はじめに
App Storeのガイドラインの原則はシンプルで、ユーザーが安全にアプリを入手でき、すべてのデベロッパが成功するためのすばらしい機会を提供することです。私たちはApp Storeを提供することでこれを実現しています。すべてのアプリがエキスパートによって審査され、ユーザーが毎日新しいアプリを発見できるようエディターチームが高度にキュレーションを行っています。また、ユーザーの安全、セキュリティ、プライバシーに影響を及ぼす可能性のあるマルウェアやその他のソフトウェアがないことを確認するため、各アプリを検証しています。このような取り組みを通じて、Appleのプラットフォームは世界中のユーザーにとって最も安全なプラットフォームとなっています。
欧州連合(EU)内においては、デベロッパは代替アプリマーケットプレイスを通じて、または自らのWebサイトで直接、公証済みのiOSおよびiPadOSアプリを配信することもできます。詳細については、代替アプリマーケットプレイス、Web配信、iOSおよびiPadOSアプリの公証の各記事をご確認ください。なお、本ガイドラインの左側のメニューで「公証に関するReviewガイドラインのみをハイライトする」をクリックすると、iOSおよびiPadOSアプリの公証に適用される条項を確認できます。
また、それ以外でもいつでもオープンインターネットをご利用いただけます。App Storeのモデルとガイドライン、または代替アプリマーケットプレイスとiOSおよびiPadOSアプリの公証がご自身のアプリやビジネスモデルにとって最適ではない場合でも、AppleではSafariを通じて優れたWeb体験を提供しています。
このページでは、ガイドラインを「安全性」「パフォーマンス」「ビジネス」「デザイン」「法的事項」という5つの主なセクションに分類しています。ユーザーやApple製品のニーズに対応できるよう、App Storeには常に変更や改善が加えられています。そのため、App Storeでアプリを提供し続けるためには、デベロッパのアプリにも変更や改善が求められます。
Appleのプラットフォームでアプリを配信する際の注意点を以下に記載します。
- 多くの子どもが、さまざまなアプリをダウンロードしています。子ども達の安全のためには機能制限(ペアレンタルコントロール)がとても役に立ちますが、皆さまにもそのために果たすべき役割があります。Appleでは常に子どもの安全にも配慮している点にご留意ください。
- App Storeではアプリを世界中の何億もの人々に届けることができます。家族や友達に見せるために開発するアプリをApp Storeで公開するのは、最善ではありません。Xcodeを使用して無料でアプリをデバイスにインストールするか、Apple Developer Programメンバーにご利用いただけるAd Hoc配信をご検討ください。Appleプラットフォームでの開発をこれから始める方は、まずApple Developer Programの詳細をご確認ください。
- アプリの品質が高く、ユーザーの多様な意見に敬意が払われている限り、App Storeではあらゆる見解を自由に公開することができます。Appleでは、そのコンテンツや挙動が許される限度を超えていると考えられるアプリを却下します。では、その限度とは何でしょうか。それを説明するには、最高裁判所の判事がかつて述べた、「見ればわかる」という言葉がヒントになります。もしその限度を超えたときは、本人がそのことを一番知っているはずです。
- システムに対して不正行為(審査プロセスに対する不正、ユーザーデータの不正取得、他のデベロッパが作成したアプリのコピー、アプリの評価やApp Storeでの発見性の不正操作など)があった場合、そのデベロッパのアプリはApp Storeから削除され、デベロッパはApple Developer Programから除名されます。
- デベロッパは、アプリがすべての点において本ガイドラインに準拠していることを確認する責任があります。広告ネットワーク、分析サービス、サードパーティ製のSDKも含め、注意深く検証して選択するようにしてください。
- デベロッパに一般提供されていない機能やテクノロジーの一部は、限定的なユースケースにおいて、エンタイトルメントが付与される場合があります。たとえば、CarPlayオーディオ、ハイパーバイザ、特権ファイルの操作についてはエンタイトルメントを付与しています。
本ガイドラインが、審査プロセスの通過に役立ち、承認と却下の決定における一貫性を保つ一助となることを願っています。この文書は今後変更される可能性があります。新しいアプリの開発により新しい疑問が生じることもあり、その場合は随時新しい規定が追加される可能性があります。そのような変化を生み出すのは皆さまのアプリかもしれません。Appleは変化を歓迎し、デベロッパの成果に敬意を表します。デベロッパの皆さまが才能を発揮し、同時に十分な収益を得ることができる、世界でもっとも優れたプラットフォームを実現するため、Appleは全力で取り組んでいます。
提出前
App Reviewをできるだけ円滑に進めるため、以下に挙げるような、審査プロセスを遅らせる原因または却下の原因となるものをあらかじめご確認ください。このリストはガイドラインの代わりになるものではなく、承認を保証するものでもありませんが、最初にリストの全項目をご確認いただくことをお勧めします。正常に機能しなくなったアプリや、サポートされなくなっているアプリは、App Storeから削除されます。App Storeの改善について詳しくは、こちらでご確認ください。
以下についてご確認ください。
- アプリのクラッシュとバグをテストする
- アプリのすべての情報とメタデータが完全で正確であることを確認する
- App Reviewからの連絡が必要になった場合に備え、デベロッパの連絡先情報を最新のものに保つ
- App Reviewがアプリにフルアクセスできるようにする:アプリがアカウント情報をベースにした機能を含む場合は、有効なデモアカウントまたは全機能を使用できるデモモードを用意します。アプリの審査に必要となる可能性があるその他のハードウェアやリソース(ログイン情報やサンプルQRコードなど)についても用意してください。
