Apple Developer Programへの切り替え

Apple Developer Enterprise Programは、セキュアな社内システムやモバイルデバイス管理ソリューションを使用して、非公開のアプリを従業員に直接配信する場合など、特定のユースケースを対象としています。このプログラムがメンバーに適したプログラムであることを確認するため、メンバーシップの有効期限が近づくと、Account Holder(アカウントホルダー)は、組織、ソフトウェア、配信方法に関する詳細情報を提出するよう求められます。組織がこのプログラムの利用条件を満たさない場合や、このプログラムが組織に適していないと判断された場合は、メンバーシップをApple Developer Programに切り替えた上、引き続き非公開でアプリを配信することができます。

配信方法

Apple Developer Programのメンバーは、以下の方法でアプリを非公開で配信することができます:

  • Apple Business Manager
    アプリを特定の企業に一括配信できます。
  • Apple School Manager
    アプリを特定の教育機関に一括配信できます。割引価格を設定することもできます。
  • Ad Hoc配信
    Ad Hocプロビジョニングプロファイルを使用してデバイスでアプリを実行できます。
  • 非表示アプリの配信
    特定の組織やユーザーに向けてApp Storeでアプリを配信できます。
  • TestFlight
    アプリのベータ版を最大10,000人のテスターに提供し、フィードバックを受けることができます。

メンバーシップを切り替える方法

登録:ソフトウェアや新しいシステム経由での配信の設定、App Reviewなどに必要な時間を確保するため、メンバーシップの有効期限が切れる前に、早めにApple Developer Programに登録することをおすすめします。なお、Apple Developer Enterprise Programのメンバーシップに使用したIDとは異なるApple IDを使用して登録する必要があることに注意してください。組織として登録する方法について詳しく

更新の拒否:Account Holderは、Apple Developerアカウントに表示される更新バナーで「Decline(拒否)」をクリックする必要があります。別の方法として、Account Holderが更新に必要な情報を提出しなかった場合、有効期限日になった時点でApple Developer Enterprise Programのメンバーシップが自動的に終了します。有効期限が切れた後も、ソフトウェアは90日間にわたって引き続き配信されます。

既存のアプリの管理

Apple Developer Programのメンバーになった時点で、App Store Connectを使用してアプリの新しいバンドルIDを作成し、アプリを再公開し、App Reviewに提出してください。このプロセスの中で、アプリの提供範囲を「非公開」に設定し、アプリをダウンロードできる組織を指定することができます。

バンドルID

2つの異なるデベロッパプログラムで同一のバンドルIDは使用できないため、一意のバンドルIDでアプリを再度識別する必要があります。

エンタイトルメント

重要なアラートやCarPlayなどのエンタイトルメントは、デベロッパアカウントに関連付けられています。Apple Developer Enterprise Programのメンバーとしてエンタイトルメントを付与されている場合は、Apple Developer Programのメンバーとして、それらを再度申請する必要があります。

App Review

Apple Developer Programではアプリを外部の組織に配信することもできるため、アプリをApp Reviewガイドラインに準拠させて、すべてのユーザーが安全に利用できるようにする必要があります。審査に向けて準備する方法を確認し、よくある却下の理由に該当しないよう確認してください。ほとんどの場合、アプリの審査は24〜48時間以内に完了しますが、重要なアップデートを提出する場合は、審査の優先処理をリクエスト(英語)できます。

ユーザーの移行

現在、アプリをApple Developer Enterprise ProgramからApple Developer Programへと移行する際に、アプリバイナリ、App ID、アプリエンタイトルメント、App Sandboxのデータを移行する方法はありません。これは、既存のアプリを新しいカスタムアプリとして再ビルド、再公開、および再導入する必要があることを意味します。またユーザー側では、まったく新しいアプリをインストールする場合と同様に、サインイン、設定、アプリのローカルデータのダウンロードを行う必要があります。

カスタムアプリの配信についてさらに詳しく