ユーザーのプライバシーとデータの使用

App Storeは、世界中の才能あふれるデベロッパが開発したアプリをユーザーが安心して見つけられる、安全かつ信頼できる場所となるように作られています。App Storeで提供されるアプリは、プライバシー、セキュリティ、コンテンツの面で高い基準を満たす必要があります。ユーザーからの信頼を維持することが何よりも重要だからです。新規アプリ、および既存アプリのアップデートを提出するには、アプリにおける特定のデータ収集方針に関する情報をプロダクトページに掲載する必要があります。他社が所有するアプリやWebサイトを横断してユーザーをトラッキングする場合、ユーザーに許可を求める必要があります。

アプリのデータ使用方法の説明

App Storeでは、ユーザーがアプリをダウンロードする前にアプリのプライバシー方針を確認できます。個々のアプリのプロダクトページで、ユーザーはそのアプリが収集するデータの種類を確認できるほか、その情報がユーザーのトラッキングまたは個人やデバイスとの紐付けに使われているかどうかを確認することができます。

新規アプリ、および既存アプリのアップデートを提出するには、プライバシー方針に関する情報をApp Store Connectで提示する必要があります。広告やアナリティクスのSDKなど、サードパーティのコードを使用している場合も、そのサードパーティのコードが収集するデータの種類やその使用方法、そのデータによるユーザーのトラッキングの有無を説明する必要があります。

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新機能

App Storeにアプリを提出する際は、アプリでのユーザーデータの取り扱いについて説明することが重要です。2つの新しいアップデート(サードパーティSDKの署名とプライバシーマニフェスト)により、正確なPrivacy Nutrition Labelsを提供しやすくなり、ソフトウェアサプライチェーンの健全性が向上します。また、Privacy Nutrition Labelsでアプリが収集するデータの種類を説明する際に、選択できるデータの種類が追加されます。

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トラッキングの許可のリクエスト

iOS 14.5、iPadOS 14.5、tvOS 14.5以降では、ユーザーをトラッキングしたり、ユーザーのデバイスの広告識別子にアクセスしたりする際には、AppTrackingTransparency(ATT)のフレームワークを通じてユーザーの許可を得る必要があります。トラッキングとは、自分のアプリで収集したユーザーやデバイスに関するデータを、ターゲット広告や広告効果測定を目的として、他社のアプリやWebサイト、またはオフラインのプロパティから収集されたユーザーやデバイスに関するデータに紐付ける行為を指します。また、ユーザーやデバイスに関するデータをデータブローカーに共有することもトラッキングに該当します。

トラッキングには以下の行為が含まれますが、これらに限定されません。

  • 他社が所有するアプリやWebサイトから収集されたユーザーデータに基づいて、自分のアプリの中でターゲット広告を表示すること。
  • デバイスの位置情報データやEメールのリストをデータブローカーに共有すること。
  • 他のデベロッパのアプリで同一ユーザーをリターゲティングしたり、類似するユーザーを探したりする目的で情報を利用するサードパーティの広告ネットワークに、Eメール、広告ID、その他のIDなどのリストを共有すること。
  • 自分のアプリで収集したユーザーデータを、他のデベロッパのアプリで収集されたユーザーデータと組み合わせてターゲット広告の表示や広告効率測定を行うサードパーティのSDKをアプリに組み込むこと(これら以外の目的でそのSDKを使用する場合も含む)。たとえば、アナリティクスのSDKによって自分のアプリで収集したデータを、他のデベロッパのアプリがターゲット広告を表示するために利用することがこれに該当します。

なお、以下のユースケースはトラッキングとみなされず、AppTrackingTransparencyフレームワークを通じたユーザーからの許可は必要ありません。

  • 自分のアプリで収集したユーザーやデバイスに関するデータとサードパーティのデータとの紐付けがユーザーのデバイス上でのみ行われ、ユーザーやデバイスを特定できるような方法でデバイスの外部に送信されることがない場合。
  • データを共有する相手であるブローカーが、不正行為の検出や防止、またはセキュリティ上の目的でのみデータを使用する場合。たとえば、クレジットカードの不正使用の防止のみを目的とするデータブローカーの利用がこれに該当します。
  • データブローカーが消費者調査機関であり、(1) 消費者の信用情報を報告する、または (2) 融資決定のために限定して消費者の信用情報を得る目的に限り、データをこの消費者調査機関と共有する場合。

AppTrackingTransparencyフレームワークの使用

ユーザーをトラッキングしたり、デバイスの広告識別子にアクセスしたりする許可をリクエストするには、AppTrackingTransparencyフレームワークを使用します。また、システムプロンプトにユーザーをトラッキングする理由を説明した目的文字列を記述する必要もあります。トラッキングを有効にする許可をユーザーから得ない限り、デバイスの広告識別子の値はすべてゼロになります。その場合は、上記の通りユーザーをトラッキングすることはできません。

