相互運用性に関するリクエスト
Appleにとって、素晴らしい体験の提供を通じて人々の生活を豊かにすることは、デベロッパのみなさんと共有するコアバリューの1つです。デベロッパのみなさんに、すべてのAppleプラットフォーム向けに高品質で多機能なアプリを構築していただけるように、AppleはAPI、ツール、サービスの包括的なエコシステムを提供しています。またAppleは、優れたユーザー体験を確保し、あらゆる段階においてユーザーのプライバシーとセキュリティを保護するための相互運用性の提供についても、デベロッパのみなさんからのフィードバックに積極的に対応しています。その一環として、Apple Developer Programメンバー向けに、iOS/iPadOS機能との新たな相互運用性の提供をリクエストできる専用のフォームをご用意しています。さらに、Developer Supportへの連絡、Apple Developer Forums、フィードバックアシスタントなど、さまざまな方法でAppleのデベロッパ向けのツール、テクノロジー、サービスについてAppleに質問したりフィードバックを送ったりすることができます。
リクエストの送信
Appleは、相互運用性に関するリクエストが実現可能で適切なものかどうかを評価します。基準を満たすリクエストについては、相互運用性ソリューションを開発し、今後のソフトウェアアップデートでリリースします。
事前の確認
リクエストが相互運用性に関連するかどうかを判断するために、ご自身のフィードバックやリクエストの内容に最も当てはまるものを以下から選択してください。
このリクエストは、相互運用性に関するものと思われます。
リクエストを送信するには、お持ちのApple Developer Programのメンバーシップが有効かつ健全な状態であり、かつ最新のApple Developer Program使用許諾契約を締結済みである必要があります。なお、リクエストに関してAppleからご連絡する際は、常にApple Developer ProgramメンバーシップのAccount Holderの方にも送信いたします。
相互運用性をリクエストする機能が複数ある場合、処理が行いやすくなるよう、機能ごとに個別のリクエストを送信してください。
EU内のアプリのデベロッパは、EUデジタル市場法(DMA)第6条7項に基づき、iOS、iPadOS、iPhone、またはiPadに組み込まれているハードウェアおよびソフトウェア機能との相互運用性をリクエストできます。このプロセスについて詳しくは、こちらをご参照ください。
いただいたリクエストに迅速に対応できるよう、リクエストフォームでは可能な限りすべての関連情報をご記入ください。追加情報が必要になった場合は、フィードバックアシスタントを通じてご連絡いたします。
このリクエストは、改善に関するものと思われます。
フィードバックアシスタントからリクエストをご送信ください。改善に関するリクエストの提出方法について詳しくは、フィードバックアシスタントユーザーガイドをご参照ください。
このリクエストは、バグレポートであると思われます。
フィードバックアシスタントからリクエストをご送信ください。バグレポートの提出方法について詳しくは、フィードバックアシスタントユーザーガイドをご参照ください。
仕組み
リクエストが送信されると、送信が正常に完了したことを確認する通知をAppleからお送りします。相互運用性をリクエストする機能が複数ある場合、処理が行いやすくなるよう、機能ごとに個別のリクエストを送信してください。
その後はフィードバックアシスタントを通じてご連絡し、最新のステータス、スケジュール、審査結果をお知らせします。フィードバックアシスタントの専用スペースでは、保留中のリクエストについて、指定されたAppleの連絡担当者にデベロッパから直接連絡することもできます。リクエストの処理は、以下の3つのフェーズを経て行われます。
フェーズ1:適格性の評価
Appleはリクエストの初期評価を行い、当該のOS、基盤となるハードウェア機能、またはシステム統合ポイントに依存する機能に、Appleのサービスまたはアクセサリがアクセスできることを確認します。リクエストの評価に追加情報が必要な場合は、Appleから連絡します。相互運用性ソリューションがすでに存在する場合は、Appleから当該のソリューションに関する既存のドキュメントをご案内します。
フェーズ2:設計
