音楽ツールを実装できます。バックグラウンドオーディオや触覚に対応しているため、メトロノームのようなツールは練習セッション中もずっと問題なく動作します。
「Guitar Wiz」ではまた、VisionやVisionKitを活用してSong Sheet Scannerなどの機能を実装し、Siriショートカット、ウィジェット、ライブアクティビティ、App Intents、Apple Watchのスマートスタックのウィジェットとも統合します。
Foundation Modelは各ユーザーの習熟度に基づいてコード理論のインサイトをパーソナライズし、Apple Intelligenceはそのインサイトを30以上の言語で再構成します。こうすることで、音楽理論が世界中のユーザーにとってより親しみやすいものになります。「Guitar Wiz」は、単に拡大するのではなく、iPadやMac向けにきめ細かく最適化されていて、レイアウトやフォントサイズが動的に調整されます。SwiftUIが基盤なので、練習や指導、作曲の際により広いスペースを求めるミュージシャンにとっても自然に感じられます。
あなたの方向性を大きく変えたフィードバックについて教えてもらえますか?
Thangaraj氏: 初期のアイデア出しで、仲間のミュージシャンが重要なことを指摘してくれました。コードを調べるときは、コード単体を切り離して見ることはしません。そのコードが周囲のコードファミリーとどのようにかみ合うかを理解したいからです。私の問いは「より良いコードライブラリを作るにはどうすればいいか?」から「このコードを音楽的に使うユーザーをどのようにサポートできるか?」に変わりました。このようなインサイトが、やがてコード進行、ジャムツール、ソングメーカーなどの機能にも影響を与えました。コードライブラリは、単なる静的な参照ではなく、探求、練習、音楽制作の出発点となりました。
デザインで最も難しい決断は何でしたか?
Thangaraj氏: 一度にどの程度の音楽情報を表示させるかですね。ギターの学習は、コード、タブ譜、リズム、指の位置、チューニング、タイミング、進行、転回、理論など、さまざまな要素が一度に押し寄せるため、すぐに複雑になってしまいます。
最終的に私が採用したアプローチは、段階的な開示です。「Guitar Wiz」では、その瞬間に最も関連性の高い情報を得られ、ユーザーの成長に合わせてより高度なツールも利用できます。ユーザーからのフィードバックは大きな役割を果たしました。機能が多すぎてユーザーがとまどってしまうかもしれないと思い、ある機能の重要度を下げたこともありましたが、実際その機能を頼りにしているという声を聞くこともありました。ユーザーが何を必要としているかを決めつけてはいけない、ということを学びましたね。
開発を始めたばかりのデベロッパやデザイナーにアドバイスをお願いします.
Thangaraj氏: まずは、純粋に自分が使いたいと思うものを作りましょう。でも、製品が世に出たら、元のバージョンにあまりこだわりすぎないように。ユーザーが実際にどのように使い、何を楽しみ、どこにつまずき、何を目当てに戻ってくるのかをふまえ、柔軟に製品を改善していく姿勢を持ってください。自分がいいと思う方法で始めて、そのあとは人々に助けてもらいながら進化させていきましょう。
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