AppTrackingTransparencyのプロンプトは任意のタイミングで表示できますが、デバイスの広告識別子の値は、プロンプトを表示してユーザーから許可を得ない限り返されません。目的文字列でデータの使用目的を説明し、ユーザーがどのようなデータの共有を許可することになるのかを理解できるようにしてください。ユーザーがアプリからのトラッキングのリクエストを許可したものの、アプリ上でトラッキング設定を無効にしている場合、「設定」へのショートカットを提供することで、当該アプリのトラッキング設定を変更するよう求めることができます。

同一のコンテンツプロバイダが提供する複数のアプリ間でのアナリティクスには、ID for Vendors(IDFV)を使用することができます。この場合、AppTrackingTransparencyフレームワークの使用は必須ではありません。IDFVを他のデータと組み合わせて、他社が所有するアプリやWebサイトとの間でユーザーをトラッキングすることはできません。デベロッパは引き続き、自身によるIDFVの収集と使用が適用法に準拠したものであることに、一切の責任を負うものとします。

詳しくは、以下をご確認ください。

よくある質問

トラッキングに同意しなければ機能を利用できないようにしたり、アプリによるトラッキングの説明画面の中でインセンティブを提示して、ユーザーに同意を促したりすることはできますか?

いいえ。「App Reviewガイドライン」の3.2.2(vi)で禁止されています。

トラッキングの許可を求める画面を表示する前に、トラッキングを許可してほしい理由をユーザーに説明することはできますか?

はい。データの使用方法を明確に説明する限りは許容されます。「App Reviewガイドライン」の5.1.1(iv)の規定により、アプリではユーザーのアクセス許可設定を尊重する必要があります。不要なデータアクセスに同意するようユーザーを巧みに誘導したり、だましたり、強制したりすることはできません。

トラッキングの許可を求める画面でユーザーの許可が得られなかった場合、IDFA以外の識別子(例:ハッシュ化されたEメールアドレスやハッシュ化された電話番号)を使ってユーザーをトラッキングすることはできますか?

いいえ。ユーザーをトラッキングするには、AppTrackingTransparencyフレームワークを通じてユーザーの許可を得る必要があります。

ユーザーがデベロッパのWebサイトでの別のプロセスでトラッキングを許可しているものの、アプリによるトラッキングの説明画面ではトラッキングを許可しなかった場合、他社が所有するアプリやWebサイトでユーザーをトラッキングすることはできますか?

アプリの中でデータを収集してトラッキングに使用する場合は、そのアプリによるトラッキングの説明画面でユーザーの許可を得る必要があります。アプリ以外の場所で収集され、かつ当該アプリに関係のないデータはこの規定の対象外です。

デバイスやユーザーを識別するために、フィンガープリントや、デバイスからの信号を利用したりすることはできますか?

いいえ。Apple Developer Program使用許諾契約に則り、個別のデバイスを特定する目的でデバイスからデータを取得することは許容されません。ユーザーやデバイスのデータには、ユーザーのWebブラウザのプロパティと設定、ユーザーのデバイスとその設定、ユーザーの位置情報、ユーザーのネットワーク接続情報が含まれますが、これらに限定されません。このような行為に関与していることが明らかになったアプリ、またはそのようなSDK(広告ネットワーク、アトリビューションサービスやアナリティクスが含まれるが、これらに限定されない)を参照しているアプリは、App Storeから却下される可能性があります。

不正行為を検出する目的でデータを消費者調査機関と共有し、同時に信用情報の調査や報告を目的としてこの消費者調査機関とデータを別途共有する場合、トラッキングの許可を得る必要はありますか?

いいえ。データブローカーが共有されたデータを使用する目的が、不正行為の検出や防止またはセキュリティ上の目的に限られている場合、ユーザーから許可を得る必要はありません。消費者調査機関にデータを共有し、(1) 消費者の信用情報を報告する、または (2) 融資決定のために限定して消費者の信用情報を得る目的に限り、データをこの消費者調査機関と共有する場合も、ユーザーから許可を得る必要はありません。

ディープリンクまたはディファードディープリンクを作成するためのサードパーティツールを使用する場合、AppTrackingTransparencyフレームワークを使用してユーザーの許可を得る必要はありますか?

はい。アプリで使用しているサードパーティサービスにおいて、ターゲティング広告、広告効果測定、データブローカーとの共有を目的として、異なる会社のアプリ間で一意の識別子を渡したりユーザーの共通IDを作成したりしている場合、AppTrackingTransparencyフレームワークを使用してユーザーに許可をリクエストする必要があります。

アプリに他社のSDKを組み込んでいるのですが、その会社が私のアプリを通じて行うデータ収集やユーザーのトラッキングについても私に責任がありますか?