- 審査の際に使用できるよう、バックエンドサービスを有効にする
- App Reviewの「メモ」欄に、わかりにくい機能やアプリ内課金の詳細な説明を明記する(該当する場合はサポート文書なども含む)
- アプリが以下に例を挙げる文書のガイダンスに従っていることを確認する
デベロッパ向けドキュメント
デザインに関するガイドライン
ブランドとマーケティングに関するガイドライン
のアイコンが表示されているガイドラインは、EUにおけるiOSおよびiPadOSアプリの公証に適用されます。
1. 安全性
App Storeからアプリをインストールする際、ユーザーはそのアプリが不適切または不快なコンテンツを含まず、デバイスを損傷することがなく、利用に際して物理的な危害を生じさせない、安全なものであることを期待します。主な注意点を以下にまとめますが、デベロッパがユーザーを動揺させたり不快な気持ちにさせたりすることを目的としている場合、App Storeでアプリを配信することはできません。こうした規定の一部は、iOSおよびiPadOSアプリの公証にも適用されます。
- 1.1 不適切なコンテンツ
アプリに不適切なコンテンツ、無神経なコンテンツ、動揺させるコンテンツ、嫌悪感を与えるコンテンツ、極めて悪趣味または不快なコンテンツを含めることはできません。以下は、そのようなコンテンツの例です。
- 1.1.1 宗教、人種、性的指向、性別、出身国/民族、その他特定のグループへの偏った言及または解釈など、中傷的、差別的、悪意のあるコンテンツ。特に、アプリによって特定の個人またはグループが侮辱される、脅迫される、損害を被る可能性がある場合。この要件は通常、専門家による政治風刺/ユーモアには適用されません。
- 1.1.2 人間または動物の殺害、負傷、拷問、虐待のリアルな描写。または暴力を助長するようなコンテンツ。ゲーム上の「敵」を、特定の人種や文化、実際の政府や企業、その他の実在する事業体として設定することは許可されません。
- 1.1.3 武器や危険物の違法使用や配慮に欠けた使用を助長するような表現、または銃や弾薬の購入を助長するような表現。
- 1.1.4 「美的または情緒的な感覚ではなく、性的興奮を引き起こすような、性器または行為の明確な記述または表示」と定義される、あからさまに性的またはわいせつなコンテンツ。これには、ポルノグラフィを含む、または売買春、人身売買、搾取を幇助するために使われる「出会い系」やその他のアプリも含まれます。
- 1.1.5 扇動的な宗教的解釈、不正確もしくは誤解を招くような宗教的文書の引用。
- 1.1.6 偽の位置追跡情報などの不正確なデバイスデータまたはトリック/ジョークの機能を含む、偽情報/不正確な情報および機能。アプリが「娯楽用」と明記されている場合も、このガイドラインは適用されます。匿名またはいたずら目的で、電話やSMS/MMSメッセージ送信を可能にするアプリは却下されます。
- 1.1.7 最近または現在の事象(暴力的な紛争、テロ攻撃、感染症など)を収益化する、または収益を得ることを意図した有害な概念。
- 1.2 ユーザー生成コンテンツ
ユーザ生成コンテンツを含むアプリでは、知的財産の侵害や匿名のいじめなどを含む、特殊な問題が生じることがあります。悪用を防ぐため、ユーザー生成コンテンツやソーシャルネットワーキングサービスを含むアプリは以下を備えている必要があります。
- 不適切な内容がアプリに投稿されることを防ぐ手段
- ユーザーが不適切なコンテンツを報告し、それに対して迅速に対応することができる仕組み
- 不適切な言動を行うユーザーをブロックする機能
- ユーザーがすみやかに連絡できる、デベロッパの連絡先情報
わいせつなコンテンツ、チャットルーレットスタイルのサービス、実在する人物を対象にしたもの(「美しいかそうでないか」の投票など)、身体的な脅威、嫌がらせなどが主な目的として使用されるようなユーザー生成コンテンツまたはサービスを用いるアプリは、App Storeでは許可されず、事前の予告なく削除される場合があります。Webベースのサービスのユーザー生成コンテンツを含むアプリで、コンテンツがデフォルトで非表示になっており、ユーザーが当該Webサイトで表示をオンにしたときのみ、成人向けの「職場閲覧不適切」コンテンツでも偶発的に表示されるものであれば、認められる場合もあります。
- 1.2.1 クリエイターコンテンツ
「クリエイター」と呼ばれるユーザーの特定コミュニティが作成したコンテンツを提供するアプリの場合、適切なモデレーションにより、優れた体験を生み出すことができます。そのようなアプリは、デベロッパではないクリエイターが提供する多種多様なコンテンツを一か所にまとめて、ユーザーが楽しめる場を提供し、同時に、これらのコミュニティがユーザー生成コンテンツを作成、共有し、収益化するためのツールやプログラムを提供するものです。これらのコンテンツは、この種のネイティブアプリの主要な機能に変更を加えるものではなく、体系化されたアプリの体験に新たなコンテンツを加えるという形で提供されるべきです。クリエイターコンテンツは、デベロッパがコーディングしたネイティブのアプリ自体ではなく、アプリ内で提供されるコンテンツであり、App Reviewではユーザー生成コンテンツとして取り扱われます。クリエイターコンテンツの例として、ビデオ、記事、オーディオの他、簡単なゲームなどがあげられます。App Storeでは、これらのユーザー生成コンテンツを提供するアプリを配信することができます。ただし、ユーザー生成コンテンツのモデレーションに関するセクション1.2、および支払いとアプリ内課金に関するセクション3.1.1を含む、本ガイドラインのすべての条項に準拠している必要があります。クリエイターコンテンツを提供するアプリの年齢制限指定には、アプリ内で利用できるコンテンツの年齢制限の中で最も高い年齢を設定し、また、どのコンテンツには追加購入が必要かをユーザーに伝えるようにしてください。
- 1.3 「子ども向け」カテゴリ
