macOS SDKの新機能

Mac向けのApp構築に使用するツールキットであるmacOS SDKで利用できる主なテクノロジーや機能についてご確認ください。リリースされている最新バージョン(各ベータ版リリースを含む)でのAPIの変更点について詳しくは、macOSリリースノート(英語)を参照してください。

macOS 11

macOS 11 SDKでは、再設計されたユーザーインターフェイス、通知センターのウィジェット、新しいSwiftUIレイアウトをAppで活用することができます。機械学習においては、トレーニングできる状態のモデルにスタイル変換やアクション識別の機能が追加され、CloudKitベースの展開のためのソリューションが利用可能になりました。追加されたVision APIを活用することで、Appで画像やビデオをより深く分析できます。また、EメールやWebサイトにマークアップを含めることで、Siriのイベント提案機能による、イベントの通知が可能になりました。さらに、ブラウジング体験をより細かくカスタマイズできるWeb ExtensionがSafariに追加されたほか、他のブラウザでのWebの使用データもスクリーンタイムとして換算できるようになりました。

新しいユーザーインターフェイス

macOS 11ではユーザーインターフェイスが刷新され、使い勝手と親しみやすさが向上し、iPadOSとの統一感も向上しています。システムが提供するコントロールを使用している既存のmacOS向けのほとんどのAppには、自動的に新しい外観が適用されます。Appにカスタムの外観を用いている場合は、「macOS Human Interface Guidelines(英語)」を参照し、引き続きユーザーを魅了できるようAppをアップデートする方法についてご確認ください。

AppKitでは、アラート、ブラウザ、ボタン、メニュー、検索フィールド、セグメントコントロール、ツールバーといったインターフェイス要素への様々な変更が導入されています。詳しくは、「AppKitリリースノート(英語)」を参照してください。

App Storeのプライバシー情報

プライバシーの保護はmacOS全体のユーザー体験における基盤となっており、Mac App Storeで新たに表示されるプライバシー情報により、ユーザーは自分の個人情報がどのように取り扱われるかについてより詳しく把握し、管理できるようになります。今年後半には、プライバシーに対するAppの仕様をユーザーがMac App Store上で確認しやすくなります。デベロッパには、Mac App Storeのプロダクトページに掲載されるプライバシーに関する仕様の情報を、App Store Connectに入力することが求められます。

ウィジェット

ウィジェットを使うと、Appからのタイムリーな情報を、macOSの通知センターで一目ですばやく確認できます。macOS 11では、ウィジェットの体験が刷新されました。Appのウィジェットを複数のサイズで表示できるようになり、ユーザーがカスタマイズすることもできるようになりました。インタラクティブな機能を取り入れたり、適切なタイミングでコンテンツを更新したりすることもできます。ウィジェットの設計について詳しくは、「Human Interface Guidelines(英語)」を参照してください。Appをウィジェットに対応させる方法について詳しくは、WidgetKit(英語)フレームワークに関するドキュメントを参照してください。

Mac Catalyst

Mac Catalystで構築したAppには、macOS 11の新しい外観が自動的に反映され、Mac画面のネイティブ解像度をフルに活用することができます。macOS 11には、キーボード、メニュー、ツールバー、カラーパネルなどの新しいAPIや強化されたAPIが用意されており、Appの外観や動作をより細かくコントロールできます。インターフェイスの各ピクセルおよびプルダウンメニューやチェックボックスといったMac特有のコントロールをフルに管理する方法について詳しくは、「Mac用Appのユーザーインターフェイスイディオムを選択する(英語)」を参照してください。iPad用AppのMacバージョンの開発について詳しくは、Mac Catalyst(英語)に関するドキュメントを参照してください。

機械学習

macOS 11に盛り込まれたアップデートは、機械学習Appに新たな機能、柔軟性、セキュリティをもたらします。Core MLに追加されたモデル展開機能では、CloudKitを使ったモデルのホスティングや展開のためのダッシュボードが利用できるため、Appをアップデートしたり、自分でモデルをホスティングしたりしなくても、モデルを簡単にアップデートすることができます。また、Core MLのモデル暗号化機能を利用すると、モデルのセキュリティがさらに高まり、暗号化のプロセスやキーの管理が自動で行われるようになります。Core MLコンバータでは、PyTorchのモデルをCore MLに直接変換することができます。

そして、Create ML Appの新しい Style Transferテンプレートを使うと、リアルタイムで写真やビデオのスタイルを変換することができ、新しいAction Classificationテンプレートでは、ビデオクリップ内の1人の人物のアクションを識別できます。Object DetectionやWord Taggerのテンプレートには新しい転移学習のオプションがあり、トレーニング用のデータが限られている場合でもモデルの正確性を確保できます。トレーニングのコントロールは、モデルのトレーニング中にモデルの内容を検討し、操作するのに役立ちます。また、ML Computeでは、GPUを活用してMac上でのトレーニングを迅速に進められます。詳しくは、Core MLCreate MLML Compute(英語)に関するデベロッパ向けドキュメントを参照してください。