はい。デベロッパは、自分のアプリ内のすべてのコードに対して責任を負います。自分が書いたコード以外に、アプリで使用されているコードによるデータ収集やトラッキングの内容や方法がわからない場合は、そのSDKのデベロッパに問い合わせることをお勧めします。

アプリに他社が提供しているシングルサインオン機能を組み込んでいるのですが、その会社が行うデータ収集やユーザーのトラッキングについても私に責任がありますか?

はい。デベロッパは、自分のアプリ内のすべてのコードに対して責任を負います。これには、サードパーティが提供しているシングルサインオン(SSO)機能も含まれます。アプリに含まれているSSO機能によってユーザーがトラッキングされる場合は、アプリによるトラッキングの説明画面で事前にユーザーの許可を得る必要があります。

データブローカーとみなされるのはどのような種類の会社ですか?

一部の地域では、データブローカーの定義が法律で定められています。一般に、データブローカーとは、自社と直接的な関係のない特定のエンドユーザーの個人情報を定期的に収集して販売したり、その使用を許諾したり、その他の方法で第三者に開示したりする企業のことを指します。

「トラッキング」ポリシーが適用されるのはどのような識別子やデータですか?

広告、広告効果測定、データブローカーへの共有を目的として、アプリで収集したデータとサードパーティのデータ(アプリで使用されるSDKを含む)を紐付けるために使用される、ユーザーまたはデバイスレベルのすべての識別子です。これには、デバイスの広告識別子、セッションID、フィンガープリントID、デバイスグラフ識別子が含まれますが、これらに限定されません。アプリが上記の目的でこれらの識別子を受け取ったり共有したりする場合は、AppTrackingTransparencyを使用してユーザーの同意を得る必要があります。

トラッキングがアプリ内のWebビューで発生する場合、AppTrackingTransparencyのプロンプトを使用する必要がありますか?

はい。アプリの機能のためにWebビューを使用する場合、アプリのネイティブ機能と同様に取り扱う必要があります。ただし、ユーザーが一般のWebを閲覧できるようにする場合は除きます。

IDFAの値にアクセスするためにAppTrackingTransparencyの許可が必要なのは、どのバージョンのOSですか?

バージョン14.5以降のiOSまたはiPadOSを使用しているユーザーのIDFAの値にアクセスするには、まずAppTrackingTransparencyのプロンプトを通じてユーザーからの許可を得る必要があります。トラッキングに関するその他のガイダンスについては、「App Reviewガイドライン」の5.1.1(iv)を参照してください。

ePrivacyやGDPRなどの規制を遵守するために、他の種類の許可リクエストを追加することはできますか?

はい。公的規制を遵守するための画面を追加することは認められます。ただし、他のプロンプトに対する回答と矛盾する場合でも、AppTrackingTransparencyのプロンプトに対するユーザーの回答は常に尊重する必要があります。ガイドラインの5.1.1 (iv)では、「アプリでは、ユーザーのアクセス許可設定を尊重しなければなりません。不要なデータアクセスに同意するようユーザーを巧みに誘導したり、だましたり、強制したりすることはできません」と規定しています。これには、他の種類の許可リクエストへの回答のみを尊重することにより、AppTrackingTransparencyに対するユーザーの回答を事実上変更する行為が含まれます。サードパーティ製の同意管理プラットフォームを使用して他の種類の許可リクエストを追加することは認められますが、これらに基づいてトラッキングが一切行われないことが条件です。デベロッパは引き続き、ユーザーの識別情報やユーザーのデバイスに紐付けられた情報(ユーザーのトラッキングに使用される情報など)について、自身によるそれらの情報の収集と使用が適用法に準拠したものであることに、一切の責任を負うものとします。

該当地域のプライバシー法令に準拠するために、ATTとは別にアプリでコントロールを提供することはできますか?

はい。該当地域のプライバシー法に準拠するために別のコントロールを提供する場合は、次の点を考慮してください。

  • ユーザーに混乱を与えないよう配慮してください。以前選択したATTがこのコントロールによって無効になるわけではないことを明確に説明します。
  • コンテキストとなる情報を提供してください。可能であれば、ユーザーのATTのステータスを追加のコントロールの一部として表示して、ユーザーが以前選択した内容がわかるようにします。
  • 選択内容を明確にしてください。ユーザーがATTの権限を許可しておらず、ATTの範囲を超えた追加データの使用を許可していない場合は、それ以上のアクションは必要ないことを明確に説明します。ユーザーがATTの権限を許可している場合は、追加のコントロールがATTの選択にどのような影響を与えるかを明確にする必要があります。

アプリのインストールのアトリビューション

広告主は、業界をリードするAppleのプライバシー保護技術であるSKAdNetworkおよびPrivate Click Measurementを使用して、ユーザーのプライバシーを保護しながら、アプリ内広告キャンペーンおよびモバイル上のWeb広告をアトリビュート(属性付け)することができます。

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