「子ども向け」カテゴリでは、子ども向けに制作されたアプリを簡単に見つけることができます。「子ども向け」カテゴリに参加する場合は、子どもにとって良い経験を提供できるアプリの制作に注力してください。これらのアプリでは、アクセスに保護者の承認が必要な部分を除き、アプリ外へのリンク、課金要素、その他子どもに不向きなコンテンツを含めることはできません。アップデートで「子ども向け」カテゴリのアプリからそのカテゴリを外すことにした場合でも、ユーザーはそのアプリが「子ども向け」カテゴリの要件を満たしていることを期待するため、引き続き「子ども向け」カテゴリのガイドラインに従う必要があります。詳しくは、「ペアレンタルゲート」の情報をご確認ください。
子どもからデータをオンラインで収集することに関して、世界各地で適用されるプライバシー保護法に準拠する必要があります。詳しくは、このガイドラインの「プライバシー」のセクションをご参照ください。さらに、「子ども向け」カテゴリのアプリでは、個人を特定できる情報またはデバイス情報をサードパーティに送信することはできません。また、「子ども向け」カテゴリのアプリには、サードパーティ製の分析機能や広告を組み込むことはできません。これにより、子ども達にとって、より安全な環境を提供することができます。特定のケースに限り、サードパーティ製の分析機能を組み込むことが許可される場合もあります。その場合、対象のサービスが、IDFAまたは子どもを特定できる情報(名前、生年月日、メールアドレスなど)、位置情報、デバイス情報を収集または送信しないことが条件となります。そうした情報には、直接的にまたは別の情報と組み合わせることによってユーザーおよびユーザーのデバイスの特定につながる、デバイス情報、ネットワーク情報、その他の情報が含まれます。限られたケースでは、サードパーティのコンテンツ連動型広告を組み込むことが許可される場合もあります。この場合は、そのサービスが、「子ども向け」カテゴリのアプリに対する手法およびポリシーに関する文書を公開していることが条件となり、その手法やポリシーには、広告素材が年齢に応じた適切なものであることについて、人による審査を実施することが定められている必要があります。
- 1.4 物理的な危害
アプリの挙動によって物理的な危害が生じる可能性がある場合、そのアプリは却下されます。以下に例を挙げます。
- 1.4.1 不正確なデータまたは情報を提示する可能性がある医療用アプリや、患者の診断や治療に使用される可能性がある医療用アプリは、特に厳しく審査されます。
- 健康に関する測定値の精度を立証できるよう、データや手法を明確に公開する必要があります。精度や手法の有効性が確認できない場合、そのアプリは却下されます。たとえば、デバイスのセンサーのみを使用して、レントゲン写真を撮影したり、血圧、体温、血糖値、血中酸素濃度を測定したりできると主張するアプリは許可されません。
- ユーザーに、医療上の判断においてはアプリの使用だけに頼らず、医師の診断が必要であることを通知する必要があります。
医療用アプリが規制当局の認可を受けている場合は、アプリと合わせて該当する文書へのリンクを提出してください。
- 1.4.2 薬物の用量算出アプリは、製薬会社、病院、大学、健康保険会社、薬局、その他の許可を得た事業体によって提供されているか、FDAまたは各国の同等機関により承認されていることが必要です。Appleでは、患者への潜在的な悪影響を考慮して、アプリが長期間にわたってサポートされ、アップデートされることを確認する必要があります。
- 1.4.3 たばこや電子タバコ(関連製品を含む)、違法薬物、過度のアルコールの摂取を助長するアプリは許可されません。未成年者によるこれらの摂取を促すアプリは却下されます。また、規制薬物の販売(許認可を受けた薬局、または許認可済みかその他の合法的な大麻ディスペンサリによる販売を除く)、およびたばこの販売を幇助することは認められません。
- 1.4.4 アプリでは、法執行機関によって公開されている飲酒・薬物の影響下での運転の検問所のみを表示し、決して飲酒運転やスピード超過などの危険な行為を助長してはなりません。
- 1.4.5 アプリで、ユーザーに賭け事やチャレンジなどへの参加を促すことや、ユーザー本人または他人に物理的危害を与えかねないデバイスの使用を促すことはできません。
- 1.5 デベロッパ情報
質問やサポートに関する問題について問い合わせるため、デベロッパへの連絡方法がユーザーに明示されている必要があります。アプリの中で、またサポートURLによって、デベロッパに簡単に連絡できるようにしておく必要があります。これは、授業で使用するアプリの場合、特に重要です。正確で最新の連絡先情報を記載していない場合は、ユーザーが不快な思いをするだけでなく、国や地域によっては法律違反となります。またウォレットパスは、発行者の有効な連絡先情報が記載され、パスのブランドまたは商標の所有者に割り当てられた専用の証明書を使用して署名されている必要があります。
- 1.6 データのセキュリティ
アプリでは、Apple Developer Program使用許諾契約および本ガイドライン(詳しくはガイドライン5.1を参照)に従って、収集されたユーザー情報を適切に取り扱い、サードパーティによる不正な使用、開示、アクセスを防ぐため、適切なセキュリティ対策を施す必要があります。
- 1.7 犯罪行為の報告
犯罪行為の疑いがある活動を報告するためのアプリは、現地の法執行機関による協力や関与を得たものである必要があり、そのような協力や関与が実施されている国や地域でのみ提供できます。
3. ビジネス
App Storeでアプリによって収入を得る方法は数多くあります。ご自身のビジネスモデルが明白でない場合は、メタデータとApp Reviewの「メモ」欄で説明するようにしてください。アプリの仕組みが明確でない場合やアプリ内課金がわかりにくい場合は、審査が遅れ、却下の原因となる可能性があります。価格はデベロッパが決定しますが、Appleでは、明らかに高すぎるアプリやアプリ内課金アイテムを配信することはできません。ユーザーに不当に高い金額を請求するアプリは却下されます。
デベロッパがカスタマーレビューの内容を改ざんしたり、金銭や報酬を提供してフィードバックを得たり、フィードバックの一部のみに絞って表示したり、偽のフィードバックを書くなどしたりしてチャートランキングの上昇を図るか、そのようなサービスを提供するサードパーティと協力したことが判明した場合、AppleはApp Storeの信頼性を保つための措置を取り、そのデベロッパをApple Developer Programから除名する場合があります。
