Apple Payのプランニング
アプリやWebサイトで簡単でスピーディ、かつ安全に商品やサービスを購入する方法を提供しましょう。>ベストプラクティスに基づいてApple Payを実装しているデベロッパは、チェックアウトのコンバージョン率を大幅に向上させているだけでなく、カスタマーロイヤルティの向上、購入頻度の増加、チェックアウト時間の短縮などを実現させています。
アプリやWebサイトで簡単でスピーディ、かつ安全に商品やサービスを購入する方法を提供しましょう。>ベストプラクティスに基づいてApple Payを実装しているデベロッパは、チェックアウトのコンバージョン率を大幅に向上させているだけでなく、カスタマーロイヤルティの向上、購入頻度の増加、チェックアウト時間の短縮などを実現させています。
Apple PayはアクティブなAppleデバイスのほとんどに対応しており、世界中の何億人ものユーザーによって利用されています。プロダクトの詳細ページ、カート、決済ページ、支払い設定以外にも、ユーザーが支払い方法を選択したり、購入手続きを開始したりする場面で利用できるよう、Apple Payを各所に追加することをおすすめします。
Apple Pay APIでは、アプリやWebサイトで利用できるボタンのオプションが複数提供されています。各ボタンにはApple承認済みのキャプション、フォント、色、スタイルが使用され、さまざまなインターフェイスレイアウトに合わせ、拡大/縮小された場合でも適切な比率が保たれるようになっています。UIのスタイルに合わせて、ボタンの角丸を設定することができます。また、ローカリゼーションとアクセシビリティのサポートも標準で組み込まれています。
詳しくは、「ヒューマンインターフェイスガイドライン」および「Web上のApple Payの利用に関するガイドライン」をご参照ください。
ユーザーが支払い方法としてApple Payを選択すると、ペイメントリクエストが作成されます。ペイメントシートは、ユーザーがApple Payボタンをタップした直後に表示される必要があります。別の画面やポップアップを挟んだ後に表示させることはできません(サイズや数量などの必要な情報のプロンプトを除きます)。
ペイメントシートには、ユーザーの名前、請求先住所、配送先住所、配送方法、電話番号、メールアドレスなどを含めることができます。表示する情報を決定する際には、そのトランザクションの実行に必要となる情報のみが表示されるようにしてください。明細項目に、配送料、税額、割引額などの関連する情報を追加設定することができます。
詳しくは、「ヒューマンインターフェイスガイドライン」および「Web上でのApple Payのインタラクティブデモ」をご参照ください。
ユーザーによる購入の承認が得られれば、ユーザーの実際のクレジット/デビットカード番号を処理する必要はありません。代わりに、アプリまたはWebサイトが、暗号化されたペイメントトークンを含むペイメントオブジェクトを受け取ります。ペイメントトークンには、デバイス固有のアカウント番号、金額、1回限りの一意のクリプトグラムなど、支払いトランザクションを完了するために必要な情報が含まれています。このトークンは、証明書の秘密鍵を持つマーチャントまたはマーチャントを代行するペイメントサービスプロバイダ(PSP)によって復号されます。復号されたトークンは、処理のため、ペイメントサービスプロバイダに渡される必要があります。
Apple Pay対応のeコマースプラットフォームやペイメントサービスプロバイダ(PSP)をすでに利用している場合は、Apple Payをシンプルかつ迅速に実装できます。別の方法として、アプリやWebサイトからApple Payのペイメントトークンを受け取り、復号した後、通常の処理へと送信することができる、独自のソリューションを開発することもできます。ご利用のプラットフォームまたはPSPに問い合わせてApple Payへの対応状況を確認するか、こちらのプラットフォームおよびプロバイダのリストをご参照ください。
Apple Payによって、購入手続きが迅速になり、優れたカスタマーエクスペリエンスを新たに生み出すことができます。以下のベストプラクティスに従うことで、チェックアウトのコンバージョン率の向上、カスタマーロイヤルティの向上、購入頻度の増加といった効果が得られます。
ボタンで促されているアクションが、ユーザーに求められるアクションと一致する必要があります。システムでは、アプリやWebサイトで利用できるApple Payボタンのタイプとスタイルが複数提供されています。「ヒューマンインターフェイスガイドライン」では、さらにカスタマイズするためのオプションもご確認いただけます。Apple Payボタンは、スクロールせずに見えるところに目立つように表示してください。
プロダクトまたはカートのページでApple Payボタンを表示させることで、エクスプレスチェックアウトを提供します。ユーザーは、配送オプションや配送先住所をペイメントシートで直接選択できるため、情報の入力を一切せずに購入することができます。これにより、カートのキャンセル率が低減されるほか、全体的なコンバージョン率が向上します。
アプリではPassKit API、WebサイトではSafariのJavaScriptベースのAPIを使うことで、ウォレットにカードが設定されているユーザーを識別し、支払い方法としてApple Payが選択された状態にすることができるため、購入手続きを迅速化できます。
Apple Payのシートには、トランザクションを完了するために必要なユーザーの名前、請求先住所、配送先住所、配送方法、電話番号、メールアドレスなどを含めることができます。購入手続きにはペイメントシートの情報を利用することを検討し、これらのフィールドへの入力をユーザーに求めなくても済むようにしてください。入力を求めると、購入がキャンセルされやすくなります。
購入前にユーザーにアカウント登録を求めることは、購入手続きがキャンセルされる主な原因の1つです。Apple Payでは、ユーザーはゲストとして簡単に購入を完了できます。購入が完了した後に、「Appleでサインイン」を使ってApple Accountでアカウントを作成するオプションを提供できます。