Vision

macOS 11では、ビデオ内での軌道検出、画像やビデオ内での手や体の姿勢の推定、画像やビデオ内での物体の端や特徴を追跡する輪郭検出、連続したビデオフレーム間の動きのパターンを判別するオプティカルフローに対応したAPIが、Visionフレームワークに追加されました。これらの機能について詳しくは、Vision(英語)フレームワークに関するドキュメントを参照してください。特に、「スポーツ分析向けに機能豊かなAppを開発する(英語)」で、これらの機能がサンプルAppの中でどのように扱われているかをご確認ください。

Natural Language

Natural Languageフレームワークにも新しいAPIが追加され、任意の文字列のベクトル表現を作成する文章埋め込み、単語のタグ付けによる自然言語識別モデルのトレーニング、特定のドメインに合わせたカスタマイズ、フレームワークの予測を評価する信頼度スコアが利用できるようになりました。詳しくは、Natural Language(英語)フレームワークに関するドキュメントを参照してください。

SwiftUI

SwiftUIでは、プログレスインジケータやテキストエディタなど、厳選された新しい組み込みのビューを利用できるようになりました。さらに、グリッドやアウトラインといった新しいビューレイアウトにも対応しています。グリッドおよびスタックの新たな遅延バージョンでは、必要な場合にのみ項目が読み込まれます。

Xcode 12以降、App全体の構造や動作をSwiftUIで定義できるようになりました。Appのユーザーインターフェイスを定義するビュー階層を含むシーンからAppを作成しましょう。メニューコマンドの追加、ライフサイクルイベントの処理、システムアクションの実行、すべてのAppを対象としたストレージ管理を行うこともできます。また、AppにWidgetKitを組み込むことにより、ウィジェットを作成して、iOSのホーム画面またはmacOSの通知センターから重要なコンテンツに直接すばやくアクセスすることも可能になります。詳しくは、「Appの構造と動作(英語)」を参照してください。

Safari Web Extension

ユーザーは、デベロッパが開発したExtensionによる新しい機能や特長を追加して、Safariをカスタマイズすることができます。デベロッパは、Safari内のSafari Web Extension(英語)や、他のブラウザで好評なExtensionをSafari向けに簡単に変換できる移行ツールを利用できるようになりました。Safari Extensionではユーザーがプライバシーを管理できるようにもなり、ユーザーはどのサイトにExtensionの使用を許可するかを決定でき、その使用を1回のみ、一日中、あるいは常に許可するかどうかを設定することができます。Mac App Storeに新しく用意される「Extension」カテゴリでは、エディターによるおすすめやランキングと共にSafari Extensionが紹介されます。

App内課金アイテムのファミリー共有

ファミリー共有を使うと、ユーザーはサブスクリプションや購入アイテムなどを、家族のメンバーとシンプルな方法で共有することができます。macOS 11では、App内課金アイテムおよびサブスクリプションを家族全体で楽しめるように、ファミリー共有を提供するオプションが選べるようになりました。SKProduct(英語)およびSKPaymentTransactionObserver(英語)を参照して、新しいAPIをご確認ください。

デバイスドライバ

DriverKit(英語)フレームワークには、ユーザーがMacにインストールするデバイスドライバの作成をサポートする新機能が追加されました。DriverKitフレームワークで開発されたドライバは、Kernel Extensionとしてではなくユーザー空間で実行されるため、システムのセキュリティと安定性が向上します。また、macOS 11では、SCSIプロトコルベースのデバイス向けのドライバを開発するためのSCSIControllerDriverKit(英語)フレームワークが導入されています。

Uniform Type Identifiers

新しいUniform Type Identifiers(英語)フレームワークを使うと、転送するファイル形式やペーストボードなどのメモリ内のデータを説明したり、ディレクトリ、ボリューム、パッケージなどのリソースを指定したりすることができます。

Accessibility

新しいAccessibility(英語)フレームワークを使うと、状況に合わせて、アクセス可能なコンテンツのサブセットをAppがユーザーに動的に配信できるようにします。

ファイル圧縮

新しいApple Archive(英語)フレームワークを使うと、macOSでディレクトリ、ファイル、データを高速なマルチスレッド処理で可逆圧縮することができます。

Screen Time

macOS 11には、Webの使用状況データを共有したり、保護者が加える変更を監視したりするためのScreen Time APIが用意されています。詳しくは、Screen Time(英語)フレームワークに関するドキュメントを参照してください。