4. デザイン
Appleのお客様は、シンプルで、洗練され、革新的で、使用が簡単な製品に高い価値を見出します。そして、それはAppleがApp Storeのアプリに求めるものと同じです。デザインを優れたものにできるかどうかはデベロッパ次第ですが、App Storeで承認されるためには次のような基準があります。加えて、承認を受けた後も、アプリが継続的に機能し、新規および既存ユーザーの双方にとって魅力的であり続けるよう、アップデートしていく必要があります。機能しなくなったり、サービスの品質が低下したりしたアプリは、随時App Storeから削除される可能性があります。
5. 法的事項
アプリは提供されるすべての地域におけるあらゆる法的要件に準拠している必要があります(明確でない場合は法律家に相談してください)。法的要件は複雑ですが、各要件を確実に理解し、アプリを本ガイドラインのみでなく地域のすべての法律に準拠させることはデベロッパの責任です。また当然、犯罪または明らかに分別に欠ける行為を誘発、促進、奨励するアプリは却下されます。人身売買や児童労働の搾取を助長するアプリなど、極端な例においては、該当する当局に通報されます。
- 5.1 プライバシー
Appleのエコシステムにおいて、ユーザーのプライバシー保護は最優先事項です。個人のデータは慎重に扱い、ユーザーの期待に応えることはもちろん、プライバシーのベストプラクティス、すべての適用法および「Apple Developer Program使用許諾契約」の規約に準拠することが求められます。以下に具体例を記載します。
- 5.1.1 データの収集および保存
- (i)プライバシーポリシー:すべてのアプリには、App Store Connectのメタデータフィールドのプライバシーポリシーへのリンクを必ず含め、これをアプリ内でアクセスしやすい形で提示する必要があります。プライバシーポリシーはわかりやすく明確なものである必要があります。
- アプリ/サービスが収集するデータの種類(該当する場合)、データの収集方法、データの用途はすべて明確に提示してください。
- 本ガイドラインに準拠して、アプリのユーザーデータをサードパーティ(分析ツール、広告ネットワーク、サードパーティ製のSDK、その他ユーザーデータにアクセスできる親会社、子会社、その他の関連組織)と共有する場合は、そのサードパーティがアプリのプライバシーポリシーで定める内容や本ガイドラインの要求事項と同一、あるいは同等のレベルでユーザーのデータを保護していることを確認する必要があります。
- データ保存/削除のポリシーと、ユーザーが同意を無効にする方法やユーザーデータの削除をリクエストする方法を記載する必要があります。
- (ii)許可:ユーザーデータや使用状況に関するデータを収集するアプリでは、収集するデータが収集の時点またはその直後の時点で匿名であると考えられる場合でも、そのデータ収集に関してユーザーから同意を得る必要があります。有料の機能は、ユーザーデータへのアクセスをユーザーが許可することに応じるもの、またはそれを条件とすることはできません。また、アプリでは、簡単にアクセスできるわかりやすい方法でユーザーが同意を撤回できるようにする必要があります。必ず、目的文字列でデータの用途を明確かつ十分に説明してください。正当な利益のため、同意を得ることなくデータを収集するアプリは、EU一般データ保護規則(GDPR)の規約、またはそれに類する制定法のすべての条項を遵守する必要があります。詳しくは、「許可のリクエスト」をご確認ください。
- (iii)必要最低限のデータ:アプリは、中心的な機能に関連するデータへのアクセスのみがリクエストされ、関連するタスクの実行に必要なデータのみが収集および使用されるものである必要があります。可能な場合、「写真」や「連絡先」といった保護されているリソースへの完全なアクセス権をリクエストする代わりに、プロセス外のピッカーやシェアシートを使用してください。
- (iv)アクセス:アプリでは、ユーザーのアクセス許可設定を尊重しなければなりません。不要なデータアクセスに同意するようユーザーを巧みに誘導したり、だましたり、強制したりすることはできません。たとえば、ソーシャルネットワークに写真を投稿できるアプリで、マイクへのアクセスに同意しなければ写真をアップロードできない仕様とすることは許可されません。可能であれば、アクセスに同意しないユーザー向けに別の方法を用意してください。たとえば、位置情報の共有に同意しないユーザーには、住所を手動で入力できる機能を用意することができます。
- (v)アカウントへのログイン:アカウント情報をベースにした重要な機能を実装しているものでない限り、アプリにログインせずに使用できるようにしてください。アカウントの作成に対応したアプリの場合は、アプリ内でアカウントの削除もできるようにする必要があります。アプリの主要な機能に直接関連する場合、または法律で要求される場合を除いて、アプリを動作させるためにユーザーの個人情報の入力を要求することは許可されません。アプリの主要な機能が特定のソーシャルネットワーク(Facebook、WeChat、Weibo、Xなど)に関連するものでない場合は、ログインや別のメカニズムを介さずに使用できるようにする必要があります。基本的なプロフィール情報の取得、ソーシャルネットワークへの公開、アプリを利用するよう友達を招待することは、アプリの中心的な機能とはみなされません。また、ソーシャルネットワークの認証情報や、アプリとソーシャルネットワーク間のデータアクセスをアプリ内で無効にできるメカニズムを用意する必要があります。アプリでは、ソーシャルネットワークの認証情報やトークンをデバイスの外部に保存することはできません。そうした認証情報やトークンは、アプリの使用中に、アプリから直接ソーシャルネットワークに接続するときにのみ使用することができます。
- (vi)アプリを利用して密かにユーザーのパスワードやその他のプライベートデータを取得するデベロッパは、Apple Developer Programから除名されます。