iOS 16以降、詳細なレシートと注文の追跡情報がウォレットに表示されるようになりました。注文の変更に関する通知をユーザーに送信することもできます。また、ユーザーはカスタマーサービスや注文管理オプションにも簡単にアクセスできます。支払いが完了したら、Wallet Orders Webサービスを使って、注文の詳細情報をシームレスにウォレットに追加できます。注文の追跡に関するデザインのガイダンスは、「ヒューマンインターフェイスガイドライン」をご参照ください。
注文の追跡に対応している注文管理プラットフォーム (AfterShip, Narvar)を利用して、シンプルかつスピーディに実装することができます。まもなく、その他のプラットフォームも利用できるようになります。
App Clipを使えば、完全版のアプリをダウンロードしなくても、特定のタスクをすばやく実行できます。Apple PayとApp Clipを組み合わせることで、エキサイティングな新しいオムニチャネルコマース体験を実現し、顧客満足度を高めながら、売上とコンバージョンを向上させることができます。
App Clipを利用することで、ユーザーに以下のような体験を提供できます。
Apple Payは、多くの国や地域のユーザーが利用できます。マーチャントが利用するペイメントサービスプロバイダがApple Payに対応している限り、どの国または地域のマーチャントもApple Payによる支払いを受け付けることができます。なお、中国本土ではWeb上のApple PayのサポートはiOSのSafariに限定されています。
Apple Payを使って支払いをするには、ユーザーはAppleウォレットにカードを追加する必要があります。Apple Payは、世界中の大手の銀行やカード発行会社が発行する、主要なクレジット、デビット、プリペイドカードの多くに対応しています。
主要なeコマースプラットフォームおよびペイメントサービスプロバイダは、アプリ内やWebサイト上のApple Payをサポートしています。アプリやWebサイトでApple Payに対応する最も簡単かつ確実な方法は、ペイメントプロバイダが提供するApple Pay SDKやJavaScript APIを使用することです。
承認済みのeコマースプラットフォームおよびペイメントサービスプロバイダは、保有するマーチャントIDと合わせてApple Pay Web Merchant Registration APIを使用することで、Apple Pay用のマーチャントのWebサイトを登録および登録解除することができます。
Apple Payは、商品やサービスの購入に加えて、ユーザーが支持するチャリティにオンラインで寄付するための、便利で安全な方法としても利用できます。登録済みの非営利団体がアプリやWebサイトで寄付を受ける場合、Appleによる承認が必要です。
アプリが商品やサービスの購入にWebベースのインターフェイスを使っている場合、アプリのネイティブコードにリクエストを移動することでApple Payに対応できます。Apple Payが組み込まれたサードパーティのWebコンテンツをアプリが Safariビューコントローラで表示している場合、ユーザーはSafariでそのWebコンテンツを見ているときと同じように、Apple Payを使用することができます。
Web決済が可能なアプリにApple Payを組み込むには、こちらの手順に従ってください。
Apple Payはeコマースのトランザクションタイプのほとんどをサポートしており、シンプルなビジネスモデルでも複雑なビジネスモデルでも柔軟に対応することができます。個々のビジネスモデルに適するApple Payの導入方法については、ご利用のペイメントサービスプロバイダにご相談ください。
以下は、Apple Payがサポートしているトランザクションタイプの例を示しています。サポートされるトランザクションタイプについては、ご利用のペイメントサービスプロバイダにお問い合わせください。
トランザクションタイプ |
詳細 |
例 |
---|---|---|
オーソリとキャプチャ |
ユーザーの口座に資金を留保し、デベロッパの口座に送金する |
商品をただちに配送できるオンラインショッピング |
オーソリと遅延キャプチャ |
ユーザーの口座に資金を留保し、デベロッパの口座に後で送金する |
予約注文、チップを伴う配送サービス、オンライン注文の店舗受け取り |
オーソリと異なる金額のキャプチャ |
ユーザーの口座に資金を留保し、承認された金額よりも高い、あるいは低い金額で注文が完了した後デベロッパの口座に送金する |
タクシー、スクーター |
パーシャルシップメント(分割出荷) |
分割して出荷される商品に対して、支払いを複数回に分割する |
配送が複数回行われる複数商品の購入 |
定期サブスクリプション |
決まった頻度および金額で定期的に発生する支払いに対応する |
ジムの月額会費 |
不定期サブスクリプション |
頻度が固定されていないサービス、またはユーザーが頻度を変更することのできるサービスの支払いに対応する |
ユーザーが配送をスキップする、配送日を変更する、あるいは配送頻度を変更できる、食事の定期購入 |
変動料金サブスクリプション |
消費量に応じて料金が変動するサービスの支払いに対応する |
光熱費、初回月にプロモーションがあるサブスクリプション |
管理型サブスクリプション |
ユーザーが頻度や量を変更できるサービスの支払いに対応する |
非常に柔軟な食事のデリバリーサービス |
トランザクションのキャンセル |
キャンセルされたトランザクション、払い戻しされたトランザクション、申し立てが行われたトランザクションのため代金を返金する |
支払い取り消し、無効になったトランザクション、返金 |
カードの確認 |
選択されたカードが、カード所有者の有効かつ優良な状態のアカウントに紐づけられていることを確認する |
0ドルまたは1ドルのオーソリ |