初期評価が完了し、要件を満たすと判断されたリクエストは、Appleのソフトウェア計画プロセスに組み入れられます。このプロセスは毎年実施され、今後のリリースに向けて、ソフトウェアへの導入候補となる機能を評価、設計し、以降のスケジュールを検討します。この評価では、ユーザー体験、セキュリティとプライバシー、プラットフォームにおける優先度、リソースに対する相対的な影響度、デベロッパおよびユーザーによる利用状況を考慮します。相互運用性ソリューションを設計するかどうか、またどのように設計するかを判断する際には、以下をはじめとするさまざまな要素が検討されます。
- セキュリティ:セキュリティに関するレビューの一環として、特に次の事項を検討します。(i)リクエストされた機能へのアクセスが提供されることで、デバイスへのアクセスを狙う悪意ある攻撃者によるリスクにデバイスとユーザーがさらされる可能性があるかどうか。(ii)リクエストされた機能が、ユーザーに対する犯罪や詐欺のリスクを高めるような目的に使用される可能性があるかどうか。
- プライバシー:リクエストがユーザーのプライバシーに与える影響について、特に次の事項を考慮します。(i)リクエストの一部としてアプリがどのようなユーザーデータにアクセスすることを想定しているか。(ii)想定されるデータ収集がユーザーのプライバシーに与える潜在的なリスク、およびユーザーのプライバシーを保護するために実施できる緩和策。
- 特に配慮が必要なユーザーの保護:子どもなどの特に配慮が必要なユーザーに対する潜在的なセキュリティとプライバシー上のリスクを審査し、追加の保護策が必要かどうかを検討します。
- デバイスの完全性:相互運用性の実装によって生じうるデバイスのパフォーマンス面のリスクも考慮します。具体的には、リクエストによってコンピューティング/通信リソースや帯域幅への過度の負荷、システムリソースの過剰な使用(バックグラウンドでのCPUやGPUの過度の使用など)、デバイスのバッテリー駆動時間への影響などが生じないか確認します。
- 安全性:リクエストが違法ギャンブルなどの有害な行為や、詐欺や虚偽表示などの犯罪行為につながる可能性がないか評価します。
- Appleテクノロジー:最後の要素として、リクエストがAppleの独自のツールやテクノロジーに関連する知的財産権上の影響をもたらさないかを検討します。Appleは、自社の所有権を侵害する可能性のあるリクエストを制限し、Appleのツールやテクノロジーへのアクセスに対して料金を請求する権利を保有します。
効果的な相互運用性ソリューションを設計することが実現可能ではない、または適切ではないとAppleが判断した場合は、Appleからその旨をお伝えします。
フェーズ3:実装
その後、適切な相互運用性ソリューションの設計および将来のソフトウェアリリース計画への導入が可能である範囲において、Appleはソリューションを実装します。実装は個別のリクエスト毎に行われます。プレリリース版またはソフトウェアアップデートで相互運用性のリクエストに対応した場合、Appleからお知らせします。加えてAppleは、デベロッパのみなさんが各ソリューションをどのように利用できるかを説明する関連技術ドキュメントを公開します。
Q&A
自社のプロジェクトの複数の要素について効果的な相互運用性が必要な場合、リクエストは1つだけでよいのでしょうか?複数提出する必要がありますか?
プロジェクトにおける、相互運用性に関する個々の要素や機能について、別途個別にリクエストを送信してください。
相互運用性に関するリクエストの最新情報は、どのような方法で提供されますか?
フィードバックアシスタント内の専用スペースで、現在の状況、送信された内容、Appleからの回答など、リクエストに関するすべての関連情報を確認できます。また、フィードバックアシスタントでAppleからの新しい連絡があった場合は通知メールが届きます。
送信済みの相互運用性リクエストについてAppleに問い合わせることはできますか?
Appleから初期評価の結果をお伝えし、追加情報が必要な場合は改めてご連絡します。リクエストが適切と判断され、効果的な相互運用性ソリューションを設計することが適切かつ可能であるとAppleが判断した場合、その旨をお知らせします。Appleからの返信がすぐに届かない場合や、リクエストに関する追加情報を提供していただく必要がある場合は、フィードバックアシスタントのフォローアップ機能でご連絡ください。
相互運用性に関するリクエストと改善のリクエストの違いは何ですか?
相互運用性に関するリクエストは、Appleのサービスやアクセサリで使用されており、かつ自社のアプリやアクセサリでは現在利用できないiOSまたはiPadOSの機能がある場合に、それらの機能へのアクセスをリクエストするためにご送信いただけます。改善のリクエストは、アプリの向上に役立つ新しい機能の提供、APIの改善、またはシステム機能の拡張を希望する場合にご送信いただけます。