- (vii)ユーザーに情報を視覚的に提示する際は、必ずSafariViewControllerを使用する必要があります。SafariViewControllerを非表示にしたり、別のビューやレイヤーで隠したりすることは許可されません。また、SafariViewControllerを使用して、ユーザーの認知や同意なしにアプリでユーザーのトラッキングを行うことは許可されません。
- (viii)ユーザー以外のソースから取得した個人情報、またはユーザーの明示的な同意なしに取得された個人情報を収集するアプリは、その情報が公開データベースからのものであったとしても、App Storeまたは代替アプリマーケットプレイスでは許可されません。
- (ix)規制の多い分野(バンキングや金融サービス、ヘルスケア、ギャンブル、合法大麻の使用、航空旅行など)でのサービスを提供するアプリ、機密性の高いユーザー情報を必要とするアプリは、個人のデベロッパではなく、そうしたサービスを提供する法人によって提出される必要があります。大麻の合法的な販売を促進するためのアプリは、それが合法とみなされる法的管轄地域でのみ利用できるよう、地域制限を設定する必要があります。
- (x) アプリは、ユーザーの基本的な連絡先情報(たとえば名前やメールアドレスなど)の共有がユーザーの任意の選択であり、いかなる機能やサービスの提供もこれらの情報の共有を条件にしておらず、本ガイドラインのその他の規定(子どもからの情報収集に関する制限を含む)にすべて遵守するものである限り、これらの情報をユーザーにリクエストすることができます。
- 5.1.2 データの使用と共有
- (i)法律で許可されているものでない限り、事前にユーザーの許可を取らずに、ユーザーの個人データを使用、送信、共有することはできません。使用する場合は、どこでどのようにデータを使用するかに関する情報をユーザーが確認できる手段を提供する必要があります。アプリで収集したデータは、アプリの改善や、(「Apple Developer Program使用許諾契約」に準拠した)広告の提示といった目的でのみサードパーティと共有することができます。ユーザーアクティビティをトラッキングするには、App Tracking Transparency APIを介して、ユーザーの明示的な許可を得る必要があります。トラッキングについて、詳しくはこちらをご確認ください。ユーザーが機能やコンテンツにアクセスしたり、アプリを利用したり、金銭やその他の報酬(ギフトカードやコードを含むが、これらに限定されない)を受け取ったりする際に、アプリがシステム機能(プッシュ通知、位置情報サービス、トラッキングなど)の有効化をユーザーに求めることは認められません。ユーザーの同意なしに、またはプライバシー関連の法令を遵守せずにユーザーデータを共有するアプリはApp Storeから削除され、当該デベロッパはApple Developer Programから除名される場合があります。
- (ii)法律で明示的に許可されている場合を除き、特定の目的のために収集されたデータを、ユーザーの同意をあらためて取ることなく、別の目的に使用することはできません。
- (iii)アプリで収集したデータに基づき、密かにユーザープロファイルを構築することは許可されません。また、Appleから提供されたAPIで収集したデータ、「匿名化」されたデータ、「集積」されたデータ、または個人を識別できないその他の方法で収集されると説明されたデータに基づいて、ユーザーの識別やユーザープロファイルの再構築を行おうとしたり、助長したり、それを他者に促したりすることは許可されません。
- (iv)「連絡先」、「写真」、ユーザーデータにアクセスするその他のAPIから収集した情報を使用して、自身での使用またはサードパーティに販売したり配信したりすることを目的とした連絡先データベースを構築することは許可されません。また、分析や広告/マーケティングを目的として、ユーザーのデバイスに他にどのようなアプリがインストールされているかに関する情報を収集することも許可されません。
- (v)ユーザーの「連絡先」や「写真」で収集した情報を使用して、第三者に連絡を取ることは許可されません。ただし、ユーザー本人が明示的かつ個別にリクエストする場合はこの限りではありません。「すべて選択」のオプションを用意したり、デフォルトですべての連絡先が選択される仕様にしたりすることは許可されません。メッセージを送信する前に、どのようなメッセージが受信者に表示されるかをユーザーに明確に伝える必要があります(メッセージの内容や、表示される送信者情報など)。
- (vi)HomeKit API、HealthKit、Clinical Health Records API、MovementDisorder API、ClassKit、または深度測定ツールや(ARKit、Camera API、Photo APIなどの)フェイスマッピングツールで収集したデータを、サードパーティが行うものを含めて、マーケティング、広告、またはユーザーベースのデータマイニングに使用することは許可されません。CallKit、HealthKit、ClassKit、ARKitの実装におけるベストプラクティスについて詳しくは、リンク先をご確認ください。
- (vii)Apple Payを使用するアプリでは、商品またはサービスの配信を円滑化または向上させる目的でのみ、Apple Payを通して取得したユーザーデータをサードパーティと共有することができます。
- 5.1.3 健康および健康に関する調査
健康、フィットネス、医療データは特に慎重に扱う必要があり、ユーザーの個人情報の保護を徹底するために、この分野のアプリにはいくつかの追加規定が適用されます。
- (i)許可を得た健康管理の向上または健康調査のため以外の目的(広告、マーケティング、またはその他のユーザーベースのデータマイニングなど)で、健康、フィットネス、医療に関する調査のために収集されたデータ(Clinical Health Records API、HealthKit API、モーションとフィットネス、MovementDisorder API、健康関連の臨床調査から得られるデータなどを含む)を使用したりサードパーティに共有することはできません。ただし、ユーザーに直接メリット(より低額な保険料など)を提供する場合には、メリットを提供する組織によってアプリが提出されており、データがサードパーティと共有されない限り、ユーザーの健康やフィットネスに関するデータをアプリで使用することができます。その際、そのデバイスから収集される健康に関するデータについて具体的に明示する必要があります。
