起動と停止

瞬時に起動する

ユーザが新しいアプリケーションを評価するために費やす時間はせいぜい1〜2分程度である、とよく言われます。この短い時間で有用な情報を提示することができれば、ユーザの興味をかき立て、満足を与えることになるでしょう。

スプラッシュ画面その他、起動時の余計な処理をできるだけ避ける。アプリケーションは即座に使えるようになるのが一番です。

推奨 ../Art/avoid_startup_r_2x.png 非推奨 ../Art/avoid_startup_nr_2x.png

ユーザに設定情報の入力を要求しない。代わりに、次のように対応します。

できるだけログイン要求を遅らせる。ログインしなくても、主な機能をひと通り使ってみることができるのが理想です。たとえばApp Storeは、ユーザが何かを購入すると決めるまで、ログインするよう求めないようになっています。何もできなければ、使うこと自体をやめてしまうかも知れません。

ログインを要する場合は、ログインビューにその理由や利点を、親しみやすく簡潔に記載してください。

実地体験できる環境を提供する場合は慎重に検討する。(これは、アプリケーションの機能を紹介し、典型的な作業の実行手順を説明するというものです)。実地体験できる環境を検討する前に、あらゆる機能や作業が直感的で、容易に手順を推測できる設計に努めてください。これを導入したからといって、設計の改善が不要になるわけではありません。それでも必要と判断した場合は、以下のガイドラインに従い、ユーザの意図を妨げない、簡潔で的を射た体験ができるようにしてください。

すぐにアプリケーションの評価を求めることは避ける。すぐに評価を訊ねるとユーザはうるさく感じ、有用なフィードバックを返そうとしない可能性があります。よく考えた上でフィードバックを返すよう促すため、考えをまとめる機会を与え、後で評価を訊ねるようにしてください。たとえば、これまでに表示した画面の種類、あるいは実行した作業が、所定の数以上になってから評価を求めるようにするとよいでしょう。

通常はデバイスの現在の向きで起動する。ただし、1つの向きでしか動作しないアプリケーションの場合は、その向きで起動し、必要ならばデバイスの向きを変えさせることになります。たとえばゲームやメディア閲覧アプリケーションで、横向きでしか動作しない場合、デバイスが縦向きであっても、横向きモードで起動してください。そうすればユーザは、デバイスの方を回転して向きを合わせようとします。

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起動用のファイルや画像を提供する。iOSはアプリケーション起動時に起動画像を表示します。即座に起動した印象を与えながら、アプリケーションに、コンテンツをロードする時間を与えるのが目的です。起動用のファイルや画像の作り方については“起動画像”を参照してください。

まずユーザに免責条項に目を通し、EULA(End-User License Agreement)に同意するよう求めることはできるだけ避ける。代わりにApp Storeに表示して、購入前に参照できるようにしてください。アプリケーション内で表示し、同意を求めなければならない場合でも、UIと調和するような形で組み込み、必要以上の不便を強いないようにしてください。

アプリケーションを再起動する際は、状態を保存しておいて、中断したときの状態からすぐに再開できるようにする。前回の状態に戻すための手順を、ユーザが覚えておかなければならないようであってはなりません。アプリケーションの状態を効率よく保存および復元する方法については、「次回の起動時に同じ画面表示を再現する」を参照してください。

いつ停止してもよいようにする

iOSアプリケーションには「Close」や「Quit」という機能がありません。他のアプリケーションに切り替え、ホーム画面に戻り、あるいはデバイスをスリープモードに切り替えれば、当該アプリケーションを終了したことになります。

実行中のアプリケーションから別の画面に切り替えると、iOSのマルチタスク機能が働きます。元のアプリケーションはバックグラウンドに切り替わり、UIも新しいアプリケーションのものになります。アプリケーションはこれに備えて、次のように処理しなければなりません。

アプリケーションによっては、ユーザがフォアグラウンドで別のアプリケーションを実行している間も、バックグラウンドで実行を継続しなければなりません。たとえばオーディオ再生アプリケーションは、ユーザが別のアプリケーションでカレンダーを確認したり電子メールを処理したりする間も、再生を続けなければならないのです。マルチタスクを適切に処理する方法については、“マルチタスク”を参照してください。

iOSアプリケーションをプログラム的に強制終了させることは避ける。単にクラッシュしたものと受け取られる可能性があります。何らかの原因でアプリケーションが意図通り機能しない場合は、その状況を伝え、何ができるかを説明しなければなりません。対処するための考え方をいくつか示しましょう。

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どの機能も使えない場合、状況と対処法を画面に表示する。これにより、アプリケーション自体には問題がないことがユーザに伝わります。さらに、何らかの対策をして処理を続行するか、別のアプリケーションに切り替えるか、という選択肢を与えることにもなります。

一部の機能のみに問題がある場合は、それを実行しようとした段階で、アラートその他の画面を表示する。アラートが出なければ、ユーザは通常通りその機能を利用できます。問題がある機能をユーザが実行しようとしたときにのみ、アラートを表示するようにしてください。

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