開発者インタビュー:Craig Hockenberry

The Iconfactoryの代表、Craig Hockenberryが今の仕事に出会うまでには、紆余曲折がありました。Apple Iが発売された1976年、Hockenberryは、わずか16歳でプログラミングを始めていますが、その後、プログラミングとは関係のない企業経営の道へと遠回りをしてから、現在へと至っています。

「『Twitterrific』が生まれたのは、もともとThe Iconfactoryのみんなが、友達や同僚の近況をもっと簡単に知る方法はないかと考えたのがきっかけでした」とHockenberryは言います。「『xScope』もやはり、自分たちが必要だったから作りました。私たち自身がThe Iconfactoryの一番の顧客なんです」

「Twitterrific」のマルチペイン表示では、ツイートが種類ごとに色分けされます。

「Twitterrific」のマルチペイン表示では、ツイートが種類ごとに色分けされます。

デベロッパとして、Hockennberryは常に時代を先取りしてきました。10年以上前に公開された「Twitterrific」は、Mac初のTwitterクライアントです。Hockennberryは、「tweet(ツイート)」という用語の誕生にも関わったというから驚きです。

SNSと言えば青い鳥のアイコンが有名ですが、最初の青い鳥のデザインは、「Twitterrific」のアイコンとしてHockenberryが手掛けています。名前はOllieとHockenberryが名付けました。(後にTwitter社は、その独自のバージョンを作っています。)

Hockenberryは、様々なAppを開発してきましたが、その背後にある哲学は変わることがありません。

「新しいAppを作る時は、そのAppがユーザーの抱えるどんな悩みを解決するかを常に考えています」と、Hockenberryは語ります。また、Hockenberryにとって機能性とデザインは同じくらい重要です。「問題を解決するのは機能ですが、デザインは手に取りやすさや使いやすさを決めるのです」

「xScope」のオーバーレイツールを活用すれば、赤緑色覚異常などの視覚障がいがある人への見え方に配慮できます。

「xScope」のオーバーレイツールを活用すれば、赤緑色覚異常などの視覚障がいがある人への見え方に配慮できます。

デベロッパのコミュニティでの評価も高く、優れたデベロッパとして常に名前の挙がるHockenberryは、とても積極的で寛大な貢献をしています。例えば、Iconfactory.comでは、毎月およそ2TB分ものアイコンや壁紙を無償で提供しています。また、furbo.orgという自身のブログで、開発について自らのノウハウを惜しみなく公開しています。

「コミュニティの仲間に力を貸す、というのは父の教えです」とHockenberryは言います。「何か面白いものを見つけたり、ユニークなアイデアが浮かんだ時は、喜んでほかのデベロッパと共有します」

Hockenberryは、まだまだ引退するつもりはないそうです。

「『年齢を決めるのは、その人間の行動なんだ』というのが祖父の口癖でした。それが事実なら、私はまだまだ現役としてがんばれます」


Mac App Storeより転載