- (ii)アプリの使用によって、HealthKitまたはその他の健康調査アプリや健康管理アプリに虚偽のデータまたは誤ったデータが書き込まれないようにしてください。また、個人の健康情報をiCloudに保存することはできません。
- (iii)健康に関する臨床調査を実施するアプリでは、参加者本人、未成年の場合は親または保護者から同意を得る必要があります。このような同意には、(a)調査の性質、目的、期間、(b)手順、患者へのリスクおよび利点、(c)データの機密性と扱いに関する情報(サードパーティとの共有を含む)、(d)患者が質問がある場合の連絡先、(e)辞退プロセスを含める必要があります。
- (iv)健康関連の臨床調査を実施するアプリは、独立した倫理審査委員会の適切な承認を得る必要があります。承認を受けた証拠を要望に応じて提示していただく必要があります。
- 5.1.4 子どもに関する配慮
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(a) 多くの理由から、子どもの個人データを扱う場合は厳重な注意が求められます。児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)やEU一般データ保護規則(GDPR)などの法律、およびその他の適用される規制または法律をすべて慎重に確認してください。
アプリでは、これらの法律に準拠する目的でのみ生年月日や保護者の連絡先を要求することができます。ただし、ユーザーの年齢に関係なく、そのアプリがユーザーにとって有益な機能またはエンターテインメントの価値を提供するものである必要があります。
主に子どもを対象としたアプリには、サードパーティ製の分析機能またはサードパーティ製の広告を組み込むことはできません。これにより、子ども達にとって、より安全な環境を提供することができます。
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(b)限られたケースでは、サードパーティの分析機能およびサードパーティの広告が許可される場合もあります。この場合は、そのサービスがガイドラインの1.3で定められている条項に準拠することが条件となります。
さらに、「子ども向け」カテゴリのアプリまたは未成年の個人情報(名前、住所、メールアドレス、位置情報、写真、ビデオ、絵、チャット対応の可否、その他の個人データ、上記の任意の組み合わせによる永続的識別子など)を収集、送信、共有する機能を持つアプリにはプライバシーポリシーを設定し、子どものプライバシー保護法に関するすべての適用法に準拠する必要があります。「子ども向け」カテゴリのアプリのペアレンタルゲートと、プライバシー保護法に基づく個人データ収集への保護者の同意は、通常同じではないことにご注意ください。
ガイドラインの2.3.8で定められている点として、アプリのメタデータに「子ども用」といった用語を使用できるのは、「子ども向け」カテゴリのアプリに限られます。「子ども向け」カテゴリに属さないアプリでは、アプリ名、サブタイトル、アイコン、スクリーンショット、説明に、アプリの主な対象ユーザーが子どもであることを暗示的に表す用語を含めることはできません。
- 5.1.5 位置情報サービス
アプリで位置情報サービスを使用できるのは、位置情報サービスがアプリの機能またはサービスと直接関連する場合のみです。位置情報ベースのAPIは、救急サービスまたは自動車、飛行機、その他デバイスの自律制御のために使用することはできません。ただし、軽量のドローンや玩具などの小型デバイス、またはリモートコントロールの自動車警報システムなどは除きます。位置情報を収集、送信、使用する際は、事前にユーザーに通知し、同意を得る必要があります。アプリで位置情報サービスを使用する場合は、アプリにおけるこのサービスの目的を説明する必要があります。説明に関するベストプラクティスについては、「ヒューマンインターフェイスガイドライン」をご参照ください。
- 5.2 知的財産
アプリにはご自身が作成したコンテンツ、または使用許可を取得したコンテンツのみを使用してください。許可なくコンテンツを使用した場合はアプリを削除します。もちろん、他のデベロッパが皆さまの作品を許可なく使用した場合はそのアプリが削除されます。ご自身の知的財産権がApp Storeの他のデベロッパに侵害されているおそれがある場合は、Webフォームから申し立てを行ってください。国や地域によって法律は異なりますが、少なくとも以下の各項に留意する必要があります。
- 5.2.1 全般:商標、著作権取得済みの作品、特許取得済みのアイデアなどの保護されたサードパーティ製の素材をアプリで許可なく使用することはできません。また、誤解を招く、虚偽の、または模倣の描写、名前、メタデータをApp Bundle(アプリバンドル)やデベロッパ名に含めることは許可されません。アプリは、知的財産権およびその他の関連する権利を所有する、またはそのライセンスを受けている個人または法人によって提出される必要があります。
- 5.2.2 サードパーティのサイトおよびサービス:アプリがサードパーティのサービスのコンテンツを使用、アクセス、または表示する場合、あるいはそのコンテンツへのアクセスを収益化する場合、当該サービスの利用規約に従って特別の許可を得る必要があります。また、要望に応じて承認書類を提示していただく必要があります。
- 5.2.3 オーディオおよびビデオのダウンロード:アプリを使って違法なファイル共有を助長したり、コンテンツの供給元であるサードパーティ(Apple Music、YouTube、SoundCloud、Vimeoなど)の明示的な承認を得ることなく、そのコンテンツを保存、変換、またはダウンロードする機能をアプリに搭載したりすることはできません。オーディオおよびビデオコンテンツのストリーミングも利用規約に違反する可能性があるため、アプリでこれらのサービスにアクセスする前に必ず確認してください。また、要望に応じて承認書類を提示していただく必要があります。
