デザインの裏: 「StaffPad」
2020年7月24日
共同の創設者、研究者であるMatthew Teschの協力を得て、Hearnの夢のAppは「StaffPad」となり、革新的な楽譜へのアプローチを踏み出しました。2015年の発売以来、「StaffPad」は最新のテクノロジーを活用しながら継続的に進化し、2020年の初めには、iPadとApple Pencilに対応するためAppの完全な再編成と再リニューアルが行われました。
「多くの音楽家や作曲家が、シンプルさの中に潜むパワーを高く評価しています。彼らは、音楽だけに集中したいと考えているのです。「StaffPad」のデザインのあらゆる側面は、目に見えるものも目に見えないものも含め、妥協のないアプローチで構築されています」とHearnは言います。かすかなデザインの違いにより、作曲家がAppを使用しようとする際に、作曲家の環境とAppのインターフェイスとの間に一体感が生まれます。メイン画面の背景は天候や時間帯に応じて色が変わり、作曲家たちに心地よい感覚を与え、創造性を発揮しやすい雰囲気を演出しています。
「選択のパラドックスというのは興味深い考え方です。個人的には、数が少なくても厳選された素晴らしい選択肢の方が、質の伴わない大量の選択肢よりも勝っていると思います。デザインをするとき、ユーザーへ提供する選択肢が少なくても、それらが適切であると勇気を 持って信じなければなりません」
David William Hearn, cofounder of StaffPad
作曲インターフェイスは自由形式で、ユーザーを作曲へと誘います。ユーザーがデバイス上で任意の向きで「StaffPad」を使用したり、任意のサイズでズームしたりすることを考慮して、チームは特に、固定されたページレイアウトに反対しました。代わりに、Appは無限にスクロールが可能な、デジタルの楽譜キャンバスを表示します。ユーザーは新しい曲を書き込む前に、特定のスタイルやサイズを選択させられるのではなく、ただ作曲を始めて、エクスポート時に適切なサイズを選択することができます。
「すべての過程で、完璧なピクセルや完璧なレイアウトをコントロールしようと思えばそうすることは確かにできます」とHearnは言います。「しかし、クリエイティブなフローの最中では、改ページや改行のことを考えたくはないでしょう」
「StaffPad」は、コンパニオンAppである「StaffPad Reader」など、ユーザーをサポートする新しい方法を模索し続けています。このAppを使うと、奏者は「StaffPad」にある楽譜をデジタル表示して再生することができます。また、リハーサルや本番中に、音楽の進行に合わせて自動的にページをめくることも可能です。作曲家が「StaffPad」で楽譜を編集または移調した場合、「StaffPad Reader」にもワイヤレスで変更内容が送られ、リアルタイムでパートが再編成されます。
HearnとTeschは、音声入力のインターフェイスをAppに導入するプロセスを始めました。「近い将来、ほとんどのAppで音声が主要な入力方法になると思います」とHearnは言います。「音声入力で、ほぼすべてのコマンドが扱えるようになるでしょう。そして私たちはその使い方をもう知っています」
Apple Design Awardを受賞したことは、チームが奏でる壮大な楽曲の中の1つの音符でしかありません。「やるべきことは、常にたくさんあります」とHearnは言います。しかしここ数年、彼はApp開発とその背後で支えるチームとの連携作業の両方を支援することに喜びを感じてきました。「作曲家は孤独な生き物です」と彼は言います。App開発チームは、それほど孤独ではありません。「主に学んできたことは、まとまりのあるデザインを作成し、そのデザインをチームの人々に説明するために、どのように最善を尽くせばよいのか、ということでした」
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