かわいらしくクリエイティブな、着物キャットの世界

日本のお祭りを思わせるカラフルな背景に、2匹のアニメ風の猫が描かれている、着物キャットのスクリーンショット。

着物キャットは、2匹の猫がデートするかわいらしいアニメ風アドベンチャーゲームで、気軽にプレイできます。元々はクリエイターのGreg Johnson氏が妻へのプレゼントとして作ったものです。「彼女と一緒に遊べるゲームを作りたいと思いました」と、マウイに拠点を置く独立系デベロッパの同氏は語ります。「かわいらしくクリエイティブで、ロマンチックなゲームにしたかったのです。」

この3つの要素すべてを備えた着物キャットは、操作も驚くほど簡単です。Apple Design Awardsのインタラクション部門でファイナリストに選出されたこのゲームは、日本のお祭りを舞台に、ダーツや金魚すくいなどの魅力的なミニゲームが盛り込まれ、できる限りシンプルで気軽に楽しめるようにデザインされています。プレイヤーは上にスワイプすることで、頭上の風船にダーツを投げることができます。風船には、アクティビティや報酬、場合によっては、デートを邪魔する障害物も含まれています。金魚すくいなどのインタラクションジェスチャはシンプルでやりがいがあり、バリエーション豊かなゲームプレイやサイドアクティビティ(2匹の猫のビレッジを作るなど)も、このゲームに見事にマッチしています。

着物キャットのメインゲームプレイ画面を示す2つのスクリーンショット。カラフルなアニメ風の日本のお祭りを舞台として2匹の猫が登場します。

「私は宮崎駿の大ファンで、心に響く、ゆっくりとしたテンポのスタイルが好きです」とJohnson氏は語ります。「着物キャットには、日本文化の暖かさや感謝の気持ちが表れています。」

ゲームからは、それが作り出された背景も見て取ることができます。Johnson氏は1983年からゲームを制作しており、StarfightToeJam and EarlDoki-Doki Universeなどのタイトルを生み出しています。妻のSirena氏はミニチュアハウスの制作者で、着物キャットのビレッジに似たミニチュアの世界を作っています。このゲームのコンセプトは、新型コロナウイルス感染症によるロックダウンが始まった頃、そうした状況に対処しようとする思いから生まれました。「2020年にこのゲームを作り始めたとき、全員が大きな重みとプレッシャーを感じていました」と彼は言います。「私たちは、これが多くの人を和ませる良い薬になると感じていたのです。」

着物キャットの初期のキャラクターを描いた白黒スケッチ。

ゲームの開発を始めるにあたり、Johnson氏はアーティストであり長年の協力者でもあるFerry Halim氏、また、結婚したばかりの2人のデベロッパ、Tanta Vorawatanakul氏とFerrari Duanghathai氏に協力を求めました。「TantaとFerrariは魅力的なかわいいキャラクターを提供し、Ferryはキャラクターの目を動かすなどのアニメーションを追加してくれました」とJohnson氏は言います。「バブルの動く速さ、数、透明感など、バブルのアニメーションは何度も繰り返し調整しました。このゲームは、開発プロセス全体を通じて数多くのテストと意見を反映して作られました。」

2020年にこのゲームを作り始めたとき、全員が大きな重みとプレッシャーを感じていました。私たちは、これが多くの人を和ませる良い薬になると感じていたのです。

Greg Johnson氏、着物キャット

Johnson氏によると、プレイヤーは性別を区別することなくキャラクターを選択できます。彼と着物キャットチームは、開発当初からこの点を重視していました。「デート相手のキャラクターがプレイヤーのキャラクターの頬にキスをすると、空にうっすらと虹が現れます」とJohnson氏は説明します。「これで、猫のキャラクターの性別をユーザーが自由に解釈できるのです。」

着物キャットは、人々に笑顔をもたらすというシンプルな目標を掲げてデザインされました。「バブルに向かってダーツを投げるというコンセプトは、決して驚くようなアイデアではありません」とJohnson氏は語ります。「けれどそれが、これまでになかった、物語に入り込むための方法になり、お祭りの舞台が自然にマッチするのです。」

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「デザインの舞台裏」は、Apple Design Awardsの各受賞者がどのようにデザインを実践しているか、またその哲学を探っていくシリーズです。賞を獲得したアプリやゲームのデベロッパやデザイナーが、どのようにしてその素晴らしい作品に命を吹き込んだのか、ストーリーごとにその舞台裏を覗いていきます。

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