- 5.2.4 Appleの承認
- (a) Appleがアプリのデベロッパまたはサプライヤーであると示唆または暗示したり、Appleが品質または機能に関して特定のアプリを承認していると示唆または暗示することは認められません。
- (b)アプリが「エディターのおすすめ」に選ばれた場合、バッジが自動的に適用されます。
- 5.2.5 Apple製品: Appleの既存の製品、インターフェイス(Finderなど)、アプリ(App Store、iTunes Store、メッセージなど)、および広告のテーマなどとの混同を招くような、類似したアプリを作成することは認められません。サードパーティ製のキーボードやステッカーパックを含め、アプリやExtensionにAppleの絵文字を含めることはできません。iTunesとApple Musicの音楽プレビューを娯楽的な目的で(フォトコラージュのBGM、ゲームのサウンドトラックなど)、またはその他の承認されていない目的で使用することは許可されません。iTunesやApple Musicの音楽プレビューを使用する場合は、iTunesやApple Musicの該当曲のリンクを表示する必要があります。アプリでアクティビティリングを表示する場合は、アクティビティコントロールに類似する方法で、ムーブ、エクササイズ、スタンドのデータを表示することはできません。アクティビティリングの使用に関して詳しくは、「ヒューマンインターフェイスガイドライン」をご参照ください。アプリでApple Weatherのデータを表示する場合は、WeatherKitドキュメントのアトリビューション要件に従う必要があります。
- 5.3 賭博ゲーム、ギャンブル、宝くじ/ロト
賭博ゲーム、ギャンブル、宝くじ/ロトは管理が複雑であり、App Storeでもっとも規制が厳しい分野の1つです。アプリを提供するすべての地域におけるあらゆる法的義務を確認した後、こうした機能を搭載してください。この場合、審査には通常よりも時間がかかります。以下の点に注意してください。
- 5.3.1 抽選やコンテストの主催者は、アプリのデベロッパである必要があります。
- 5.3.2 抽選、コンテスト、チャリティーくじの公式ルールをアプリ内で提示し、Appleは主催者ではなく、いかなる形でも関わりがないことを明記する必要があります。
- 5.3.3 現実のお金を使用するあらゆる形式の賭博ゲームで、ゲームのクレジットや通貨の購入にアプリ内課金を使用することはできません。
- 5.3.4 現実のお金を使用する賭博ゲーム(スポーツ賭博、ポーカー、カジノゲーム、競馬など)または宝くじ/ロトを提供するアプリは、アプリが利用される地域で必要なライセンスおよび許可を取得し、アプリの利用をその地域のみに制限し、App Storeで無料で配信する必要があります。カードカウンターなどの違法なギャンブルツールは、App Storeで許可されません。ロトアプリには、考慮、機会、賞品の3つの要素が必要になります。
- 5.4 VPNアプリ
VPNサービスを提供するアプリでは、NEVPNManager APIを使用する必要があり、組織として登録しているデベロッパのみ提供することができます。また、ユーザーがサービスを購入または使用するための操作を行う前に、収集するユーザーデータとその用途についてアプリの画面上に明示する必要があります。VPNサービスを提供するアプリでは、その目的を問わずいかなるデータもサードパーティに販売、共有、開示することは認められず、その旨をプライバシーポリシーに明記する必要があります。現地の法令に違反するVPNアプリは提供できません。また、VPNサービスの提供にライセンスの取得が必要な地域でVPNアプリを提供する場合は、App Reviewの「メモ」欄でライセンス情報を提示してください。承認を受けたプロバイダによって提供されるペアレンタルコントロール、コンテンツブロック、セキュリティアプリなどにおいても、NEVPNManager APIが使用されている必要があります。本ガイドラインに準拠していないアプリはApp Storeから削除され、代替配信経由のインストールがブロックされます。また、当該デベロッパはApple Developer Programから除名される場合があります。
- 5.5 モバイルデバイス管理
モバイルデバイス管理(MDM)サービスを提供するアプリでは、Appleが提供しているMDM機能をリクエストする必要があります。こうしたアプリは、営利企業、教育機関、政府機関のみが提供することができます。限られたケースで、ペアレンタルコントロールサービスまたはデバイスセキュリティにMDMを使用する企業による提供が許可される場合もあります。また、ユーザーがサービスを購入または使用するための操作を行う前に、収集するユーザーデータとその用途についてアプリの画面上に明示する必要があります。適用法に違反するMDMアプリは提供できません。MDMサービスを提供するアプリでは、その目的を問わずいかなるデータも販売、使用、サードパーティに開示することは許されておらず、その旨をプライバシーポリシーに明記する必要があります。特定のケースに限り、サードパーティ製の分析機能を組み込むことが許可される場合もあります。その場合、そのサービスが、デベロッパのMDMアプリのパフォーマンスに関するデータの収集または送信のみを目的とし、ユーザー、ユーザーのデバイス、そのデバイスで利用されているその他のアプリに関するいかなるデータも収集または送信しないことが条件となります。構成プロファイルを提供するアプリもこうした要件に準拠する必要があります。本ガイドラインに準拠していないアプリはApp Storeから削除され、代替配信経由のインストールがブロックされます。また、当該デベロッパはApple Developer Programから除名される場合があります。
- 5.6 デベロッパ行動規範
デベロッパは、App Storeのカスタマーレビュー、カスタマーサポートのリクエストへの対応、App Store Connectとのやり取りを含むAppleとのコミュニケーションなど、あらゆる場面で誰に対しても敬意を持って対応することが求められます。嫌がらせ、差別的な言動、脅迫、いじめなどを、いかなる形でも行わず、そのような行為を他者に促すこともないようにしてください。不正な操作、誤解を招く行為、その他の詐欺的な行為を繰り返すと、Apple Developer Programからの除名につながります。
