開発者インタビュー:Philip Lam

「HomeCourt」はスニーカーの発明以来、バスケットボールの練習に最も大きなインパクトを与えたものだと言えるでしょう。

このAppは、人工知能(AI)と拡張現実(AR)を用いて、バスケットボールの練習プログラムを作ります。ドリブルからのシュート、捕球からのシュート、フリースロー練習などを認識でき、リリース時間やショットの角度、シュート前の動きのスピードを計測。垂直跳びの高さも算出します。練習後すぐにパフォーマンスのグラフやビデオ分析を参照することもできます。測定や分析が好きな人に理想的なAppです。

「HomeCourt」なら、ドリブルスキルをリアルタイムで確認できます。

「HomeCourt」なら、ドリブルスキルをリアルタイムで確認できます。

「HomeCourt」はリアルタイムのコーチングも提供します。コーチが少し離れたところにいても、地球の裏側にいても、iPhoneやiPadのフロントカメラを使って、リアルタイムで指導を受けることができます。

世界中で人々が外出を控えているという現在の状況を受け、「HomeCourt」は5月31日までサービスを無料で提供することにしました。最近の機能アップデートにより、コーチがApp上でバーチャルチームを編成して、プレイヤー、コーチ、保護者がワークアウト、ドリル、競技にリモートで参加できるようになりました。さらにこのAppの制作会社は、校内活動や練習、トーナメントが中止・延期になっているこの時期に、プレイヤーやコーチをサポートする別の方策にも取り組んでいます。

共同創業者のPhilip Lamは、すべての始まりは同社のシュート追跡プロトタイプだったと述べ、次のように語っています。「当初は、特定の状況下でのシュートの軌跡を記録するだけのものでしたが、スマートフォンのカメラ一つでバスケットボールの複雑な動きを追跡できると確信しました」

コート上で即座にフィードバックを受けることができます。

コート上で即座にフィードバックを受けることができます。

現在、同社では香港とカリフォルニア州サンノゼに22人の従業員を擁し、Appを利用するプレイヤーは全世界にいます。

「HomeCourt」の開発プロセスについてLamはこう語ります。

「プロジェクトを始める前、私たちは毎週のように仲間同士でバスケの練習をしていました。そのうち、練習データを記録できたらいいよね、と話すようになりました。誰が一番シュートを決めたか、誰がリバウンドの数が多いか、などをね。そして思いついたんです。携帯のカメラを使えば、それができるんじゃないかって。それが始まりでした」

「世界中のプレイヤーが手に取りやすい価格にするために、HomeCourtをモバイルAppとして設計しました。そして、Stephen Curry選手のテニスボールを使った練習を、インタラクティブなARを使ってシミュレートするアイデアを思いつきました。これが『HomeCourt』のドリブルワークアウトの土台となりました。実際にチームのみんなで使ってみた時には、仲間同士で競い合ったりして大興奮でしたよ」

このように、Appが様々な数値を記録します。

このように、Appが様々な数値を記録します。

「ほかのバスケットボール用トレーニングAppの大半はコンテンツベースです。『HomeCourt』のように、実績あるトレーニング手法とAIによるリアルタイムの分析を組み合わせたシステムは、ほかのモバイルソリューションにはありません」

「2018年半ばに、当社は高度なメトリクス、例えばリリース角度、リリース時間、垂直跳びなどの追跡を行うプロトタイプを製作し、この機能を『ショットサイエンス』と名付けました。当時、最新のiOSデバイスはiPhone Xでした。パワフルではありましたが、ショットサイエンスをリアルタイムで実行し、練習中のプレイヤーにその場で音声によるシュート分析を提供できるほどのパワーはまだありませんでした」

「2018年9月、iPhoneの新しいシリーズがリリースされました。格段にパワーアップして、機械学習アルゴリズムにも対応するようになり、A12 Bionicチップの搭載により、当社のアルゴリズムの動作が6倍高速になりました。アルゴリズムを最適化し、ついにリアルタイムのショットサイエンスを提供できるようになったんです。2018年のApple iPhoneイベントで行ったデモンストレーションは、これまでの道のりにおいて、ひときわ特別な経験となりました」

このデザインスケッチが、やがて「HomeCourt」へと進化していきました。

このデザインスケッチが、やがて「HomeCourt」へと進化していきました。

「保護者の皆さんからは、このAppが、ゲームに匹敵する存在になっているという声が寄せられています。『子どもたちのバスケの練習量がぐんと増えて、ゲームをあまりやらなくなりました。本当に嬉しい』と。私たちも嬉しいかぎりです!」

「もちろん私たちも、バスケの練習は今でも毎週やっています」


App Storeより転載