ADA Q&A:「Primary」な情報源
2026年5月16日

空間コンピューティングを活用するApple Vision Pro向けニューズアプリ「Primary: News in Depth」は、ジャーナリストのMaura Axelrod氏とイマーシブ映像作家のSam Baumel氏が制作し、世界各地の寄稿者によって支えられています。センセーショナルな見出しや釣り画像に頼ることなく、空間ビデオならではの映像で最新ニュースや重要な出来事を報道します。また、不要な要素を効果的に削いだUIによって、ニュースへの関心が損なわれることなく報道のストーリーに集中できる、スマートな環境を実現しています。
変革期にある業界に新しい形のジャーナリズムをどのようにもたらしたのか、Axelrod氏とBaumel氏に話を聞きました。
Primary: News in Depth
- 対応デバイス: visionOS
- チームの規模: 2名
- 拠点: 米国
- カテゴリ: ソーシャルインパクト
「Primary」はどのようなアイデアから生まれたのですか?
Baumel氏:イマーシブジャーナリズムは、もはや高度に専門化された制作物に限定されるものではないと感じたことがきっかけです。iPhoneで空間ビデオを利用できるようになり、ふとこう思いました。現場の記者が日々のニュース収集の一環でイマーシブ映像を撮影できるようになると。この転換によって、まったく異なる報道モデルが生まれました。報道をよりイマーシブにし、現場のジャーナリズムとより深く結びつけ、さらに拡張できる可能性に大きな期待を抱いたのです。
どうして始めようと思ったのですか?
Axelrod氏:このプロジェクトには3つの動機がありました。1つ目はストーリーテリングの側面です。空間ビデオには、従来の形式ではできないような方法で、人々を物語により近づける力があると感じました。2つ目は、ジャーナリズムの変化そのものです。私たちは、報道の世界を揺さぶる急激な変化を目の当たりにしています。歴史ある報道機関が姿を消したり規模を縮小したりする一方で、まったく新しい報道や配信、視聴者との関わり方が生まれています。3つ目は、誤情報の増加やAI生成コンテンツの台頭です。私たちは、現場からの本物の報道や、現実の出来事をリアルタイムで記録することの価値が高まっていると信じています。
ジャーナリストは報道機関の中心です。アプリでのユーザー体験は彼らの功績として評価されるべきです。多くのジャーナリストが難しいテーマのニュースを時に危険な状況下で取材し、場合によっては自分たちのコミュニティや近隣で起こっている紛争を記録しています。精神的な覚悟とプロ意識がなければできないことです。
初期のコンセプトについて教えてください.
Baumel氏:最初から、「Primary」は現場で活躍するジャーナリストを軸に作りたいと考えていました。多くの場合、寄稿者はすでに現地で取材を行っています。空間キャプチャはストーリーテリングの追加のレイヤーであり、独立した制作というわけではありません。すでに空間キャプチャ対応のiPhoneを持っている人もいましたが、持っていない場合には、通常の取材活動を続けながら空間キャプチャを行えるよう、私たちがiPhoneを支給しました。

アプリの影響を考えたとき、どのような人々を念頭に置きましたか?彼らをめぐる責任感は、開発過程で行った選択にどのような影響を与えましたか?
Axelrod氏:私たちが最初から意識していたのは、現在の国際ニュース報道に存在するギャップです。日々重要なストーリーが起こっているのに、ほとんど注目されなかったり、すぐに世間から忘れられたりします。人々がそうした場所や出来事をより身近に感じられる方法を作りたいと思っていました。
その方法によって、ストーリーに登場する人々と視聴者の双方に強い責任感が生まれました。報道が現実に根ざし、誠実であり、誇張されていないものにしたいという思いがありました。そんな思いが、私たちが下す多くの決断に影響を与えました。ストーリーテリングはかなり直接的に行い、報道内容に沿うよう努め、取材地を熟知しているジャーナリストと協力しました。
ストーリーを記録するために懸命に努力し、時にはリスクを冒したジャーナリストや寄稿者にも責任を感じました。「Primary」の撮影を担当するジャーナリストの多くは、すでに困難な状況で現地取材を行っていました。私たちにとって重要なのは、彼らの取材内容を視聴者にとって有意義な形で届け、体験してもらうことでした。
アプリのデザインについて「間違いない」と確信したのはどの時点ですか?
Axelrod氏:ストーリーを見始めたユーザーからすぐに反応がありました。単なる報道としてその場所を見るのではなく、本当にその場所にいるように感じるという声がよく聞かれました。そこで、このフォーマットが報道にこれまでとは違ったつながりを生み出せることに気づきました。また、私たちにとって重要なことが明らかになりました。このプロジェクトの核心は、テクノロジーだけにあったわけではありません。最も重要だったのは、リアルな出来事や人間のストーリーをより身近に感じてもらう体験を届けることだったのです。
開発を始めたばかりのデベロッパやデザイナーにアドバイスをお願いします.
Baumel氏:構築しているエコシステムの強みを活かしましょう。さまざまなAppleデバイスが異なる体験を生み出します。そのような体験の連携を考えることで、製品のあり方が大きく変わります。私たちにとっては、iPhone、空間ビデオ、空間オーディオ、AirPods、AirDrop、デスクトップ編集ワークフロー、Apple Vision Proがそれぞれ独立したツールではなく、連携して1つのパイプラインとなりました。アプリを古いメディアの慣習に無理に当てはめるのではなく、各種要素が自然に連携できる方法を理解すること。多くのブレイクスルーがそこから生まれました。
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