ユーザーからの信頼は、アプリのエコシステムの基盤です。アプリでユーザーから搾取したり不当にだまし取ろうとしたり、ユーザーが不要なものを購入させようとすることは絶対に許容されません。また、不必要なデータ共有を強制したり、価格を巧妙に上乗せしたり、実際には利用できない機能やコンテンツの料金を請求したりなど、ユーザーに対する不正な操作をアプリの内外で行うことは許されません。
「デベロッパ行動規範」に違反する活動や行動に従事した場合は、Developer Programのアカウントは停止されます。アカウントを復元するため、デベロッパは詳しい改善計画を書面で提出することができます。Appleがその計画を承認し、改善が実施されたことを確認すると、アカウントが再度有効になります。
- 5.6.1 App Storeのカスタマーレビュー
App Storeのカスタマーレビューは、アプリの体験を構成する中でも1つの重要な要素となっています。そのため、ユーザーのコメントに返答する際は敬意を持って対応することが重要です。ユーザーのコメントに対する返答だけを記載するようにしてください。個人情報、スパム、マーケティングに関する内容を含めることはできません。
アプリのレビューをユーザーに促すには、提供されているAPIを使用してください。ユーザーがアプリから離れることなく、簡単にApp Storeでの評価とレビューを入力できるようになります。この場合、レビューを求めるカスタムプロンプトの表示は無効化されます。
- 5.6.2 デベロッパ情報の真正性
デベロッパのアイデンティティを確認できる情報をAppleおよびユーザーに向けて提示することは、ユーザーの信頼を得る上で非常に重要です。デベロッパは、デベロッパ自身とそのビジネス、App Storeまたは代替アプリマーケットプレイスで提供しているものについて、正確に説明する必要があります。正確かつ適切な最新の情報を提示して、Appleおよびユーザーがデベロッパについて理解し、問題が発生した際に問い合わせることができるようにしてください。
- 5.6.3 アプリの見つけやすさに関する不正行為
App Storeに参加するデベロッパには、誠実さと、ユーザーの信頼の構築と維持に取り組むことが求められます。ランキング、検索、レビュー、アプリの推薦など、App Storeにおけるユーザー体験に関わる要素を不正に操作することは、ユーザーからの信頼を損なうため、禁止されています。
- 5.6.4 アプリの品質
ユーザーは、App Storeにて最高品質の体験が得られることを期待しています。コンテンツ、サービス、ユーザー体験の品質を高いレベルで維持することは、ユーザーからの信頼を高めます。ネガティブなユーザーレビュー、多数の返金リクエストなど、アプリに関する懸念を伝える報告がユーザーから大量に届く場合は、ユーザーの期待に応えられていないことを示しています。デベロッパがアプリの品質の高さを維持できない場合は、「デベロッパ行動規範」が遵守されているかどうかを判断する1つの要素となる可能性があります。
提出後
アプリとメタデータをApp Store Connectに提出すると、審査プロセスが開始されます。以下の点にご注意ください。
- タイミング:App Reviewでは、可能な限り迅速にアプリが審査されます。ただし、複雑なアプリや新たな問題に関わるアプリには、より綿密な審査や検討が求められる場合もあります。また、同じガイドラインへの違反により何度も却下されていたり、審査プロセスを不正に操作しようとしたりした経緯がある場合は、アプリの審査完了までより長い時間がかかります。詳しくは、「App Review」をご確認ください。
- ステータスの更新:App Store Connectにはアプリの現時点のステータスが反映されるため、アプリの最新状況を確認できます。
- 優先審査のリクエスト:時間に関して重大な懸念がある場合は、優先審査をリクエストできます。他のデベロッパに配慮し、本当に必要な場合のみ優先審査をリクエストしてください。この制度を濫用していることがわかった場合、リクエストを却下する場合があります。
- リリース日:リリース日が未来の日付に設定されている場合、App Reviewでアプリが承認された後もその日までApp Storeに表示されません。また、選択されたすべてのストアフロントでアプリが公開されるまでに、最大24時間かかることがありますのでご了承ください。
- 却下:Appleの目標は、ガイドラインを公正かつ一貫性を持って適用することですが、必ずしも完璧に適用できるとは限りません。アプリが却下された後に質問がある場合、または追加の情報を提出する場合は、App Store Connectを通して直接App Reviewチームにお問い合わせください。そうすることで、一度は却下されたアプリが承認されてApp Storeに公開される可能性もあります。また、これによりAppleがApp Reviewプロセスを改善し、ポリシーをより明確に提示するために役立つことにもなります。
- 異議の申し立て:審査結果に同意できない場合は、異議の申し立てを申請してください。そうすることで、一度は却下されたアプリが承認されてApp Storeに公開される可能性があります。また、ガイドライン自体の変更を提案することもできます。これは、AppleがApp Reviewプロセスを改善し、ポリシーのどのような点を明確にする必要があるかを特定するのに役立ちまます。
- バグ修正の提出:App Storeまたは代替アプリマーケットプレイスですでに配信されているアプリの場合、法的な問題または安全性の問題に関連しない限り、ガイドライン違反を理由にバグ修正が遅れることはありません。アプリが却下されたものの、このプロセスの対象に該当する場合は、App Store Connect経由でApp Reviewチームに直接連絡を取り、このプロセスの利用を希望する旨、および次回の提出時にその問題に対処する予定である旨を知らせてください。
皆さまの新しいアイデアを楽しみにしています。
最終更新日:2024年9月13日