ARKit 3.5の紹介

ARKit 3.5では、iPad ProのLiDARスキャナと深度検出システムを使って、これまでにないほどリアルなAR体験を作り出せます。新しいシーンジオメトリAPIによって周囲の環境の3D表現をリアルタイムにキャプチャできるほか、仮想オブジェクトに対しオブジェクトオクルージョンや現実世界の物理シミュレーションを活用することができます。ARKitで構築されたすべてのAR体験は、新しいARでの即時のオブジェクト配置、強化されたモーションキャプチャとピープルオクルージョンといったメリットを自動的に利用できるようになります。

シーンジオメトリ

シーンジオメトリでは、周囲のスペースの地形図を作成し、床、壁、天井、窓、ドア、座席などを認識してラベルを付けることができます。このように現実世界を深く認識することによって、仮想オブジェクトに対しオブジェクトオクルージョンや現実世界の物理シミュレーションの適用が可能になり、ARのワークフローを強化するための情報をより多く入手することができます。

インスタントAR

iPad ProのLiDARスキャナを使えば、平面を驚くほどすばやく検出でき、スキャンなしでARオブジェクトを現実世界にすみやかに配置することができます。このARでの即時のオブジェクト配置は、ARKitで構築されたすべてのAppに対して、iPad Pro上で自動的に有効になります。コードを変更する必要はありません。

強化されたモーションキャプチャとピープルオクルージョン

iPad ProARKit 3.5では、ピープルオクルージョンでの深度測定と、モーションキャプチャでの高度測定がさらに正確になりました。iPad Proでは、ARKitで構築されたすべてのAppでこれら2つの機能が向上します。コードを変更する必要はありません。

ARKitの機能の詳細

ピープルオクルージョン

ARコンテンツが現実世界に実在する人の前や背後を通り過ぎるといったことを実現できます。これにより、AR体験がより臨場感あふれるものになり、ほとんどすべての環境でグリーンスクリーンのような効果を得ることも可能になります。

モーションキャプチャ

人の動きを1つのカメラを使ってリアルタイムにキャプチャできます。体の位置と動きを関節と骨の連続体として認識することで、動きと姿勢をAR体験の入力として使用し、ARの中心に人物を配置することができます。

フロントカメラとバックカメラの同時使用

フロントカメラとバックカメラでフェイストラッキングとワールドトラッキングを同時に使うことで、新しい可能性が広がります。たとえば、顔だけを使用して、バックカメラビューのARコンテンツを操作することが可能です。

複数のフェイストラッキング

iPhone X、iPhone XSiPhone XS Max、iPhone XRiPad Proに搭載されているTrueDepthカメラを使用することで、ARKitのフェイストラッキングで同時に最大3人の顔をトラッキングすることができます。これにより、ミー文字やSnapchatのような、フロントカメラを利用した体験をさらにパワーアップさせることができます。

共同セッション

複数の人による共同セッションを通して、共同でワールドマップを作成することができます。これにより、AR体験の構築期間が短縮され、ユーザーはマルチプレイヤーゲームのような共有AR体験を簡単に得ることができます。

その他の改善点

最大100枚の画像を一度に検出して、画像内のオブジェクトの物理サイズを自動的に測定することができます。複雑な環境におけるオブジェクト認識能力が向上したため、3Dオブジェクトをより確実に検出できるようになりました。また、機械学習を使用することで、環境内の平面検出がこれまで以上に高速になりました。